「クラウド型ファンド」セミナーin丸の内(3)鯖や 右田孝宜氏2013年11月03日

10月25日に大阪府が主催、ミュージックセキュリティーズが共催で「クラウド型ファンド」セミナーin丸の内が開催されました。

三社目はとろさば料理専門店 SABARファンドを募集中の株式会社鯖やの右田社長でした。

八戸沖でとれたとろさばのお寿司ということで仮にファンドに出資しなくてもなんからの方法で寿司は買いたいと思っていたのですが、実際に食べてみてあまりの美味しさに衝撃をうけました。

で、とろさば料理専門店SABARも大阪で成功したら東京に二号店を出店したいと考えているという話を聞いて出資を決断。東京出店を心待ちにしています。

右田社長のお話は大阪の社長.tvでも見ることができますので興味をもたれた方は是非一度見てみてください。 → 株式会社鯖や 右田孝宜(大阪の社長.tv)

■「クラウド型ファンド」セミナーin丸の内
 日時 2013年10月25日(金) 19:30〜21:00
 場所 東京21cクラブ新丸の内ビルディング
 主催 大阪府
 共催 ミュージックセキュリティーズ株式会社


皆さんにはまずとろさばの燻製を食べてみていただきました。
その方がきっと私の話をわかっていただけると思います。

私はサバ博士と名乗っています。
年齢は39歳ですが、サバを読んで38歳。

オーストラリアで回転寿司の店に就職し、2年間で13店舗まで拡大させました。
最終的にはスーパーバイザーと工場長を兼任するまでになり、これからは日本でお店をやろうと帰国しましたが、そこからは何をやってもうまくいかず30歳で始めた居酒屋がようやくうまくいきました。

そこで出していたのがさばの加工食品でした。
八戸沖のトロさばの美味しさを広めようとさばに特化した店を始め、今では駅弁や空弁なども販売させてもらっています。

最初に作った宅配ピザ屋さんが使っているようなバイクに大きなサバの模型を乗せた「サバイク」がきっかけで注目を集め、「サバばばーん」というCDも作りました。


それだけではなく、「家庭のさば」という本を自費出版して3月8日、サバの日に8000部配付もしました。

口の中にいれてしまえばこちらのものと、味に自信があったので積極的にメディアに出るようにしました。

最初はランチにさば寿司を販売していたのですが、ただでさえ大きなさば寿司を一本買うと一本プレゼントするようにしたところ、FAXがパンクするくらいに注文が殺到しました。

おかげで一瞬つぶれかけましたが、その後さば寿司を一本2000円に値上げしても注文が大きく減ることはありませんでした。

また、クレーム大賞というのをやっていてお客様からのいいクレームに対して表彰も行ってい、お客様の声に真摯に対応するようにしています。

わかりやすさ、インパクトを重視していますが、未来のお客様への働きかけも行っています。

サバをモチーフにしたキャンピングカー「サバス」で地域の学校に行き、実際に魚をさばいてお寿司を握ってもらいます。出来上がったら今日から寿司職人という賞状を渡したりして魚食文化になじんでもらっています。

八戸市のとろさばがノルウェーのサバに負けないように、とろさばとの新たな出会いの場としてサバーランドというのを作りました。

うちで扱っているとろさばは船凍さばといって日本で5隻しかない巻き網で獲られたさばを船内で生きているうちに冷凍してしまう貴重なさばです。

今回ファンドを募集させてもらっている「とろさば料理専門店SABAR」ではとろさばを日本だけでなく世界中の料理にして提供します。
また、八戸市のある青森県の食材にもこだわっています。

まずは大阪の福島に一号店を出店し、いずれは東京の築地、名古屋でも市場の周辺に出店したいと計画しています。



講演の後は試食もありました。
本当にびっくりするくらい美味しかったです。


とろさば料理専門店 SABARファンドは一口3万円から投資できます。

【出資者特典】
一口あたり鯖寿司(3,150円相当)を送付

「クラウド型ファンド」セミナーin丸の内(2)ブランケネーゼ 東忠男氏2013年11月01日

10月25日に大阪府が主催、ミュージックセキュリティーズが共催で「クラウド型ファンド」セミナーin丸の内が開催されました。

re・makeの岡山さんに続いて登壇されたのは踊る!たこ焼き器ファンドを募集中のブランケネーゼ株式会社 東社長でした。

山芋をフリーズドライにした粉末販売から始まり、農家の余剰野菜のフリーズドライ化などフリーズドライを生かした製品づくりをされています。

■「クラウド型ファンド」セミナーin丸の内
 日時 2013年10月25日(金) 19:30〜21:00
 場所 東京21cクラブ新丸の内ビルディング
 主催 大阪府
 共催 ミュージックセキュリティーズ株式会社



