セキュリテナイトに行って来ました2013年06月18日

6月7日(金)に開催されたセキュリテナイトに行って来ました。

日 時  :2013年6月7日(金) 19:00〜21:30
場 所  :新丸の内ビルディング10階 創生ビレッジ内 21cクラブ
主 催  :ミュージックセキュリティーズ

矢部園茶舗さんは第二部ではお茶を氷水から淹れる実演をされていて本当に美味しかったです。
また、伊達政宗公が始めた宮城県でのお茶栽培を残そうと尽力されているのがよくわかりました。

TOPICSさんの豚肉もLYB豚と満州豚の二種類試食させていただきましたが、どちらも豚肉の旨味がぎゅっと詰まった美味しい肉です。

TAKIZAWA WINEさんもまだ樽に入っていたものを今回特別に瓶詰めしてきてくれたというワインを試飲させていただきました。個人的には酸が聞いていて和食にも合いそうな白の方が好みでした。

いずれの事業者さんも自社の製品にこだわり、誇りを持っている素晴らしい事業者さんでした。
矢部園茶舗さんのファンドは6月18日現在でも募集中です。

■ ミュージックセキュリティーズ 取締役 猪尾愛隆氏

皆さんには日本各地の事業を営んでいる人に出資を通じて参加いただいていますが、実際に事業者さん本人にお会いしていただき、直接声を聞いて欲しいという事でこのようなイベントを定期的に開催しています。

当社のファンドは募集がインターネット経由なのでお客様とのつながりがないため、この機会に投資のよさや不満点、不安を解消いただくのも目的です。皆さまの声を元にサービスを改善していきたいと思います。

セキュリテとは
マイクロ投資のプラットフォーム
誇り高く事業をしている会社に資金だけでなく仲間を募集できるのが特徴です。


様々な分野から投資先を選べ、事業者の顔や使い道もはっきりと見ることができます。
分配金の他にも限定商品やツアー、企画会議への参加といった投資家向けの特典もあります。

出資までの流れ

 1.申し込み
 2.事業を行う
 3.進捗状況報告や特典を受け取る
 4.分配金の受け取り

リスク

 1.全額戻ってこない可能性があります
 2.途中解約はできません
 3.営業者の判断で経営は行われ、株主のように意志決定に関与する権利はありません


■ 矢部園茶舗 代表取締役社長 矢部亨氏(矢部園伊達茶ファンド


最初に被災地のことを思い、支援をいただいた方々にお礼を申し上げます。
震災当時、私は東京にいて新橋で茶匠の試験中でした。
今まで感じたことの無いような揺れを感じ、その後テレビで大変な事が起きたという事を知り、翌日一便だけ飛んでいた庄内空港行きの便で東北に帰ることができました。

それから4ヶ月後、営業を再開するまで自分たちよりももっと大変な地域が周りにありました。
自分の出来る限りのことをしたい、命より重いものはないとの思いで自分の会社のことは従業員に任せ、より被害の大きな地域へでかけていました。

幸い、従業員は全員無事でしたが社長が会社にいないことについて叱られました。
「あなたに雇われているんだ。あなたが泥をかく背中をみせるべきではないのか?」
それでも3週間走りまわり続けていると従業員も自分のやっていることを理解してくれ、「社長、待っている人がいるなら行ってください。自分の会社の事は自分でやらないとだめなんですね。」と言われました。

伊達茶は北限のお茶と呼ばれています。私はお茶を日本の精神文化だと思っており、小売りを通じてお茶の全てを伝えていくつもりです。もっと小さな茶畑は北海道にもありますが、経営が成立するような規模でやっているのは桃生が北限で農林水産省からも認定されています。

もともとは伊達政宗公が仙台の地に北の小京都をつくりたいと様々なものを持ち込みました。
その時に東北にお茶を植えた中で現在でも唯一残っているのがこの畑です。

桃生茶という名前で売っていましたが、桃のお茶なのかと他地域の人に勘違いされるため、伊達茶と改名しました。伊達という名前は勝手に使う事はできないため伊達宗家18代泰宗公に相談に行き、ぜひ伊達宗家に見守っていただきたいと話したところ、快く「全力で応援する」と言っていただきました。歴史に紐解かれた文化を守り抜きたいと思っています。

