株、投信を買うなら必見!税金がタダになる、おトクなNISA活用入門2013年07月26日

著者の竹川美奈子さんからNISA入門書を献本いただきました。ありがとうございます!


日本一わかりやすいNISA本の決定版と帯にも書かれている通り、イラストも多く一見簡単そうで実は奥が深いNISAの制度を丁寧に説明しています。第一章の説明でわからなくても最終章のQ&Aを読むとだいたい疑問は解決するのではないでしょうか?

特筆すべき点としてはNISAの入門書でありながら確定拠出年金など他の税優遇制度と比較して家計にとって総合的に見る視点を入れているところです。竹川さんは個人向け確定拠出年金の本も書かれていますが、この本の中でも個人向け確定拠出年金や企業型確定拠出年金について制度を説明していて、自分にとってどの制度が有効なのか考えた上で活用しましょうというスタンスをとっています。

NISA活用法ではNISAで非課税となる5年間投資した場合の各資産毎の平均リターンや最高リターン、プラスリターンとマイナスリターンの比率などの過去データが紹介されており、どの資産の商品を購入しようか考える上で参考になります。

肝心の金融機関選びは「注意点がいっぱい!金融機関選び方」と題した章で確認する項目や実際にネット証券などの対応状況について書かれていますが、NISA入門書としては皮肉なことに今すぐ決めてキャンペーンにのるのは早計だと気付くことになると思います。

竹川さんのブログでも課題が紹介されていますが、個人的には来年になって各証券会社のシステム対応状況を見てから申し込んでもいいと思っています。4年間は金融機関を変更できない制度ですので慌てずじっくりと考えて金融機関は選びたいところです。


イギリスのISAは個人貯蓄口座という名前の通り貯蓄性商品も購入できるのに対して、日本の場合は投資性商品だけに限定されており「貯蓄から投資へ」の掛け声の一貫として導入されたような制度になってしまいました。先日のコツコツ所沢に参加されていた方が話していたことでもありますが、将来に向けた資産形成教育を行いつつも、その実践の場として確定拠出年金(DC)、NISAがあるというような形に成熟していくといいなと思います。

ほんの少し、この本づくりのお手伝いをさせていただいた贔屓目を差し引いてもNISAの制度を学ぶ上で本当に役に立つわかりやすい本です。せっかくの優遇制度ですのでこの本で制度を勉強してうまく利用して欲しいと思います。

心をつかみ人を動かす説明の技術2013年04月02日

著者の木田知廣さんから献本いただきました。ありがとうございます!
心をつかみ人を動かす説明の技術』 日本実業出版社

私の仕事はITエンジニアなのでシステムトラブルが発生した時などに原因を論理的に導き出す必要があります。でも、その原因をお客様に伝える際に論理的なことをそのまま話したのではお客様には理解していただけません。

技術者は論理的であるべきというのは時々この業界で聞きますが、実は技術者こそ情緒的に説明できないとお客様とのコミュニケーションはうまくいかないものなのです。(もちろん論理的な裏付けがあってこそです)

この本はまさに自分が伝えたいことをロジカルに思考しつつ、情に訴えかける話し方を説明した本です。

この本でも出てきますがコミュニケーションの中心となるのは聞き手です。
何年か前に管理職養成講座に行った時に理解してもらえないのは理解できるように話していないからだという事を聞き、以後はできるだけ理解してもらえるように話すことを意識しています。

結果的に話が冗長になったりもしていたのですが、ロジカルな思考をどのように話し言葉に落としこんでいけば相手の心に訴えかけることができるのかこの本にある方法を実際の仕事の場でも生かしていきたいと思います。

仕事だけではなく、ブログで何か伝えたいという時にも役立つと思いますよ。

5700人の社長と会ったカリスマファンドマネージャーが明かす 儲かる会社、つぶれる会社の法則2013年02月27日

『5700人の社長と会ったカリスマファンドマネージャーが明かす 儲かる会社、つぶれる会社の法則』 藤野英人

藤野さんからこちらの本も献本いただきました。
ありがとうございます!

昨年ムック版も出たスリッパの法則の最新版で、ファンドマネージャーとして多くの会社を訪問する中で見つけた成長する会社とそうでない会社の見分け方が書かれています。

よくある投資論で「長期投資すれば儲かる」というのは間違いで、「”成長する会社”に長期で投資すれば儲かる」というのが正解です。株価は10年スパンで見ると企業の業績に連動するものだからです。
すると株価の形成要因は 業績(EPS)×将来への期待(PER) に分解できます。

ひふみ投信では将来への期待(PER)は移ろいやすいものという事でしっかりと業績を伸ばしていける会社に投資を行なっています。このように考えて投資しているファンドマネージャーがまとめた会社の成長力のの見極め方というのは投資だけでなく就職や取引先、自社についてもこの本にあるような傾向がないか考えながら読んでみると面白いと思います。

