ファンド定点観測 2013年7月:結い21012013年08月14日

鎌倉投信が運用する結い2101の7月を振り返ります。
参考資料は結いだより第41号です。

■ 今月の巻頭特集
今月の巻頭特集では池内タオルさんが紹介されています。
特徴としては【共生】。タオルの原材料になる綿をオーガニックなものを使ったり、タオルを織るために使う電力は100%風力発電によるものにしたり、染の排水処理などにも徹底的にこだわりぬきながらも、「環境に一番やさしいのは長く製品を使うこと」と言い切る姿勢が素晴らしいと思います。
また、池内社長は自らの行動においてもペットボトル飲料を買わなかったりとにかく環境への配慮が徹底しています。

■ 7月の売買動向
7月はNDソフトウェアを重点的に買付けしています。債券については前月のまま、新規株式組入れもありません。現時点で未公開の会社は1社です。組入れに時間がかかっているところを見てもまたあっと驚く小型株が登場するものと思われます。

■ 顧客数
 5,960
 顧客数が6,000人に手が届きそうなところまで来ました。

■ 増資
7月に鎌倉投信が約4千万円の増資を行い、資本金が4.24億円になりました。

■ モーニングスターのカテゴリーが国内小型グロースに変更
結い2101はこれまで国際株式型に分類されていましたが国内小型グロースにカテゴリ変更されていました。これで比較がしやすくなりましたね。

■ 結い2101の日次リスク
 :基準価額
 :250日リスク(日次)

ファンドの基準価額のブレ幅を表すリスク(250日日次)は10.45と6月末から微増していますがほぼ横ばいです。設定来のリスクも9.4%と目標にしている10%未満のリスクの上限に近づいていることもあり、ファンドのリスクはこの辺りを上限に調整していると思われます。

■ 結い2101の資金流出入
 :純資産流出入額(百万円)
 :基準価額

7月は約5.0億円の純増でした。そのうち1.9億円程度が分配金による流入と思われますので実質は3.1億円程度でしょうか?7月は純減が2日だけと6月から一変して資金が流入に転じました。6月は解約が少ない結い2101にしては特異な月だったようですね。

■ 結い2101の決定係数

TOPIXに対しする感応度を表す決定係数は0.5以下と低位に推移しています。

■ 結い2101のアクティブ・リスク

TOPIXの値動きとのバラつき度合いを表すアクティブリスクも上昇傾向にあり、アクティブな運用をしているのが見て取れます。

■ 資産構成比  *(カッコ)内は前月
 株式  54.9%(56.7%)  大型株5.4% 中型株27.4% 小型株57.2%
 債券  4.6%(4.9%)
 現金等 40.5(38.4%)


■ 運用パフォーマンス
 過去1ヶ月  2.0%
 過去1年   32.8%(R&I騰落率ランキング 364位 R&I安定性ランキング 2位
 過去3年   41.6%(R&I騰落率ランキング 179位 R&I安定性ランキング 2位)
 純資産総額  49.72億円
 組入銘柄数  43(前月比 変わらず)


コモンズ30ファンドが味の素を組入れ、第一三共を売却2013年08月14日

30年目線で長期投資を続けるコモンズ投信が運用するコモンズ30ファンドのポートフォリオに動きがありました。

7月の投資委員会で2010年7月から組入れを続けていた第一三共を売却し、新たに味の素を組み入れることを発表しています。


コモンズ投信では投資先選定において5つの軸を重要視しています。
 1.成長性・収益性
 2.競争力・ブランド
 3.マネジメント・経営陣
 4.ガバナンス・対話力
 5.文化・理念

このうち、第一三共においては国際競争力、収益性、マネジメントにおいて大きな疑義が生じているという結論に達したそうです。2008年11月にインド最大のジェネリック製薬会社ランバクシーを買収することによるジェネリック医薬品市場への参入を評価しての投資だったものの、企業価値向上に寄与するには更なる時間が必要と判断されました。

新規組入れとなった味の素については企業文化、ブランド力、国際競争力を評価したそうです。
2016年以降には世界のグローバル食品メーカートップ10入りを目指して経営されています。日本を代表するグローバルで活躍する食品メーカーとして期待されます。


その他のコモンズ30ファンドへの組入れ銘柄については運用報告書の4ページから7ページにかけて組み入れた理由を含めて書かれています。

およそ30銘柄に集中投資しているファンドが組入れ銘柄が変わったことをオープンにすることは勇気のいることだとも思います。直販以外で購入している人にとっても組入れ銘柄が変更されたことを明らかにするという意味を含めての公開だと思いますが、売却や組入れに至った理由が語られるようになったことは大いに評価できます。

次は月次報告書のブラッシュアップを期待しています。