お茶は永年作物で1年に1回しか収穫できません。これは50年畑をやっても50回しか収穫できないという事を意味します。その中で納得できるお茶づくりはなかなかできないものです。収穫を終えたらお終いではなく、翌年に向けて土、根、茎づくりが始まるのです。

お茶は樹齢が最高で30年くらいと言われていますがちゃんと栽培すると寿命は長くなります。
もともと寒さに弱い樹ですが根っこをしっかりと作ることでだんだん慣れて東北の肌になっていくのです。

伊達茶も風評被害と厚生労働省の話が錯綜しましたが、放射能検査した結果問題はないレベルになっています。リーフ茶をしっかりと伝えていくとともに、100%茶葉のペットボトルのお茶を展開していきます。



たびたび生産農家さんを訪ねていますが新芽を見るたびに涙が出ます。
生産農家の思いと手間を伝え、国の宝物である北限のお茶を守っていきたいのです。

自分の街づくりと共に文部科学省の教科書にお茶の産地の北限は狭山ではなく桃生と言われるようにこつこつと続けていきます。今日は桃生、伊達茶の名前だけでも覚えて帰ってください。


■ 有限会社TOPICS 代表取締役 桑原康氏(富士朝霧高原「極上」豚ファンド


富士宮は焼きそばの街と言われていますが自分にとっては豚の街。
今日はネクタイとネクタイピンも豚柄、財布も豚皮でできたのものでそろえています。
1000個くらい豚グッズがあり、豚づくしで生活しています。

富士朝霧農場
はやくファンドの人に第一報をとMSの神谷さんに言われていたので写真を・・・
満州豚50% LYB豚50%の子豚12頭


通常、6ヶ月で肉になりますが、この子たちは2ヶ月は余分にかかります。
満州豚の見た目は黒い猪。来年の1月には出荷が始まります。
母はLY 父M  なのでLYMと呼んでいます。
  
99年オランダの畜産機材展で一番保存性が高いと賞をとった人工授精用の機材も作っています。
普通は3日くらいしかもたないが2週間保存できます。
一腹で見た目が異なるいろんな子が生まれるのが特徴。

有限会社TOPICSは自分で三代目。
子どもは三人とも豚をやると言っていますし、婿も養豚に興味を持ってくれています。

社名には
 To Pics 豚とともに
 TOP pics 最高の豚
という意味もこめられています。

健康で美味しい豚肉を作るためにアジア最大の豚改良遺伝子を保有しています。
原種の生産から流通の一元管理、トレーサビリティが可能なのも特徴です。
品質徹底追及しており、こんな風にしたいという事を10年くらいかけて改良を行っています。
シンガポールやマカオ、香港にも輸出していて海外とも戦っていける、海外の人にも堪能していただける豚肉を生産しています。他にも世界の希少品種の保存や世界で一番小さいミニブタも特許を取りました。

健康で長生きな遺伝的なものは身体にもいいと思っています。
海外の改良は調味料やドレッシングなどで味を調えるため、肉の美味しさを追及しない傾向があります。
日本は食材を美味しくしようという改良を行います。そのため、日本のうまいは海外でもうまいとなります。

おいしい養豚は遺伝で約70%が決まります。満州豚は猪に近いためしっぽが巻いていません。
また、子供は生まれたときにウリ模様が出ます。

日本で一人満州豚を飼っていた福島の新妻さんから預かってきたものです。
原発から28キロのところで飼っていたため養豚を再開できるまでうちで預かっています。
満州豚はチョコレートと同じ脂肪融点が32度。口の中でとろりととろけます。
また、豚肉は鰻の1.2倍のビタミンB1がありますので夏バテ防止に豚肉を食べてください。


