2012年11月末のポートフォリオ2012年12月01日

2012年も残すところあと1ヶ月になりました。
11月末時点でのポートフォリオは以下の通りです。

【ポートフォリオ】

【過去3ヶ月の推移】

【11月の投資行動】
11月は積立以外に投資信託へのスポット投資を行いました。
 ひふみ投信
 結い2101
影響を抑えるためにそれぞれのポジションの10%以内での買い付けです。

日本株のポジションが更に増えましたが、あまり気にはしていません。
8月にかいたくファンド売却により外国株比率が下がったことの補正はタイミングとどのファンドを使おうか様子を見ている状況です。

国際分散投資は平時の効果は認めますが、一番分散効果が出て欲しい危機時にどれもこれも同じ値動きをする(リスクオン→リスクオフ)ため個人的にはあまり気にしないようになりました。
コモディティなどオルタナティブと言われていた資産も年金基金などがプレイヤーとして参加してくることで危機時には株式などと同じような値動きをするようになってしまっています。

それよりも為替リスクの無い「国内資産+キャッシュ」でリスクオン、リスクオフの切り替えという手法もあるのかなと。
トレンド・アロケーション・オープンで為替リスクをヘッジした上で国際分散投資する可変ポートフォリオに家計口座を任せているのもその考えの延長です。

30代なので時間をたっぷり取れる分多くのリスクを許容しつつ大きなリターンを目指すというより、暴落時にどうせ保守的なポートフォリオに追いつかれるんだとしたら一時的に増えることに対して興味を失ったというのが10年以上投資をしてきた感想です。

とはいえ、保守的なポートフォリオをかっちり続けるのではなく、可変ポートフォリオで上昇も下落もそれなりに影響を受けながら歩んでいこうと考えています。

コツコツ投資家の集まりでコツコツしてないと言われたり、国際分散投資に疑問を呈したり、マイクロ投資を楽しんでいたり色々と投資家としては異端な存在ですが、私のお金ですので自由にやってます。
あまり利益を追求していないマイクロ投資もポートフォリオ全体を時価評価した際の利益の範囲内に収まっているのでまあいいかと。

それよりも投資を通じて知人が増えたり、色々学ぶことが多くて人生が豊かになったと感じています。
これは投資を通じて得た金銭以外のリターンですね。
金銭的なリターンももちろん期待していますし、そういう投資も行なっていますが(じゃなかったら購入するタイミングを見計らったりしないし)、それだけではない投資の姿を私なりに模索しています。

社会的投資ではミュージックセキュリティーズのセキュリテで以下の2ファンドの買い付けを行いました。
 薬師寺門前AMRITファンド(新規購入)
 ユカハリ・ファンド(追加購入)

ソーシャルレンディングmaneoへの投資は11月は償還と返済された資金を使って再投資する予定だったのですが、あっという間に募集が終了するので再投資できませんでした・・・。

積立投資は以下のファンドに対して継続して行なっています。
 結い2101(鎌倉投信)
 ひふみ投信(レオス・キャピタルワークス)
 コモンズ30ファンド(コモンズ投信)
 セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン投信)

ここが肝心!!「セゾン投信のファンド講座」スタートアップ編 に参加しました2012年12月01日

11月28日にセゾン投信で開催されたセミナーに参加しました。
セゾン投信の運用部アナリストの奥山さんがファンドについて説明するという内容です。

私もセゾン資産形成の達人ファンドを積立するようになって半年になりますが、まだ一度もセゾン投信のセミナーに参加した事がないのでちょうどいいなというのが参加した理由です。

セミナーは初心者向けを意識していたらしく、交付目論見書を使ってファンドについて説明するという内容でした。初心者に交付目論見書を使って説明するのは難易度的にどうなんだろう?と少し思いましたが、目論見書って本来はそうあるべき存在なんですよね・・・。

初回という事で中野社長やポートフォリオマネージャーの瀬下さんも同席する中でセミナーは始まりました。当初予定では中野さんの挨拶から始まる予定だったのですが、1時間しかないセミナーで長く話されると困るから(笑)という理由でカット。

最初に奥山さんからこれはまず伝えたいと言われた事が、
 『投資信託というものはマネージャー(運用方針)を選ぶこと』
というものでした。
そのためには目論見書を読んでファンドを評価して、自分に合うようであったら投資して欲しいと。
儲かるものだったらなんでもいいって人が多そうですが、ちゃんとファンドのリスクや特徴は理解して投資して欲しいです。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
まずはセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの説明から始まりました。

