ワリバシファンド事業報告会に参加しました2013年07月15日

7月12日(金)に吉祥寺にあるタイヒバンというお店でワリバシファンドの事業報告会が開催されました。
(ちょうど当日はワリバシファンドの二期目の決算も発表された日でもありました。)

参加者は9名。自己紹介を一通りした後、タイヒバンのオーナーの池田正昭さんからお店のコンセプトの説明がありました。池田さんはワリバシカンパニーの初代代表で取締役でもあります。

タイヒバンは飛騨で活動しているLife in Peace(仕組みが歌でわかる動画)のコンセプトショップでバイオバランスと呼ばれる特別な乳酸菌を与えて育てた家畜の糞と使用済ワリバシを粉砕して作ったオガコでできた「すごいタイヒ」で作られた美味しい野菜などが食べられます。

事業報告会はそんな美味しい食事を食べながら開催されました。(後から追加料金でバイオバランスを与えられて育てた牛の美味しい肉のコースを追加注文しましたが、たくさん食べたのに翌日全然胃もたれしませんでした。すごい!)


店の真ん中には全く匂いのしない「すごい堆肥」が置いてあります。ちなみに周りを囲っているのは割り箸作りで生まれる端材だそうです。

ほんとに全く匂いがしません。すげー!

柱を飾っているのも割り箸の端材です。こんなところにもこだわりが。

続いて、ワリバシカンパニーの竹本吉輝社長からここまで二年間の事業報告がありました。


この二年は国産割り箸が徐々に無くなっていった二年間でもありました。悪戦苦闘七転八倒して腹に落ちてきたこともあります。


まず、一年以内に生産体制を整える計画がライン作りに一年半かかってしまい、ラインが出来ていない為に出荷量もコストも計算が出来なかった面がありました。これまではそもそも戦えていませんでした

皆さんからお預かりした資金も原木の購入に計画通り使えていない状態ですので、森にも皆様にもお金を戻せるように今後はしっかりとやっていきたいです。


BtoPでは防衛省向けに大口の納品があった他、それをきっかけに行政向けの防災備蓄用品のカタログにも掲載され、備蓄の補充用ということで安定して受注があるわけではありませんが徐々に受注も入るようになりました。

BtoBtoCでは生協のカタログへの掲載があり、一般個人への販売も進んでいます。


BtoBでは大手給食委託会社への納品、Cafe MUJIでの採用、飲食店や弁当、オーガニックカフェなどへの採用が進んでいますが、一方で間伐材割り箸への切り替えのネックになっているものに既存の箸や洗浄設備からのスイッチコストやオペレーション上の問題などがあります。


企業のCSR活動のノベルティグッズとしての利用にもワリバシカンパニーが営利企業であることが問題になったりするそうです。CSR活動としてはできるだけNPOから仕入れたいと・・・

そういった諸々の問題はこれまで二年間営業活動してきた中でだいぶわかってきており、ただ間伐材割り箸を作って売るだけでなく、購入する側がすんなりと購入できるように周りも固める活動を着々と進めているそうです。


森の手入れとして間伐を進めるためには山主さんを説得して全体として管理を行ったり、ただ材木を出荷するだけでなく最終製品に加工して販売することでしっかりと間伐材の利用先を確保して安定的に森の手入れを行なっていくという西粟倉村での百年の森事業にも通じるところがあるなと感じました。


営業の村上さんからもお話がありました。

これまではこちらから営業をかけるのが中心でしたが、今年に入って先方から間伐材の割り箸を探していたんだと問い合わせが入ってくる事も増えてきており、徐々に風向きが変わりつつあると感じられるそうです。


質疑応答でも参加者から積極的にこんな方法はどうだろう?という提案がなされ、活発な意見交換がありました。使用済み割り箸を捨ててしまうのがもったいないのでなんとか回収できないのか?という声にもまだ実現はしていないものの実現できるように取り組んでいるという話がありました。

その中でゴミの分別が進んだ結果、燃えるゴミの水分が上がってしまい、石油を使って燃やしている現状からするとかえって割り箸が入っていた方がカロリーベースで考えるといい面もあるという話を聞いてなるほどな〜と。

物事を一面からだけ見ていたのでは気づかない部分がありますね。


最後に竹本さんから国産間伐材の利用をかつてきた道に戻すことはできないという力強い言葉がありました。

会が一旦お開きになった後も他の参加者の方と23時近くまで話していましたが、こういった他の出資者との交流も楽しいんですよね。

まだオープンには出来ない話ですが、国産間伐材ワリバシの普及に向けた大きなムーブメントを起こそうとする計画も進行中です。ワリバシファンドとしてはあと1年間ですが、ワリバシカンパニーの挑戦はその後も続きます。

なんとか日本に間伐材の割り箸を復活させて森の手入れが進んで、日本の森林が元気になるように応援し続けます!

