厳美渓でかっこう団子をおみまいされて来ました2013年05月08日

GW前半は一関と気仙沼に行って来ました。
セキュリテ被災地応援ファンドで応援している会社を訪問する他に普通の観光もしてきたのですが、まず訪れたのは厳美渓。

伊達政宗が松島と並んでその美しさを自慢したとされる景勝地です。

でも、水曜どうでしょうを見た人ならやっぱりこれでしょう。
空飛ぶだんご かっこうだんごです。

対岸のお店から籠に入った団子が飛んできます。
「あいよっ」って掛け声をかけるようになると間違いなくどうバカです。
団子の順番を待っている間も何組かどうバカと思われる方がいました。

こちらが郭公だんご 400円。(ごまが売り切れのためみたらしが二本)
見事におみまいされてきました。

厳美渓には鉄筋ならぬ竹筋コンクリート製の橋があります。
戦時中とはいえ、竹筋ってすげー。そして現役です。

温泉に入って一休みした後、せっかくなのでバス停の横にある滝見だんごにも寄りました。

滝見だんごのくるみは絶品だと思います。


SIF-Japanの定例勉強会 SRI事情・初級編 水口剛氏2013年05月10日

NPO法人 社会的責任投資フォーラムの第46回定例勉強会に行って来ました。

日 時:2013年5月9日(木) 18:30〜20:30
場 所:東京ウィメンズプラザ
講 師:水口剛氏(高崎経済大学経済学部教授・経済学部長 SIF-Japan(共同)代表理事)

■ 現在の投資が抱える2つの問題
一つはショートターミズム。短期間で利益をあげようとする傾向。市場に流動性をもたらすという見方もあるが、人間は合理的に行動できないので一方向に突っ込み過ぎる傾向がある。また、本来出資したお金がビジネスで使われて利益を生み出したものから投資家に利益が還元されるものではないのか?

もう一つは投資と投機の外部性。ある経済活動が当事者以外にも影響を及ぼしてしまう。
世界人口は70億人になり、2050年には90億人とも言われているが、中国やインドの新興国がこのまま人口が増えながら経済成長していくと地球の環境容量の限界を超えてしまうのではないか?

そこで地球環境の器の中で経済活動を行うようにすべての意思決定において持続可能性に配慮した「責任ある経済」への転換が求められている。

■ SRIファンドから「責任ある投資」へ
第一世代のSRI
 1920年代にアメリカやイギリスの教会が教義に反する酒・タバコ・アルコール系企業を除外した投資

第二世代のSRI
 1970年代のアメリカで反戦・人権・環境保護運動などと連携した投資
 株主総会へ議案を提出したり、よい企業を選ぶという特徴

第三世代のSRI
 1990年代以降、アメリカやヨーロッパの大手金融機関が環境・社会の要素を加味した投資先の選別を行うことでよりよい投資利益を生み出すことを主張した

責任投資原則(PRI)
 2006年に国連が機関投資家のすべての運用にESG問題を投資の分析と意思決定のプロセスに組み込むことを求める責任投資原則を策定。世界中の機関投資家に呼びかけた。

■ 責任ある投資の方法
スクリーニング
 悪い企業を排除もしくは良い企業を選別する

インテグレーション
 アナリストがESG項目も調査し、統合的に評価する

エンゲージメント
 投資先に改善を要求する。アメリカは対決性が強く、ヨーロッパでは経営陣との対話を重視。

■ 世界のSRI市場規模
2012年、世界全体で13.6兆ドルの資金がESGに配慮されて投資されている。これは機関投資家の運用の20%を占める。しかし、内訳はヨーロッパが65%、アメリカが25%とここだけで世界中の90%。
東京証券取引所は世界第三位の証券取引所だが、日本のSRI市場はわずかに0.1%。

日本でも選択肢は広まりつつあるが、なぜ諸外国と比較して残高が少ないのか?

ヨーロッパやアメリカでは公的年金や政府系年金といった巨大な機関投資家が積極的に国連PRIに署名している。日本では保険会社と企業年金のみ。(運用会社の署名は多い)

■ なぜ、責任ある投資をすべきなのか?
学術論文20本中、ESGが投資成果にネガティブ3本、ポジティブ7本、中立10本。
UNEP-FIではESG要因を投資判断に組み込むことはマイナスに働く証拠はないと結論づけている。

年金はユニバーサル・オーナー。ほとんどすべての企業に投資し、投資成果は市場全体を反映するため、目先の利益よりも持続可能な社会に投資した方が合理的である。(例.環境に配慮しない投資をした結果地球温暖化が進みタイで洪水が起きて投資先の会社に工場に被害が起きるなど)