ファンドの目的は以下の通りです。
 『主として、投資信託証券を中心に投資を行い、信託財産の長期的な成長を図ることを目的として運用しています。』

この中でも長期的な成長というところがキモという説明でした。
買ってすぐに儲かるファンドではありません。

特色としては世界中に投資しているということ。
交付目論見書に投資対象となっている国が赤く塗られた地図が載っていますが、これを見て自分が感じたのは意外に投資していない国が多いなという事でした。
北米地域だと米国株には投資しているけど、カナダは外れてたり、中東やアフリカはほぼ空白地帯です。

バンガードのファンドを通じて株式では約2,300銘柄、債券は約980銘柄に投資しているそうです。

他には、米国、欧州、日本、太平洋地域、新興国と投資するファンドを分けていますが、今ならひとまとめにVTに投資するなど違った方策も取れそうだなというのは感じました。

運用成績では月次報告を元に説明がありました。
10月末時点で設定来のリターンが-20.46%。
為替レートではファンドの約50%に相当する米ドル/円レートが-32.07%、約30%に相当するユーロ/円が-33.40%となっています。
日本円資産へは15%程度しか投資していませんので今のところの成績は為替による損と言えます。

個人的にはこの大胆な為替リスクの取り方が私の考えに合わないため、コンセプトは好きなのですがこのファンドへの投資には至っていません。(セゾン投信に口座を開設された方の9割以上はこのファンドを買っているそうですが)

バンガードもインデックス投資というのは時価総額比率のことをいうものだという哲学ですので、それをしっかり受け継いでいるいいファンドだと思います。

HPの運用状況のページでは定期積立プランで購入した場合のシミュレーション結果が掲載されているのも独自の取り組みですね。積立比率が70%以上というのはこういった細かなところも関係しているのかな?と感じました。

セゾン資産形成の達人ファンド
変わって今度は私が積立しているセゾン資産形成の達人ファンド。

こちらもファンドの目的は信託財産の長期的な成長を目指しています。
ファンドを通じて世界中の約500銘柄に投資しているそうです。

また、厳選したファンドへの投資が特徴でもあり企業分析がしっかりと行われていて長期的な視点で運用され、且つ適正なコストのものへ投資しています。

こちらの運用成績は設定来のリターンが-24.90%とグローバルバランスよりもマイナスが大きいのですが、積立シミュレーションだとこちらの方が成績は良いという結果が出ています。

設定来の積立リターン
 グローバルバランス -0.87%
 達人        +7.56%

質疑応答では2つのファンドの投資家層の違いについて質問がありましたが、両者とも男女比率や積立率、解約率などはほとんど変わらないそうです。

私が質問したのは2点
Q.
達人ファンドの組入れファンドが集中投資系を選んだり、バリュー/グロース両方選んだりしている。全体の目指している方針と選定基準を教えて欲しい

A.
全体的には長期投資に耐えうるファンド。
米国株は当初バンガードのファンドへ投資していたが中小型株比率が高かったのでT.ロウ・プライスのファンドを追加した。こちらは大型株が中心。時価総額でのバランスを考えている。
スパークス・集中投資・日本株ファンドSは中小型株への投資だったのでコモンズ30やスパークス・長期厳選といった大型株に投資するファンドでバランスをとっている。
コムジェストはボトムアップアプローチで、T.ロウ・プライスはトップダウンアプローチという風に投資手法は様々。グロース寄りなファンドを選んでいる。

Q.
個人投資家が様々なファンドを組み合わせてポートフォリオを作るのとファンド・オブ・ファンズの運用は似ていると考えている。ポートフォリオマネージャーから個人投資家にアドバイスできることは?

A.
投資方針を変えないこと。
アクティブファンドは逆張りで選ぶ。
達人ファンドも欧州の株価が弱気なので多め、アメリカは株価が上がっているので少なめにしている。

感想
せっかく運用している人たちから説明してもらえる機会があるなら参加しない手はないという事で参加しましたが、目論見書や運用報告書、月次レポートを読むだけではわからない部分を知ることができました。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドはポートフォリオのコアになるファンドという事で純資産額が多い反面、達人ファンドはサテライト投資の中の1本として使われることが多いのかなと感じました。