2001年スペインのイベリコに技術指導にも行きました。
世界中の養豚産地にいって日本との違いを学びながら養豚に携わっています。


■ 有限会社グリーンテーブル 代表取締役社長 瀧澤信夫氏(TAKIZAWA WINEファンド


北海道三笠市から来ました。事業にはヒト、モノ、カネ の三つの柱が必要ですが人に恵まれ、ワイン(モノ)もあったものの、足りていなかったお金を出資いただいてありがとうございます。

最近、国産ワインが注目されるようになっていますが、その中でも北海道産ワインの評価が高まって生産量が足りないという状況です。

醸造家がどんどん北海道に入ってきていて、自分も10年前にワインを作ろうと思い立ちました。
「自分のワインを作ってみたい、こうやったらいいワインができる」という想いだけはありました。
ワインメーカーの本を読み、取り組み方に確信だけはもっていましたが実際にやってみると大変でした。

最初は50代半ばに一人で作った0.8haの畑から始めました。
8年たって一番思うのは根が深く入っていって土の深いところにあるミネラルを吸収できるようになってワインが良くなってきたという事です。

今日は試飲用ワインを樽から瓶詰して無理やり持ってきました。飲んで感じていただくのが一番だと思います。

畑の向こう側の丘に見えるのが山崎ワイナリーです。ピノが作れるならと2年間山崎ワイナリーで研修していると向かい側があいてるから瀧澤さんやってみる?と声をかけられました。
私にとって恩人です。

ブドウ作りは病気にならないようにすることが一番大事です。葉っぱをコントロールすることで風通しをよくするのです。常に畑を見て周り、カビを取り除くのが大変な作業です。

無農薬というのは言うのは簡単だがやるのは大変な手間暇がかかります。食用のブドウは皮を薄く実を大きく育てますが、ピノは皮を厚く小粒に育てます。いかに小粒で房の小さいものを育てるか、たくさんの房をならせないのがワイン用の栽培です。だいたい1/3くらいの房にしています。

10月中旬から下旬頃に収穫を行います。
毎年、ボランティアが60名くらい集まって収穫を行っていますが多くの人と結びつく力を感じます。
房に 未成熟、カビなどがあったら徹底して取り除きます。ボランティアと言ってもそこは厳しく鬼のように叱咤激励してやらせています。収穫が終わった後はワイン飲み放題のバーベキュー。これが楽しみで鬼のように叱咤激励しても皆さん働いてくれます。

ワインは手絞りで自分が好きな2種類を醸造しています。

生産量を増やす為、新しい畑を開拓しました。
ボランティアで苗木植えを行い、ウサギの害をさけるため4000個のグローチューブをつけました。
5月24日に完成し、4000本の苗木が3年後に実をつける予定です。

現在ではたんぽぽが一面に咲いており、虫も人間も共存している畑になっています。

ソーシャルインパクトボンドカンファレンスに参加しました2013年06月18日

6月11日に明治大学 非営利・公共経営研究所が主催でソーシャルインパクトボンドカンファレンスが開催されました。

ソーシャルインパクトボンドというのはイギリス発のソーシャルセクターへ向けた新たな資金調達の仕組みで一旦投資家からNPOなどの活動資金を調達した後、NPOなどによる社会問題の解決の成果に応じて政府が投資家に配当を支払うモデルです。

カンファレンスの講演者でもあるソーシャルインパクト・リサーチの熊沢さんが日本におけるソーシャルインパクトボンドの実現に向けてというスライドを作成されていますのでそちらを見るとわかりやすいと思います。

 『日本におけるSocial Impact Bondの実現に向けて』 株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ

ソーシャルインパクトボンド(SIB)カンファレンス
ソーシャルセクター資金調達の新潮流
 ソーシャルインパクトボンド導入で日本のソーシャルセクターは活性化できる!?
日 時  :2013年6月11日(火) 18:00〜20:30
場 所  :明治大学駿河台キャンパス リバティタワー1094教室
主 催  :明治大学 非営利・公共経営研究所
内 容  :社会的価値評価と英国におけるSIBの新潮流 
       明治大学経営学部教授・(株)公社研代表取締役 塚本一郎氏
      日本におけるSIB導入のメリットと提言
       (株)ソーシャルインパクト・リサーチ 代表パートナー 熊沢拓氏
      パフォーマンスナンバーワン投信からみたインパクトインベストメント
       鎌倉投信(株)取締役 資産運用部長 新井和宏氏
      パネルディスカッション
      おわりに~共同提案