ブランケネーゼは従業員28名の会社で、山芋のフリーズドライ粉末を全国のスーパーに卸しています。

山芋の粉を使う商品をたこ焼き器という形で表現しようとしました。
ただのたこ焼きではなく、踊る!たこ焼き器。
全国のたこ焼き器をみんなこれにしたいと思っています。

フリーズドライの事業では農家から未利用農作物を集めて有効活用するようにしました。
農家には商品として出荷できないものが山ほど残っていますが、フリーズドライで粉末状にすることで形などは関係がなくなります。余っていたタケノコもお好み焼きのミックス粉に入れています。

ドイツ留学時にフリーズドライを知り、事業化することとしました。
農商工の連携で農家にたくさん残っていたブロッコリーの茎をフリーズドライの商品化したところから始まりました。

大阪府の地域創造ファンドに二年連続お世話になっています。
本当は二年目というのはいけないらしいが、明確に複数年はだめと書かれているわけでもないので来年は三年目に挑戦したいと考えています。

栗のイガも農家には大量に余っていて廃棄していたのですが、粉末にしてお好み焼き粉に入れることで秋バージョンのお好み焼き粉を作りました。春は筍、秋は栗。

粉末だけではなく捨てられていた山芋の外皮で焼酎も作りました。
これも好評で正確には山芋の皮焼酎だと言われているのですが、山芋の焼酎として売っています。

最初にお好み焼き粉に山芋を入れたのはうちなのですが、今では山芋入りお好み焼き粉でないと売れないようになっています。お好み焼き粉(たこ焼き粉)の販路拡大として専用の消費機材を作ろうと踊る!たこ焼き器を開発しました。

大阪府の経営革新計画にも選ばれ、橋本府知事(当時)の公印一号をもらうこともできました。

踊る!たこ焼き器は最初に業務用を作りました。
イトーヨーカドー浜松店に納入したのですが、いいもの作りすぎて全自動でたこ焼きが出来上がるというものでした。すると店主感覚になってしまい、焼きあがるのを待つ間に別のことをしてしまうようになったので半自動で焼きあがる現在の形になりました。

これは80万円と高価だったのですが他社に真似をされました。
そこで家庭用を作ったのですが、今度はなかなか真似をしてくれませんでした。
まねしないと流行りません。売れると思うから真似するのです。

各家庭にあるモーターとヒーターが付いた機械が3つあります。
ホームベーカリー、乾燥機付き洗濯機、餅つき機
これに踊る!たこ焼き機を加えたいと思っています。

洗濯機や餅つき機などは床の上に置くものですが、たこ焼き器は卓上におけるモーターとヒーター付き製品になります。

展示会に出したところ賞を総ナメにしましたが、一方で課題も見つかりました。
プレートを外して洗えなかったです。当初、外して洗えるようにしたかったのですが経済産業省が認めてくれませんでした。

また、単価も高く進物品にしたり海外に持ち帰りたいというニーズにも十分に応えられませんでした。

そこでプレートが取り外せて軽量化した次のモデルを計画しており、その開発費をファンドで募集させてもらっています。

たこ焼きが動くのを見せたい(視覚に訴えたい)
匂いをかいでもらいたい
味覚を覚えてもらいたい
そしてそれを誰かに話してもらいたい

という事でマスコミにもさわってもらうようにしたいと思います。
また、今度こそ真似されるような商品にしたいと思っています。
模型を何回も作りました。

なかなか出来ないのですが、次は直販を考えています。

踊るたこ焼きを見ると子供がイキイキします。
家族団らんの場で子供の笑顔で家が和やかになります。

子供たちでたこ焼きをするようになると友達が訪ねてくるようになり、うちでも孫のところに友達のお母さんと一緒にたこ焼きをするために集まるようになりました。

たこ焼き器にはイベント用途があります。
集まるところにたこ焼き器があり、人の輪が生まれます。

ひらめきやアイデアは一瞬
記憶に残すか否か

一生懸命だと知恵になります。

杉山(ミュージックセキュリティーズ)
困った事があれば東さんのところへと言われていてとても面倒見がいい社長です。
これらのファンドは元本が保証されたものではありません。
でも、売り上げがよければ元本は確保できますので、皆さんも一緒に応援していけるかどうか考えて欲しいと思います。