アクティブファンドのアクティブリスクに注目しよう2013年07月15日

アクティブファンドには多くの場合、ベンチマークと呼ばれる運用する上での基準が設定されています。
ベンチマークを上回る投資リターンを目指すのがアクティブ運用の目的と言ってもいいと思いますが、じゃあどれくらい上回ろうとしているのか?目論見書から読み取ることはできません。

そこで、ある程度運用がされているファンドであればアクティブリスクという値を見ることでどの程度ベンチマークから離れて運用しようとしているのかが把握できます。

アクティブリスクを調べるために利用するといいのが投信まとなびです。

投信まとなびのファンド情報ではアクティブ・リスクを見ることができます。
注意点としては投信まとなび運営元のイボットソンが設定しているベンチマークとファンドのリターンの差からアクティブ・リスクを求めているのですが、傾向をつかむのにはそれほど大きな問題ではありません。
(どうしても気になる方は自分でアクティブ・リスクを算出することもできますが、これはまた今度)

例えば、日本最大の国内株式アクティブファンドである「フィデリティ・日本成長株・ファンド」を調べてみましょう。

イボットソンの分類ではラッセル野村大型グロース・インデックスに分類されています。


パフォーマンス詳細表にアクティブ・リターン、アクティブ・リスク、インフォメーション・レシオが書かれています。

アクティブ・リターンというのはファンドのリターンとイボットソン分類ベンチマークのリターンの差でどれだけベンチマークを超過したのかを表しています。

アクティブ・リスクは特定の期間のアクティブ・リターンの標準偏差を求めることでベンチマークのリターンに対してどの程度バラつきがあるかを表していて、ベンチマークからどの程度離れることを許容して運用しているかを見ることができます。

インフォメーション・レシオというのはアクティブ・リターンをアクティブ・リスクで割ることでどの程度効率よくアクティブなリターンを生み出しているかを見ることができます。

フィデリティ・日本成長株・ファンドのアクティブリスクを見ると1年で2.88、3年で3.03、5年で5.03でした。アクティブリスクが5以下のファンドはできるだけベンチマークから離れたくない運用をしていると言うことができます。

ベンチマークを超過するのを目指すとは言いつつも大きなリスクを取っていないため、このようなファンドの場合は信託報酬の影響がより大きく出ます。信託報酬が高いのにアクティブ・リスクが低いファンドは長期的に見るとベンチマークを下回る可能性が高いと言えます。

ちなみに、期間3年、国内株大型もしくは中型のアクティブファンドでアクティブリスクが3%未満のファンドは61本あります。3%〜6%未満のファンドは189本、6%〜9%未満は34本、9%〜12%は8本、12%以上は5本でした。

アクティブ・リスク12%以上のファンド 5本

アクティブ・リスク9%〜12%未満のファンド 8本

今度はアクティブ・リスクが高いファンドの例を見てみます。
今現在購入が出来ないJPMザ・ジャパン、DIAM新興市場日本株ファンドに続く純資産額の「DIAMアジア関連日本株ファンド」です。アジア関連というところがひっかかる方もいるかと思いますが、ガンホーを組み入れていたのが功を奏して直近1年のリターンは126.11%と爆発してます。(だからといって今後がどうかという点はありますが)




また、買付停止になっているDIAM新興市場日本株ファンドですが、DIAM新興企業日本株ファンドという名前が似ていてちょっとだけ信託報酬が上がったファンドが誕生していますが、ポートフォリオの中身は違っているので注意が必要です。

最後に、アクティブ・リスクとはベンチマークとなるインデックスからどの程度離れて運用するかという数値ですので、アクティブ・リスクが大きいという事は大きく失敗する可能性もあるという事も押さえておいて下さい。