■ 社会的インパクト評価と英国におけるSIBの新潮流 明治大学経営学部教授 塚本一郎氏

ソーシャルインパクトボンド(SIB)とは社会的問題を解決していくための活動に対して投資する政府と民間との契約。政府は成果に対して支払いを行い、当初は民間からの資金を使って活動する。成果をあげることで削減される費用から投資家へのリターンを支払うため、公共セクターとしては税負担を増やさずに革新的な公共サービスを提供できる。また、思うような成果があがらない場合は政府の負担はない。

イギリスのピーターボロウ刑務所のケース(世界初のSIB)
 ・2010年3月に契約、9月から開始
 ・ターゲットグループは18歳以上の男性服役者3000人。1000人で一つの集団を3つ形成
 ・服役中と出所後の支援費用として500万ポンド(約7億円)調達
 ・出所後1年以内の再犯率を全国平均(60%)と比較し、
  再犯率が10%以上低下する集団が一つ以上もしくは全体で7.5%低下したらリターンが発生
 ・リターンは-100%〜+13%までの非常にハイリスクな仕組み
 ・政府のリスクを民間投資家に転嫁する仕組みといえる
 ・社会的セクターにとっては新しい資金調達手段
 
エセックスのケース(自治体で最初に導入されたSIB)
 ・家庭を支援し、子育てと家族関係の改善にフォーカスをあてたプログラム
 ・380人の集団に対して8年間支援を実施
 ・過去30ヶ月のデータに基づいた650ケースのデータが比較対象となる
 ・投資家へのリターンは中間的なパフォーマンスで+8%
 ・最初のパフォーマンス公表 2013年末

社会的インパクト評価の事例 〜社会的投資収益分析(SROI)〜
 ・育て上げネットとマイクロソフトによる就労支援に対して第三者評価を実施
 ・評価にSROIを必ずしも使う必要はないが、SROIは成果を算出する一つの指標
 ・公的な若者就労支援政策を行っている地域若者サポートステーションでIT講習を
  マイクロソフトが実施したところ他のサポートステーションと比較して就労率に差が見られた
   全国平均39.6% IT講習あり45.5%
 ・IT講習を行ったグループと行っていないグループとの差異に注目すると費用に
  対して5.6倍の価値を生み出していた
 ・就労支援の社会的意義は本人の就労、賃金を得ることにより貨幣価値も生み出す
  (税金での支援から税金を支払う立場への転換)

この例では就労というわかりやすい結果だが、差異があることが重要。
ピーターボロウのケースではSIBがなかったら普通の再犯率と同程度であったと思われるが、SIBの利用により再犯率が低下したことが価値。成果を計測できることがSIBの成立には重要な要素。

SIB成立の要件
・介入することによる成果が明確な社会問題か?
・官民パートナーシップの存在
・社会的マインドをもって一緒になって解決したいという投資家の存在
・サービス実施団体の存在
・ファイナンスモデルとしてリスクとリターンのバランス
・成果に対して客観的、公正な測定方法が設定されていること

これだけやりましたという取組ベースからこれだけ改善されましたという成果ベースへの転換を目指す


■ 日本におけるSIB導入のメリットと提言 ソーシャルインパクト・リサーチ 熊沢拓氏

SIBは世界に広まりつつある資本主義のパラダイムシフト

新しい資本主義のパラダイムシフトで起きていること
・官主導から様々なプレイヤーによる協力
・活動に費用がかかっていたのが成果に応じて費用がかかるモデルへ
・活動が目標だったのから成果が目標に
・単年度主義から複数年度主義へ
・政権に左右される仕組みから政権に中立なしくみへ

先進国共通の現象として社会課題の解決に多額の税金を投入しているものの解決されていない
解決すべき社会問題が山積みで債務残高比率も高い中、行政介入コストが不透明なものへお金を使えない