講演のあと、実際に踊る!たこ焼き器でたこ焼きを作る様子を見ることができました。
東社長、エプロン姿がお似合いです。

串でたこ焼きの回転を少し手伝ってあげるときれいにまん丸なたこ焼きが出来上がります。

子どもがいる家だと、踊る!たこ焼き器はかなり楽しいと思います。

踊る!たこ焼き器ファンドは一口3万円から投資ができます。

【出資者特典】
2口まで 
 フリーズドライ製品詰め合わせ+新型踊る!たこ焼き器優先予約割引券
3口
 現行モデルの踊る!たこ焼き器を含むたこ焼きセット+新型踊る!たこ焼き器優先予約割引券

お話を聞く前からこれは3口行くしかない!とお金をとっておいたのですが、実際にたこ焼きを焼く姿を見て家に帰ってから予定通り3口投資しました。

「クラウド型ファンド」セミナーin丸の内(1)re・make 岡山栄子氏2013年10月31日

10月25日に大阪府が主催、ミュージックセキュリティーズが共催で「クラウド型ファンド」セミナーin丸の内が開催されました。

大阪府がクラウドファンディングを使って地域にある中小企業を支援する取り組みをしているのですが、その中でミュージックセキュリティーズでファンドを募集している3社の代表が東京まで見えられて直接お話を聞いたり商品を味わったり使ってみたりすることができるセミナーでした。

「クラウド型ファンド」セミナーin丸の内

日時 2013年10月25日(金) 19:30〜21:00
場所 東京21cクラブ新丸の内ビルディング
主催 大阪府
共催 ミュージックセキュリティーズ株式会社




会計事務所で事務の仕事をしていましたが、その後結婚、出産を迎え長女が生後7ヶ月の時に夫が脳腫瘍で夫が倒れました。それをきっかけに健康に勝るものはないなと思い、それから15年健康をサポートしたいという想いで事業をしています。

健康というと非日常なイメージを持たれて日常的とのギャップを感じてしまうため、できるだけ自然のリズムでという思いをこめて「ゆらぎすと」と名付けて心身の健康増進サポートを行うことにしました。

ゆらぎすとではオーガニック化粧品や健康食品などを取り扱っていましたが、実際のところ本当はどうなんだろう?という疑問がありました。作っているのが海外のものばかりだったというのもあります。

そんな折、箕面市で誰も育てているのを知らなかった実生ゆずという存在を知りました。
普通はゆずを育てるのに接ぎ木をするのですが、実生ゆずは種から育てるために実がなるまで18年かかるというとても貴重なゆずです。うちの製品は100%実生ゆずを使っています。

箕面市では実生ゆずをなんとか盛り上げようとしたのですが、年間収穫量がぜんぜん足りておらず大量生産もできずにいました。しかもわずか8tしかない収穫の中でも実際に市場に流通するのは3tで残りの5tは加工用、しかも果汁を搾った後のゆず皮は産業廃棄物になっていました。

ゆず皮には天然アロマオイルが入っているのに実生という種から育ったゆずはさらにゆず皮に含まれている力が違うのではないか?と考え、調べてみてもらったところ実生ゆずのゆず皮にはビタミンPがたくさん含まれていることがわかりました。

そこでゆず皮からアロマオイルを蒸留することにしたのですが、それまではアロマオイルの蒸留について卓上で少量をやってみせてお客様に説明をしたりしていましたが、大量生産のノウハウは全く持っていません。そこで、府の園芸高校と共同開発をすることにしましたが実際にやってみると厳しい問題が次々と発生しました。

果汁を搾った後のゆず皮はすぐにカビが生えてしまうため、とにかく早く蒸留をしないといけません。
とにかく大変で試作品を作って思い出として終わろうとしたのですが、ゆず皮を蒸留した5日間で奇跡が起こりました。

