鎌倉投信・第4回「結い2101」受益者総会レポート(8)エー・ピーカンパニー 大久保伸隆氏2013年09月13日

8月31日(土)、鎌倉投信 第4回「結い2101」受益者総会が京都で開催されました。
レポート第八弾はエー・ピーカンパニーの大久保常務の講演です。

生産者にとっても普通はお客さんというのは農協や漁協であって、一般消費者がどういう反応なのか?というのは見えない遠い関係であったのをエー・ピーカンパニーではぐっと両者を近づける生販直結モデルを意識して行っています。そうすることで生産者にとっても喜んでもらえる幸せがうまれ、消費者にとってはこだわりの素材を活かした料理を安く食べられるようになりました。

企業展示でメニューを見てみましたが、居酒屋のメニューとは思えない読み物でした。

効率化の名の元に関係性が分断されたのが近代資本主義の姿だと思いますが、こうやってもう一度生産者と消費者を近づけると古くて新しい価値観の幸せが生まれるんじゃないかと思います。

アルバイトを含めた店員に対しても教育をしっかり行っていて生産者にも店員にも当事者意識を持ってもらっているのが経済産業省のおもてなし経営企業選で50社に選ばれた理由なんだろうなと感じました。


日時:2013年8月31日(土) 10:00〜16:50
場所:国立京都国際会館アネックスホール
〜そうだ、京都でやろう!〜
 伝統と革新が息吹く千年の古都で「投資」について考える

【講演】
 (株)エー・ピーカンパニー 常務取締役 大久保伸隆氏

今日は人材育成について話そうと思ってきましたが、師匠(大久保寛司さん)からそれはパネルで話してもらうのでまずは事業について話すようにと言われました。が、少しだけ。

日本は開国から23年で列強の仲間入りをしました。それができたのは江戸時代の藩校の教育の賜物で思想家が生まれていた為でもあります。日本は模倣が得意でした。しかし、模倣によって列強の仲間入りすると模倣するモデルがなくなってしまいます。

自然と日本は創造という段階に移ったにも関わらず、相変わらず工業化社会の模倣を続けました。
何ができるか考えることが大事です。企業にとって人材育成が最重要課題です。

・・・そろそろ師匠の目が厳しいので事業についてお話します。

エー・ピーカンパニーでは塚田農場や八十場魚場といった居酒屋を全国に150店舗展開しています。
他の会社と違うのはうちでは社員が養鶏をしています。

これまで地鶏は消費者にとっては高く食べさせられて、生産者は安く買いたたかれていました。
中間流通をカットすることで安く売れば儲かるはずというビジネスモデルから生産者の所得をあげつつ消費者には安い地鶏を提供できるようにしました。

メニューブックにも力を入れていて市長のコメントも載せています。公職選挙法ぎりぎりなんですが。
宮崎の他には北海道の新得町という小さな町の地鶏も扱っています。それまでは地鶏をスーパーに安く売っていたのを弊社が高く買いとるようになりました。

これまでの仕組みでは生産者に消費者の顔が見えないという問題がありました。また、売る側が生産者を知ることで売る側も商品を大切に扱うようになります。

地鶏だけでなく漁業も始めました。漁師さんが東京に初めて出てきて新規開店したお店でお客様を初めて見た時のビデオを見ていただきます。自分の魚が実際にお店で提供されているのをみたり、お客様が喜んでいる姿を見て喜んでいただけました。また、お客様の姿を見ることでやる気も出ています。

生産者をお呼びして話を聞く機会があるほか、アルバイトの方をもてなす会もあります。

大久保寛司:
アルバイトを言葉だけでねぎらうのではなく、この会社では実際にやっています。
こういった点に経営者の姿勢が現れます。

おもてなし企業選の選考で店舗に訪問しましたが、社員がイキイキしていました。話を聞くとなんでも好きなことをやらせてくれると言っていました。

他にも「時々船に乗せてもらうんです。魚担当なので」という方もいました。
魚担当だからといって船に乗る必要なんてないのに。