とはいえ、法則を覚えてそれで会社を見分けようとしてもそれだけダメで、法則の裏にあるなぜそうなのか?という視点を理解した上で会社を見てみる必要があります。

何人かのファンドマネージャーさんのお話を聞く機会がありましたが、やはりそれぞれ皆さんこういった法則(傾向)を持ちながら企業訪問をされているようでした。それだけで投資判断を下しているわけでもありませんし、成長する企業の傾向を真似すれば会社が成長するという単純な話ではありませんが会社の見方として役立つと思います。

この本では大企業だけでなくベンチャー企業についても触れられています。
日本の会社の大多数は中小企業で構成されていて、ベンチャー企業に元気がでないと日本全体が元気で活発にはならないのではないかと思います。そういう意味で自らもベンチャー投資家であり、ベンチャーにスポットを当てたこの本を読んでやる気のある人がベンチャーにチャレンジして欲しいと思います。

これからは社会貢献と成長の両方を達成できるのがいい会社という「ナオコの法則」が最後の章に登場します。自分も投資するならこういった会社に投資していきたいです。

投資家が「お金」よりも大切にしていること2013年02月26日


著者の藤野さんから献本いただきました。
ありがとうございます!

草食投資隊やひふみ投信のセミナーなど様々な場で藤野さんのお話を聞くことも多かったのですが、この本ではその中でも特に「お金」にテーマを絞って書かれています。

「お金」って生きていく上で使わずにはいられない存在でありながら、お金をたくさん持っている=なにか悪いことをしてお金を稼いでいるという印象を持たれがちで、でもお金はたくさん欲しいという葛藤を抱えた存在だと思います。

自分自身も学生時代は民間企業で働くのではなく、国連のような国際機関で困っている人のために働きたいと思っていたこともありました。その後、好きだったコンピュータ関係の仕事に就きたいという事でITエンジニアへの道を歩んだのですが、エンジニアとして働いているうちに自分の仕事だって社会の役に立っているという感覚がつかめてきました。

資本主義社会で豊かになるためには労働者ではなく、資本家の側に立たないといけないだろうという事で投資を始めましたが、その中でも心がけていたのは長く続くようにできるだけ清く稼ぐようにしようというものでした。

そのうち寄付や投資を通じて社会をよくする活動に自分が直接参加できない代わりにお金に働いてもらうという事も実感できるようになりました。

お金は使い方次第では人生を豊かにすることができます。
そして、自分が暮らす社会をよくする事にもお金を使うことができます。

お金や企業についてネガティブな報道や情報が溢れていますが、社会に出る前にお金や経済の本質について知るのはうってつけの本だと思いました。大人が読んでもこれまで考えてもみなかった世界が広がると思います。

 清貧ではなく、清豊を目指す
 投資のリターンはお金が増えることではなく、未来からのお返し

リターンをお返しという表現が個人的にはとてもしっくりきました。

本を買う前に藤野さんのこのコラムを読んでみて下さい


このコラムを読んで何か感じるところがあったとしたらぜひこの本を手にとってみて欲しいです。

お金や経済について考えたら今度は「会社」について考えてみましょうという事で最新版スリッパの法則
 『儲かる会社、つぶれる会社の法則』藤野英人
へと続きます。(こちらも献本いただきました。重ねてありがとうございます。)

一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門2013年02月11日

先日、コツコツ投資家がコツコツ集まる会のじゃんけん大会で竹川美奈子さんの『一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門』をいただきました。


せっかくいただいた本なので読んでみた感想を。

投資信託を始めてみようと考えるきっかけは色々あると思いますが、時間をかけて自分のお金をふやしたいというのがその理由だとしたらこの本はうってつけです。

投資信託って何?からどんな種類があるのか?何を見て選べばいいのか?までできるだけ簡単な言葉で書かれていますし、イラストもたくさんあります。なんならイラストをパラパラ見ているだけでもエッセンスは身に付けることができるくらいです。

資産の土台づくりはインデックスファンドでという事でオススメのインデックスファンドも紹介されていますし、スパイスとして組み合わせるアクティブファンドの選び方までしっかりサポートされています。大事な事は「長期」「分散」「低コスト」、そして買い方は現役世代であれば「ネット」で「積立」が簡単と紹介されていて基本は網羅されてます。

こだわり始めると色々な投資理論なども気になり始めるのですが、普通の人はそこまで投資にこだわりをもって取り組まない事が多いのではないでしょうか?とはいえ、英語などの語学学習にしてもダイエットにしても成果を出すにはある程度の基本的な知識や練習は必要です。

資産形成のために投資信託を使おうと思ったのであれば基本を学ぶ一冊として役に立ってくれるのではないでしょうか?

投資だけ頑張っても他がザルではお金はたまりませんので、そういう意味では同じく竹川美奈子さんの『あなたのお金を「見える化」しなさい!」という本も家計管理というもう少し大きな視点から考える事ができる一冊です。