ゆず果汁の絞りかすから種や実を取り分けてゆず皮に分類する作業を箕面市の障害者事業団と連携して障害のある方にお願いをしていました。とても大変な仕事なのですがゆずの香りに癒やされながら日に日に元気になっていく姿を見てゆず皮の力を実感するとともにどうにか事業を続けていきたいと思うようになりました。

また、量産化にあたり障碍者の方に作業をしてもらうためには作業の安全性と単純化が必要になります。こちらは泉佐野工科高校の協力により量産化の道筋も作ることができました。

また、蒸留後の皮は生ゴミ堆肥にして廃棄物をゼロにすることもできました。

洗顔フォームについて
この商品はふき取るだけで除菌と保湿効果があるので介護施設でお風呂に入れない時に体を拭き取ったりや肌の乾燥によるかゆみを抑えるのに使われています。

自然派化粧品との違いをしっかりと出そうとバイオベンチャーで調査してもらい、エビデンスを作ってもらいました。

調査によると肌に塗ることで水分の蒸発量が改善されるだけでなく、シミになる元に効果がある事がわかりました。今では大阪の皮膚科などでも使われていますが、防腐剤なしの製品を作るのは難しいです。

それでもお客様からの声に支えられて続けられてきました。

今日の配布資料に一緒に入っているのは消化を助けるためにゆずと麹菌を入れたものです。消化が良くなるので食べる直前に飲むといくらでも食べられるようになります。栄養そのままのフリーズドライはブランケネーゼさんに作っていただいています。

また、うちの量産化工程見られるように工場をガラス張りにしました。
11月後半からゆずの蒸留が始まりますが、最初は自閉症だった子が蒸留作業の時に浴びるゆずの成分ですっかり変わって今では蒸留作業のリーダーや在庫管理をするまでになりました。蒸留過程は見学もできるのですが、どんな人が来ても帰るときには元気いっぱいになっています。

これら商品の販路拡大が必要でむくみ緩和ケア商品として売り出していこうとしています。

質問
ファンドで集めたお金は何に使いますか?

回答
ボディウオッシュウオーターを染みこませたウエットティッシュを作りたいと考えています。
ウェットティッシュの多くが除菌のためにアルコールを染みこませていますが、そうではないけれども衛生的なものを。今までも作りたかったがコストが高すぎて量産化に向いていませんでした。

これまで4年かけていいものが出来たので、今後はこれを広めて行けるようにしたいと思います。

いい会社の理念経営塾 石坂産業見学ツアー(4)写真で振り返る工場見学&BBQ2013年10月07日

埼玉県三芳町にあるいい会社、石坂産業さんの見学ツアーレポートの最後は写真で振り返ります。

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いい会社の理念経営塾 石坂産業見学ツアー
 (1) 新井さんバスガイド編

石坂産業さん。あいにくの雨模様でしたが明るく、開かれた印象の入口です。

産廃を受け入れる所って周りにごちゃっと山のように産廃が積み上げられた中にダンプが入っていくイメージがありましたが全く違います。きれいに整備、清掃されていて工場への納品を待っているような印象。

産業廃棄物処理ではなく、減量化リサイクル化総合総合プラントと看板に書かれていました。
焼却したりして減量化して埋め立てるのではなく、リサイクルする工場ということで製造業という誇りをもって仕事をされています。

近くでとれた野菜などを使った食事処やお弁当、野菜の販売などもしています。

配付された資料。見学中は見学者だと一目でわかるように緑のキャップをかぶります。
お茶を配る社員さんの所作もとっても自然でホスピタリティを感じました。

案内をしてくださった「ゆたか先生」。お世話になりました。

NPO法人いい会社をふやしましょうの理事長の江口さん。
「いい会社になるきっかけとはなんだろう?と考えている。今日はいい会社になるプロセスについて学んで欲しいと挨拶がありました。」