これは他の直販ファンドも同様で(さわかみは別格ですが)、ファンド・オブ・ファンズ型のファンドはこれ一本で長期投資しましょうというコンセプトではあるものの、投資する側からすると株式の比率が多くボラティリティが高いために債券のファンドやキャッシュと組み合わされてしまうのではないかという点です。

そういう意味で株式:債券が50%ずつという事でこれ一本でも大丈夫というコンセプトが500億円という純資産額にも繋がったのかなと感じました。
直販投信会社はだいたい3年で100億という目標をたててくるのですが、なかなか資金が集まらないのはそこかなと。セゾン投信の場合は為替が円高傾向続きだったというのが誤算だったでしょうけれども。

達人ファンドもいいファンドになってきたので今後もしっかり育って欲しいです。

和室をユカハリ・タイルで無垢床材の部屋にリノベーション2012年12月02日

和室を無垢の木で出来た床にするためにユカハリ・タイルを購入しました。

ユカハリ・タイルを作っている西粟倉・森の学校は鎌倉投信が結い2101を通じて社債に投資しているトビムシの関連会社(トビムシの他の株主は西粟倉村と村民)です。
岡山県西粟倉村で林業の再生に取り組んでいる会社で、昨年のサキどり↗(→こちら)や先日NHKのクローズアップ現代でも間伐材をお金にすることで森の手入れを推進する取り組みとして紹介されました。(→こちら

節があったり柱材にするにはまだ細い間伐材の活用方法として期待されているのがこのユカハリ・タイル。
10cm×50cmの板を5枚組み合わせて50cm×50cmのタイル状にしたもので、既存の部屋にそのまま並べるだけで無垢材の気持ちのいい床が手に入ります。工事も不要なので賃貸住宅でもOK。フローリングと違って引越し先にもそのまま持って行けます。

ユカハリ前の和室

タイルを並べていきます。
自分が買ったのはユカハリ・タイル すぎ
木目がキレイなのが特徴です。
ヒノキの場合は白い木肌と香り、そして水に強いという特徴があります。

並べるだけなので簡単。
端の処理を入れても1時間もかかりませんでした。


タイルは5枚の床板が組み合わさっているのですが、底で滑り止めになっているシートをカッターなどで切ることで簡単に分離できます。


カッターが見つからなかったのでマイナスドライバーで無理やり代用しました。(野蛮だ・・・)


端は4枚だったり、3枚だったりと部屋の形に合わせて少し調整しましたが、本当に簡単にできました。
結局、6畳間で35枚のタイルを使いました。


裸足で歩くと気持ちいいですし、寝っ転がるのもいいです。


昨年、ユカハリが誕生して以来いつか自分の家にも買いたいな〜と思っていましたが、ようやく実現しました。

ただ、自分が気持ちいい環境にしたいなのですが、これによって間伐材の利用が促進され森の手入れが進むのであれば二重の嬉しさです。

ユカハリ・タイルやオフィス向けユカハリ・タイル コグチの原木購入費用となる資金を集めるユカハリ・ファンドをミュージックセキュリティーズで募集中です。
投資家特典としてユカハリ・タイル、ユカハリ・フローリング、ユカハリ・ラグを20%割引で購入することができます。

1口5万円原木3トン分の購入資金となります。

『社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた』著者セミナー(1)小暮真久 氏2012年12月08日

ダイヤモンド社から出版された『社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた』の著者セミナーが開催されたので行って来ました。


日時:2012年12月6日(木) 19時〜21時

場所:ダイヤモンド社本社


講師:

NPO法人TABLE FOR TWO International 代表 小暮真久氏

NPO法人クロスフィールズ 小沼大地氏

日本マイクロソフト株式会社 牧野益巳氏

鎌倉投信株式会社 新井和宏氏


ダイヤモンド社 廣畑さん:

この本は書いていることがどんどん実現した。

新しい事例が起きたのが面白かった。

今日は本業で社会貢献という内容。


社会に何かしようというのを他人事でなく考え方や工夫によっては自分達もできると感じて欲しい。


基調スピーチ
 社会をよくしてお金も稼げる仕組み「Winの累乗」について
  TABLE FOR TWO INTERNATIONAL 代表理事 小暮真久氏


ダイヤモンド社の廣畑さんがTABLE FOR TWOはアップルと共通点があると話してきた。

最初は何を言っているんだろう?と思ったがよく考えてみたら自分もそういう気がしてきた。

そこでTFTが広がっている意味を考えて本にする意味があるのでは?と感じた。

マッキンゼーという企業とTFTというNPO両方やってきた事で見えてくるものがある。


世界の全人口70億人のうち10億人が肥満。一方で飢餓状態の人も10億人。

アメリカの平均的な家庭の一週間の食べ物はジャンクフードが中心で  $346

日本だと食べ物は良くなるが、かかっている費用はあまり変わらず $317

日本の食卓にのぼる食べ物の60-70%は輸入で、1/3は捨てている

アフリカのチャドという国では一週間の食費が$1.62で家族の数は多い


日本のカロリーオフをアフリカのカロリーオンに

日本でヘルシーメニューを食べると約500円のうち20円の寄付を上乗せする仕組み

この20円がアフリカで給食1食分に相当する


この活動を五カ国で展開

2007年に日本で始めて今までに1600万食を提供している。


『学校給食を支援する理由』

子供が学校にいかずに畑を手伝ったりしている。そして親は忙しいために食事を作っていられない。

マンゴー11個が食事という子どもも。

給食があると学校に行くようになる。

40%が学校に行けていない


学校給食にする事で栄養だけでなく教育の機会も得られる。

実際に子どもの成績も向上している。


活動地域はエチオピア ウガンダ ルワンダ タンザニアだがTFTは三人でやっている。

現地での活動はパートナーNPOに委託。

給食を作るのは子供の両親にお願いしている。

いずれ自分たちのプロジェクトが終わった後も継続出来るように。


親も最初は手伝うのを嫌がるがだんだん子供に変化が現れる。元気になり、笑顔になった子どもを見ると両親もだんだん変わる。

栄養についての知識を子供が知ると親も学ぶようになり、作物を持ってきたりするようになった。


開発援助の世界ではよく、魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えなさいと言うが両方必要だと思う。

お腹がすいてると釣りにもいけないからTFTでは両方やっている。


ドライな環境でも育つ柑橘類の苗を配布する活動も。

苗木は110円未満だが、そのお金を出すのも大変な状態で苗木をもらえるのは非常に大きい。

出来上がった作物を食べたり出荷出来るようになる。


アフリカの角と呼ばれる地域にあるエチオピアという国。

干ばつで砂漠になったが、これで打撃を受けるのは農家。

原始的農法なので灌漑設備もない。

穴をほると水はでるが汲み上げるすべがない。

足踏みポンプもあるが大変な重労働な上によくこぼれてしまう。

テクノロジーがない。


干ばつ前は11枚食べていたものを干ばつ後は1枚を7-8人で食べて食いつないでいる。

そんな状態で暑い中30分歩いて学校にやってきた子ども達はぐったりと疲れてしまっている。

三食みんなが食べられるようにしたい。


『なぜ企業はTFTに協力するのか?』

この活動には530の企業が参加している

レストランやコンビニ、結婚式会場なども。

なぜ一緒にやれるのか?


