ひふみ投信第四期運用報告会レポート(1)運用概況と組入銘柄 ― 2012年11月03日
今日はひふみ投信の運用報告会に行って来ました。
日時:2012年11月3日(土) 10時~12時
場所:レオス・キャピタルワークス
電車が遅れて5分くらい遅刻してしまったのですが、ちょうど藤野さんの話が始まるところでした。
会場は満席で椅子を追加してなんとか入っている状態。
昨年は30名程でしたが、今年は倍の60名程はいたのではないでしょうか?
運用報告は藤野さん、その後マーケティング担当の白水さんからひふみ投信のサービスについて説明があり、残りが質疑応答という流れでした。
※ひふみ投信の第四期運用報告書はこちら
【ひふみ投信の概況(2012年10月1日現在)】
純資産額 :25.86億円 +74%
お客様数 :3,942口座 +118%
積立口座比率:63.23% +12%
一般的に人口の20%の富裕層が金融資産の80%を持っていると言われている。
証券会社や銀行はこの80%に向けて営業活動を行なっているが、ここでフォローされていない80%の普通の人にも資産運用を届けたいというのがひふみ投信の理念。
ただ、この層は資産運用のニーズを感じていなかったり、どうしたらいいのかアクセスを知らなかったりするので知ってもらうための地道な活動をしている。
貯めながら増やす。貯金がない人でもお金を増やしていけるように。
SBI証券でひふみプラスという投信を姉妹ファンドを販売するようになった。こちらは500円から積立ができる。
まず500円からお金を貯める、増やすという楽しさや重要性を知ってもらい習慣づけを。
【コストについて】
信託報酬 :132円
売買手数料:44円
保管費用 :1円
合計 :177円
実質コスト=177円/期末基準価額(13,415円)=1.319%
昨年は1.638%だったので実質コストは低下した。
主な要因は売買手数料が下がったこと。昨年は東日本大震災があり、銘柄の入れ替えが多かったが今年はそういった事がなかったことによるもの。
【分配原資】
配当収益 :約2850万円
有価証券売買益:約1.27億円
1万円あたり :811円
第四期も分配金は出していない。
ひふみ投信は分配金再投資型の設定になっているため、1円もムダなく運用していただくため。
分配金の議論の他にいつまで運用をすればいいのか?という話もあるが、そういった事にも今後なんらかの提案をしていきたい。
【モーニングスターによる評価】
カテゴリー:国内中型ブレンド(33本)
リターン(1年):8.45%(2位)
リターン(3年):3.87%(1位)
リスク(1年) :15.42(8位)
リスク(3年) :13.71(2位)
シャープレシオ(1年):0.53(2位)
シャープレシオ(3年):0.28(1位)
ひふみ投信は上げ下げの少ない運用を目指している。
中小型株なのでリスクが高いと一部で誤解されているが、それは印象で実際は低リスク
リスクが低く、リターンも高いというあり得えない事が起きている。
それが高いシャープレシオに表れている。
【ひふみ投信の運用について】
ひふみ投信は官製相場に弱い。
金融緩和などのモルヒネを打つとそれに反応するような会社は買っていないため。
日銀や政府が悪いという論調も聞くが、個人的には違和感を感じている。
じゃあ、企業努力や本質的な価値はなんなのか?
日経平均やGDP、欧州問題などに影響を受けない会社を集めて守りを固めている。
金融緩和があった場合に対応はするけれども、基本観は異なる。
投資をギャンブルにしないこと。
ひふみ投信の型
・急騰相場 → ついていけない
・ボックス相場 → 得意
・急落相場 → ほぼ同じくらい下げる
・弱い下げ相場 → 少し下げるか少し上げる
今のようなボックス相場や弱い下げ相場に強い。
いい会社を組み入れればいいだけではない。マーケットを見てリターンとリスクの戦略を練っている。
ポートフォリオマネージャーとしての役目。
例えば、同じ30銘柄でも自由に運用して良いというと1年後には運用者毎に結構差が出る。
リスクについて大型株、中型株、小型株という考え方やセクターによる分散という考え方もあるが、ひふみ投信では価値観を分散している。
よく新聞記者やマスコミの人に藤野さんが注目しているテーマはなんですか?と聞かれるが特に設定していない。
テーマを設定して、外れてしまったらどうするのか?バクチではない。
ポートフォリオ全体ではバラバラのテーマに投資して価値観の多様化を図っている。
未来は当てられない。
前日のNYの相場を見てある程度の方向感を想像することはできても、それ以上はできないし1月先のマーケットの状況や為替などはわからない。
【組入銘柄の紹介:ジェイアイエヌ】
成熟したメガネ業界で革新を起こし続けている企業。
金融緩和してもギリシアがどうなっても関係のない業種。
最近は機関投資家や外国人が買うようになって株価のギャンブル性が高まってきた。
ひふみ投信は機関投資家や外国人が好みそうな銘柄を先んじて買うようにしている。
その頃はまだ株価もギャンブル性が低く、変動性が低い。
【組入銘柄の紹介:コシダカホールディングス】
成熟市場のカラオケに新機軸で旋風を巻き起こし、フィットネス事業も好調。
ジェイアイエヌもコシダカホールディングスも群馬に本社のある会社。
ひふみ投信は群馬比率がなぜか高い。
会社の規模を考えたら東京に本社を持ってきてもいいが、賃料の安い群馬に本社を置いているのはコスト意識がそれだけ高い裏付け。
「まねきねこ」はカラオケで日本一の規模。
郊外中心に展開しているので東京にいると気づかないかもしれないが、地方に行くといっぱいある。
居抜き物件に出店しているが、その定義がすごい。会社訪問していて今後は居抜きは難しくて建築物件が増えそうという話を聞いたが、この会社の言う居抜きは倒産したカラオケ屋を買うことで、機材もそのままで明日から営業できるようなもの。
普通の会社が居抜きというレストランなどの跡地を改装してカラオケボックスにする事は建築物件と呼んでいる。
カラオケボックスやフィットネスクラブを展開しているが、それは井戸端会議の井戸端を提供しているということ。
場所(インフラ)を提供して、面白いコンテンツは来た人が提供する。Facebookやクックパッドと同じビジネス。
フィットネス事業では60~70代の女性にプロテインが売れている。15億円も。
筋肉ムキムキになりたいのではなく、運動した後に疲れが残らないという評判から。
【組入銘柄の紹介:スリー・ディー・マトリックス】
バイオベンチャー。安全で使いやすい止血剤。
大豆ペプチド由来の止血剤を作っている。
従来の血液製剤では感染症のリスクがあるが、安全な止血剤を開発。製品化目前。
【組入銘柄の紹介:セリア】
飽和市場の100円ショップに新しい風を。POSを導入し、科学的な顧客分析で潜在需要を喚起した。
100円ショップ業界で2位。
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コメント
_ 岡村 憲道 ― 2012年11月06日 00:03
_ m@ ― 2012年11月06日 23:15
お役にたてて良かったです!
頑張って書いたのがその言葉で報われます!ありがとうございます。
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