石坂産業の石坂典子社長
脱産廃屋を目指して減量化から再資源化へ舵を切りました。大変なことをされたはずですが、そのような悲壮感なども漂っていないのがすごいです。

人と経済研究所の高野登さん。
高野さんの話を聞いてみたいという方も数多く参加されていました。高野さんからはホスピタリティについて多くの学びがあります。

本社ビルの中にあるギャラリーを見学。
工場のある三富地区の話や周りの雑木林について、産業廃棄物からリサイクルされた商品なども展示されています。

リサイクルされた高級敷料エコモア。
木材は他に製紙用のチップやバイオマス代替燃料用、家畜敷料などにも再資源化されます。


他にも瓦をインターロッキングブロックにしたり、瓦礫から再生砂を作って道路工事や造成時の再生品として利用されています。


敷地内にある花木園の紹介。
散策のできるフォレストパーク、イベントの開催されるアミューズパーク、ホタルが生息して観察会も開催されるセンターパーク、さらには果物や野菜の収穫体験もできるフルーツパークなどもあります。
これらが全て産業廃棄物の処理場(再資源化プラント)の隣にあるんです!
伊那食品工業もかんてんぱぱガーデンという公園を作って一般開放していますが産廃処理場の隣に公園を整備しちゃうくらい周りへの環境に配慮しているということです。

本社ビルの周りはリサイクルされたブロックが敷き詰められ、家屋解体で捨てられた庭石が飾られています。庭石って結構値段がしますが、ここにあるのは全て廃棄されたものの再利用。

続いて向かったのは三富今昔語りべ館
のんびりした風情に今、自分が産業廃棄物のリサイクル工場の敷地内にいることを忘れてしまいます。

中はまるで三富の博物館のようで展示物がいっぱいです。

紙芝居もある二階からは三富の特徴的な地割が見ることができます。
徳川綱吉の時代に柳沢吉保によって開墾された三富新田は手前から屋敷地、畑、雑木林の短冊形で区割りされました。

サツマイモの苗を落ち葉の発酵熱を活かして育てた苗床の展示もありました。江戸時代のリサイクルの考え方は資源が豊富な現代よりも徹底していますよね。驚くことにここでは発酵熱を足湯に利用していました。(ピンクのホースはそのためのものです)なんで足湯があるんだろう?と思ってましたがこの熱の有効活用だったんですね。


石臼できなこを挽く体験もできます。
出来立てのきなこもちは美味しかったです。

なんだかのんびりしちゃった後はいよいよプラント内部の見学です。

トラックで運び込まれた廃棄物は重機を使って大きく分別されます。また、鑑定師の方が内容を見て値付するのもここになります。



周辺の環境に配慮して全天候型の屋内での処理には騒音、排気熱が少なく排気ガスも出さないEV重機が使われています。(外に出ると全然音がしません)天井から電気のケーブルが吊るされていている重機というのは初めて見ました。

このEV重機を石坂産業さんの要望に応えて共同開発されているのは鎌倉投信の投資先でもある日立建機さんです。重機のメンテナンスや肉盛などは基本的に石坂産業さんがご自身でされています。
そこを委託してしまうとなにかあった時に修理待ちになって処理が止まってしまう、お客様にご迷惑はおけけできないので自分たちがやっているという話を聞いて徹底しているなと感じました。
(職人さんが道具の手入れは自分でやるのと同じ感覚なのだと思います)

見てもらうとわかるのですが、とてもキレイに作業をされています。これも、自分たちがやっている事は製造業だという誇りの表れだと感じました。

ラインに投入された原料(産業廃棄物)は手作業で分別されます!
97%という高いリサイクル率を実現するためにはやっぱり最後は手作業なんだと思いました。

最終分別ラインはぐるぐる周回していて分別が終わるまでずーっと同じものが繰り返し流れてきます。しかも、減ってくると追加されるという気が狂いそうになるような作業で、このラインには簡単には手伝いに入れない大変な仕事だと話されてました。(自分は絶対無理・・・)

最終分別ラインは少しでも負担なく働いてもらうようにきれいな空気を送り込んでおり、本来マスクはなくてもいいくらいだそうですが、念のためマスクを装着しているそうです。

瓦礫は粒や比重によってさらに細かく分けられます。

搬出入に使われるダンプもしっかり洗浄されて埃などが外に出ないようにしています。

こちらは木材の再資源化プラント。
分別、加工されてチップやバイオマス燃料、家畜の敷料になったりします。

金属系の手分別をされている作業も見せていただいきました。
この量をずっと淡々と分別し続ける・・・とても大変な仕事です。(これまた自分には無理)