サッカーでは「ピッチを壊すようなことはするな」と呼ばれる。

ユニバーサル・オーナーとしてではなく、例えば電車には並んで乗るなどと言った行動における一種の規範があることが合理的な結果につながる。(例.電車にみんなが割り込みで乗ろうとすると結局乗り切れない)

しかし、「倫理」に訴えるのは機関投資家に受けが悪い

倫理は組織で行うことではないという考えと、倫理は利益と対決するものと見なされ、受託者責任を果たさないと見られてしまう。

■ 提言:責任ある投資を日本でも広めるために
機関投資家の投資行動に規範を組み込むために制度的な裏付けをつけてはどうか?
国民年金法・厚生年金保険法を改正し、「持続可能な社会の実現に配慮しつつ」の文言を追加する。
そうすれば公的年金も責任ある投資をするようになるのでは?

■ 統合報告
統合はなぜ必要か?それは投資のあり方が変わりつつあるから
投資家向けの情報開示に環境・社会の要素を統合したものであり、アニュアルレポートにCSR報告書を統合するという事ではない。
財務的資本だけでなく自然資本、ソーシャル・キャピタルをいかに使って価値を生み出すのかビジネスモデルを説明するもの。

□ 参加した感想
勉強会の題名にSRI事情・初級編と銘打っていますが、中級者以上向けの話もあって基礎から結構深いところまで一気に勉強することができました。

第三世代のSRIと責任ある投資(PRI)では実際に投資するポートフォリオにどのような違いが生まれるのかについて質問しましたが、第三世代まではSRIかそうでないか?というものであったが、PRIは全ての投資行動にESGを組み入れるという事でポートフォリオではなく、コンセプトが異なるという事でした。

昨年、SIF-Japanの勉強会で講師としてお話させていただいた際、今のSRIファンドのポートフォリオは時価総額の大きな企業群で構成されていてわざわざスクリーニングをした意味がわからないという点を話しました。ですので、機関投資家が投資の全てでESGを意識したところで結局投資される対象に対して差が出るとは思えません。(補足すると現行のSRIやESGでは各種ESGの指標についてポイント付けして総合的に判断するため、まんべんなく様々な取り組みをしている大きな会社に有利になり、小型株をそぎ落とすだけのスクリーニングになってしまっていると思います)

確かにGPIFなどがPRIに署名すると日本のSRI残高は増えるのでしょうが、じゃあポートフォリオの中身はどう変わったのか?というところを見るとさして変化がないのでは何のためにやったのか意味がわかりません。法制化して機関投資家に対して責任ある投資を促すよりも前に、責任ある投資とはこういうものだというのを運用会社がしっかりと実態として示す必要があるのではないでしょうか?

例えば自然食品の店に行ったのに店頭に並んでいる商品が普通のスーパーと代わり映えしなかったら、自然食品の店という看板に何の意味があるの?って感じると思います。
それと同じような胡散臭さが今のSRIやESGにはあると思っています。

また、森林の世界だとFSC森林認証というのがありますが、これは森林の環境保全に配慮しながらも地域の社会的な利益にかない、経済的にも持続可能な森林を認証する制度です。この制度だと適切に森林に手入れをしながら利益も生み出すという事ができているのか検証することもできると思いますが、責任ある投資やESG投資の場合、「責任ある」「ESGに配慮」と言いながらもそうやって投資した結果が本当に持続可能な社会づくりに寄与したのかどうか評価しているようには思えません。なぜか、金融リターンがどうだったのか?という研究や検証に終始しています。

ソーシャルなインパクトを求めてESG投資しているわけではないというのが背景にあるのかもしれませんが、マイクロファイナンスが本当に貧困解決に有効なのか?というのを検証する開発経済学に相当するような経済学も必要なのではないでしょうか?

最後に国連PRIの機関投資家向けガイダンスを紹介してレポートを終わりにします。

ユニオン投信にマルイグループユニオンが資本参加2013年05月14日

セイコーエプソン労働組合が設立した世界初の労働組合系運用会社「ユニオン投信」に新しくマルイグループユニオンが資本参加しました。これで合計7つの労働組合からの出資により運営されていることになります。


沿革
 2008年4月 ユニオン投信設立(資本金2億円)
 2009年9月 エプソントヨコム労働組合より1億円の増資(資本金3億円)
 2011年6月 国際航業労働組合より1千万円の増資(資本金3億1千万円)
 2012年2月 エプソントヨコム労働組合より5千万円の増資(資本金3億6千万円)
 2012年4月 ツムラ労働組合より2千万円の増資(資本金3億8千万円)
 2012年6月 JAM京三製作所労働組合より1百万円の増資(資本金3億8千1百万円)
 2012年8月 資生堂労働組合より1千万円の増資(資本金3億9千1百万円)
 2013年4月 マルイグループユニオンより2千万円の増資(資本金4億1千1百万円) New!