ソーシャルインパクトボンド(SIB)
 =市場の失敗を資本市場のメカニズムで解決しようとする仕組み

投資においてもパラダイムシフトも必要
→インパクト投資

SIBは債券なのか?
 償還期限切れがあり投資収益率の上限が固定という意味では債券に近い
 元本が補償されない、社会的成果に応じてリターンが変わるという意味で株式に近い面もある

ピーターバロウ型
 成功確率91%でないと元本確保しない=非常にハイリスク

ニューヨーク市型
 ブルームバーグ財団の補償により成功確率71%で元本が確保できる

NPOバンクでは最大でも元本までの払い戻しとなるがSIBにすると投資元本+利息の支払いが見込める

利用できると想定される分野
・犯罪問題
・こどもの貧困
・薬物リハビリテーション

早期の予防的サービスで用いられ、義務的なサービスには向かない


■ インパクト投資の事例 鎌倉投信 新井和宏氏

投資理論の中で答えが出ない国が日本。
投資理論に則った答えを出すためには社会的課題を解決しないと長期的に厳しいだろうという仮定に基づき、社会的課題を解決する会社に投資する。

鎌倉投信の考える社会的責任投資は形式性や網羅性を重視しない。行き過ぎた客観性は無責任になる。そこで、主観的に本質を判断する。実質的・持続的なものを見分けるポイントは赤字になっても続けられるかどうか。

インパクトを与える投資
社会・いい会社・鎌倉投信の関係性について

社会 と 鎌倉投信
 リターンの概念を変える 一番大事!
 資産形成×社会形成×心の形成=投資の果実

社会 と いい会社
 課題先進国である日本が課題解決を輸出する時代へ

いい会社 と 鎌倉投信
 さらにいい会社になってもらえるように提言する

経済合理性と経営は違う

SIBはすべてのセクターが枠を越えて役割をクロスオーバーしていくもの
期待リターンの水準を満たしながらも投資家の枠を拡大して財団NPOの立ち位置に寄っていくもの
公共セクターだけでなく、民間セクターでもこの仕組みを応用できないか?


■ 感想

ソーシャルセクターにとっては活動を支える資金を寄付や助成金ではなく、投資という形にすることで大きな金額を呼び込みやすい仕組みなのだと思います。実際アメリカではゴールドマンサックスによる投資も始まっています。そして、政府にとっては成果があった場合だけお金を支払えばいいので財政が厳しい中で効果的なお金の使い方が出来そうです。また、成果があった場合でも民間のソーシャルセクターに事業を委託することによりコストは押さえられます。この二つのセクターにとってはほぼメリットしかありません。

問題なのは投資家です。ソーシャルセクターが思うような成果を出せなかった場合はリターンがなく、成果を出したとしても大きなリターンは望めません。あくまでもソーシャルなインパクトが起きることを望んである程度のリスクを負った上でお金を出す投資家の存在が必要です。イギリスやアメリカでは財団がその役目を担っているようですが日本の財団ってそういうお金の使い方をするのかな?という点で疑問を持ちました。

また、NPOにとっては成果が出るかどうかに関わらず先に資金が入ってくるのと、いくら頑張ったところでこの案件ではプラスの面はないため最善を尽くしてくれないと困りますが、金銭的なリターンを生み出すための成果を残すという観点からはインセンティブが薄そうです。

どちらかというと絶対に元本確保までは頑張れという類のお金ではなく、社会的に価値を生み出す活動の資金を提供して成功したら自分にも金銭的なリターンが返ってくるという程度の温かみのある資金を集める必要がありそうですね。

政府が成果型の助成金をNPOに出すという仕組みでもいいんじゃないか?とも思いましたが、それだと成果が出なかった場合にNPOが返金するなどの負担が生まれるんですよね。やっぱり政府が負っていたリスクを誰かに負わせるモデルなのかな・・・。

他にも欧米にはソーシャルインパクトを評価したデータの蓄積が多いのに比べて日本はまだ十分に計測されていないという現実もあります。まずは日本においてもソーシャルインパクトを計測してデータとして蓄積していく事が必要そうです。