社会の為が付加価値になるため。

TFTの寄付を付けると12%多く売れた

差別化できないコモディティ商品にとってマーケティングの購買要因になった。


コンビニで売る商品では寄付分をメーカーが値引きして卸す部分とした。最初はメーカーも嫌がったが結果的に普通に売るよりも売れて利益が出た。


この活動は世界に広がっている。


5Cの仕組みでWINを作っている。

Customer

 先進国:ヘルシーメニューで健康になる

 途上国:空腹が解消されて教育の機会が得られる

Community 

 地域の人が農業や栄養を学ぶ。また、次世代を担う子供が学ぶ。

   先進国では気軽に参加、学べる

Cooperator

 競合ではなく協業 アウトソーシング

 ルワンダでTFTと一緒にやっいるアメリカのNPOに別のファンドレイジングしてあげた

Contributor

 寄付者、理事会メンバーにとっては社会的にいいことしてると言われる

 TFT の弁護士は本当はサービスの価格が高い人。でもTFTは無償で法務サービスを受けている。

 弁護士はその事でクライアントから誉められる事がすごく嬉しいと言っている。

 無償での活動でもそれだけの価値がある。

Company

 学生や社会人ボランティア


他のCにも相互作用して広がっている

これが大事な点=「Win の累乗」


学生の取り組みも盛ん

イキイキとして活動を支えてくれている。

しかし、就職すると死んだ魚の目になってしまう。

なんで仕事してるのかわからないと。


NPOは雇用を創出できる性質のものではないと考えている。

企業でイキイキできるようにしなければ。

NPOだからできると言われるが、そうではないと思う

今日のパネラーはそれを実際にやっている人達。


『ユニクロの社会貢献活動』

ユニクロの全商品リサイクル

着なくなったユニクロの衣類を店舗で回収して難民に届けている

難民にとって衣類は貴重な資源


アフリカに行った時、一緒に行ったアメリカ人が履き古したパンツでも切ってオムツになるから欲しいと言われた。


衣類を送るのはすごくお金がかかること。

ただ、柳井さんはこれはチャリティーではなくビジネスだと言っている。

今はこうでもいずれユニクロの市場になるから。

古着を寄付すると言ってももらう側にも好みがある。文化的に着ない色、夜は寒いのでフリースが必要な気候などマーケティングの要素も。


10億円寄付する事も発表した。

柳井さん曰わく

「これからグローバルに活動しようとしたら社会貢献はビジネス以上に大事かもしれない」

柳井さんだからこそ見える景観があるかもしれない。


寄付金について震災で100億円寄付した孫さんは叩かれた。

日本のこのカルチャーをなんとか変えたい。


『伝えたいこと』

  若者たちを元気に、仕事に情熱をもってもらう
  企業であっても本業を通じて社会貢献できるということを訴えたい


【関連記事】

『社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた』著者セミナー(2)小沼大地 氏2012年12月09日

ダイヤモンド社から出版された『社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた』の著者セミナーが開催されたので行って来ました。


日時:2012年12月6日(木) 19時〜21時

場所:ダイヤモンド社本社


ゲストスピーチ「留職プログラム」事例紹介

 NPO法人クロスフィールズ

 代表理事 小沼大地氏


新興国「留職」プログラム

NPOが社会を変えるという事をいう人もいるが、自分はそうではないと考えている。企業の力も使わないと変わらない。


クロスフィールズでは企業にいる人に新興国のNPOに行ってもらい、自らのスキルを使って現地に貢献するという活動を行っている。


メリット

 ・グローバル人材の育成

 ・新興国の中所得層の考えを知り、開拓できる

 ・本業の力を使うことによる組織風土の活性化


この三つをつなげる


大学時代に青年海外協力隊で開発途上国に行った。

こちらは数年かけたプロジェクトだった。留職は期間が数ヶ月なので事前に研修して、どんな事をするか作り込んでいる。また、それをどう企業にフィードバックするか?という点に力を入れている。



パナソニックの事例

プロダクトデザインを担当している入社10年目の社員が留職した。

もともと途上国の仕事に興味があった方。


ベトナムのダランでソーラークッカーを作っている会社が留職先。

無電化村でも調理器具をというコンセプトの商品。


難民が灯りや料理のために薪や灯油を使っており、煙から喉の病気を発症したり、薪をとるために木を切るので環境破壊につながるという課題に対してインターネットでソーラークッカーを見つけて自分で工夫して作ったもの。

社員8人でやりくりしているが、月産15個。

この生産性を上げるのがミッション。


低所得層にアプローチ、無電化というのが電化製品メーカーのパナソニックとしても無電化時代に何が出来るのか?という課題ともなる。


社内で5人のチームを組織し、実際に現地に行くのはそのうちの一人。

他のメンバーはインターネットを通じて日本からサポートする。

サポートチームを作ることでコミュニティが出来、会社を挙げて応援するプロジェクトに。


参加したメンバーの言った言葉

「初めて『ものづくり』をした。」

「パナソニックが創業した時の景色がダランにありました。」

松下幸之助の三方よしがベトナムで実現できた。


刺激がありすぎて辞めないか?という心配もあったが、チームで原体験を共有することで仲間になることができた。

どうしても煮詰まってしまった時、あるメンバーの部署にいる伝説のベテランエンジニアに金曜の21時に相談したところ、普段は怖い人がどれと、目をキラキラしながら仲間を連れてやってきた。

そして色々試作して、こうすればよいと紙でモデルを作って行った。

それを見て若手社員がすごい!と尊敬することに。


成果

形状を変えたことで20%のコストダウンにつながった。

最後は改良型ソーラークッカーで肉じゃがを作って現地の人に振舞ったというのをFacebookグループにアップすると社内でもやった!と盛り上がりをみせた。


社会の未来、企業の未来は一緒のもの。

課題を解決すること。

それを企業の中に作りたい。


留職プログラム採用企業

 パナソニック  NEC  テルモ  ベネッセ  日立


本業の力を使って現地に貢献する。この動きに踏み出して欲しい。


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