どんどんと労働組合の横のつながりが広がっていますね!
また、5月8日にはユニオンファンドの純資産額が20億円を越えました。おめでとうございます!

■ ユニオン投信の運用方針変更
2013年4月時点のIMF改定で2018年の新興国の名目GDPシェアが49%から50%になったことを受け、下記のようにユニオンファンドの地域別目標投資比率が変更になりました。
 日本  13% → 12%
 欧米  38% → そのまま
 新興国 49% → 50%

また、米国・日本の株式市場は高値圏にあるとの見方をしています。


■ 清水取締役の書いた本が台湾でも出版
ユニオン投信の取締役である清水学さんが個人として書いた『年収300万円でも、死ぬまでお金に困らない!ー「自分年金」で2400万円つくる50の知恵』(ソフトバンククリエイティブ)を読んだ台湾の方が台湾でも出版したいとの要望を出され、台湾で出版されることになりました。

当ブログでの書評は こちら
自分年金の原資をどうひねり出すか?について注力して書かれているところが特徴的でした。

台湾版も日本版同様、著者の清水さんの印税は全額東日本大震災の被災地・被災者の復興・生活支援に寄付されます。

ファンド定点観測 2013年4月:ひふみ投信2013年05月15日

レオス・キャピタルワークスが運用するひふみ投信の4月の運用を振り返ります。
5月に開催された運用報告 ひふみアカデミーの動画(YouTube)は こちら です。

■ 4月の運用と今後の見通し
4月上旬までの保守的な運用から日銀の異次元の金融緩和策を受けてノンバンクや不動産セクターへの投資を拡大した他、安倍総裁とロシアとの関係改善を見込んで資源関係のビジネス拡大の期待から日揮を買い増ししています。
日揮は組入比率1位(3.05%)、ノンバンクのオリックスが3位(2.87%)、先月組入5位だったJPホールディングスは急ピッチで株価が上昇したため一部売却を行なっています。
日経平均株価については14000円をフェアバリューと考えており、現金比率15%は先行きに対して中立のポジションです。

■ ひふみ投信の日次リスク(250日)の推移
 :基準価額
 :日次リスク(250日)

■ 過去3ヶ月の資金流出入
4月17日にはひふみマザーファンドの純資産額が90億円、4月24日に100億円、5月7日に110億円と順調に純資産額を増やしています。概算で7.17億円の純流入と随分入金も勢いづいてきました。

■ 2013年4月末現在の組入上位銘柄


■ 概要
 過去1ヶ月  11.84%
 過去1年   49.43%(R&I騰落率ランキング 128位 R&I安定性ランキング 11位
 過去3年   62.53%(R&I騰落率ランキング 10位  R&I安定性ランキング 11位)
 純資産総額  69.21億円
 組入銘柄数  69(前月比+3)
 株式比率   84.89%
 現金比率   15.11%



西粟倉村のミツマタが紙幣に使われます2013年05月15日

岡山県西粟倉村のミツマタが50年ぶりに紙幣の原料として国立印刷局岡山工場へ納入されることになりました。


3年前に西粟倉村に移住してきた東馬場さんは間伐が進むほど森の中で増えていくミツマタを資源として活用する方法として和紙づくりに一から挑戦しました。

ミツマタを使った和紙づくりをしていく中で印刷局にミツマタを納入している別の業者から西粟倉産のミツマタを分けて欲しいという依頼を受けます。これをきっかけに印刷局へ直接納入の交渉を行い、ついに50年ぶりに西粟倉産のミツマタが紙幣の原料として納入されることになりました。

私が初めて西粟倉村に行った時もちょうどミツマタの花がきれいに咲いている季節でした。

しっかりと手入れされて地面まで陽の光が入るようになった森ではミツマタがあちこちに生えていて、まるで白い光が飛んでいるようなとても幻想的な光景でした。

その時、「ミツマタはお札の原料にもなるんですよ。いずれはそういった形でも出荷できるようになれば・・・」という話を聞いていたので今回の話は本当に嬉しいです。

間伐することでどんどん自生していくミツマタを東馬場さんが作っているあわくら和紙だけではなく、紙幣の原料としてもまとまった量が出荷できるとなれば、森から生まれる循環にまた一つ新しい要素が加わりますね。

森に手入れをすることでどんどん新しい何かが生まれていく西粟倉村の取り組みを今後も応援していきます。