そしてこの会社の社員さんはこの距離からでも見学者に挨拶をされます。
それは分別をしている方も重機を操縦している方も歩いていてすれ違った方もみんなです。そしてそれは自然な笑顔でやらされている感がないのが素晴らしいと思いました。

石坂産業さんでは家屋解体などの廃棄物を受け入れていますが、瓦礫って撤去したら自分の目の前から無くなってそれで終わりじゃないというを意識させられました。

産業革命によって人間の手だけでは限界のあった生産量を飛躍的に増やした反面、売れるかどうかわからないけどたくさん作って余ったら捨てる。壊れたら新しいのを買って古いのを捨てる。お金で生活の快適さを買っている反面、その裏では大量の廃棄物が生まれています。

自分の目の前から消えればそれでいいんじゃない、改めて考えさせられました。

プラントの見学が終わったあとはバーベキュー会場へ。
プラントの隣はすぐにこんなきれいな森になっています。


初めて高野登さんが石坂産業さんの見学に来られた際、ここでバーベキューが出来たりしたらいいよねと話した事で開催されたこの企画、石坂産業さんにとっても初めての試みだったそうです。

雨が降っていたのでテントまで用意していただきました。
新井さんの乾杯の挨拶で雨の中のバーベキューが始まりました。

ホタテ、海老の海産物の他に東松山市の国分牧場さんの国産若牛のお肉でした。
大田原のグリーンツーリズムのツアーで食べた肉もホルスタインだったのですが、赤身が多くてもたれないんですよね。自分がいたテーブルは5人席で女性が3人だったのですが、かなりの量の肉を意外にぺろりと食べられました。


〆は野菜炒め。
池内タオルのAさんが丁寧に野菜や肉を切ってくれたおかげでバーベキューとは思えない出来栄えです。
美味しかった〜!ありがとうございます!


最後に石坂社長から今日見たことを是非周りの方に話して欲しいというのと、家を解体するようなことがあったら自分の代ではなく子どもやお孫さんの世代でもいいので石坂産業を思い出して使ってくれるように工務店さんに話してくれると嬉しいと話がありました。


応対して下さったり、仕事をしている最中の社員さん、すれちがったドライバーさんいずれも自然な笑顔で働くのを楽しんでいるように見えました。

最後は素でバーベキューを雨の中なのに楽しんでいて、帰る時になってそういえばここって産業廃棄物の処理施設だったんだよなと思い出したくらいです。

社員が幸せそうに働いている会社というのは本当にいいなと思いますし、自分もそんな会社で仕事をしたいと思います。今日は自分にとってそんな素敵な会社の究極系を見せていただいた感じです。

楽しかったですし、とっても勉強になりました。
今現在も訴訟されていたり、こんなに環境に配慮された素晴らしい会社なのに産業廃棄物処理業者というだけで悪いことをしていると一部の人には思われています。自分にできる事は自分の目で見てみたいい会社っぷりをこのブログを通じて一人でも多くの方に知っていただくことだと思いました。

こんなにいい会社が地元にあったなんて、埼玉県の誇りだと思います。

皆さんに見ていただくことで社員が成長します。ぜひまた遊びに来てくださいという言葉がありましたがNPO法人いい会社をふやしましょうでも来年更にいい会社になっているであろう石坂産業さんの訪問ツアーを企画するようです。

来年また訪問したいと思います。

いい会社の理念経営塾 石坂産業見学ツアー(3)高野登氏講演2013年10月06日

石坂社長のお話の後は元リッツ・カールトン日本支社長で人とホスピタリティ研究所所長の高野登さんの講演でした。

【関連記事】
いい会社の理念経営塾 石坂産業見学ツアー
 (1) 新井さんバスガイド編

石坂産業さんと同じくおもてなし企業経営選に選ばれた都田建設さんの家を解体するという事は思い出を壊すこと。思い出を永遠に閉じ込めるプロセスを取り入れることでお客様に感動を与えるという話は家の解体で出た瓦礫を処理する石坂産業さんのプラントを見学する前に家の解体瓦礫って思い出が詰まったものでもあるんだよなと視点を変えるきっかけにもなりました。

また、働いている時間は人生におけるど真ん中というのも心にズシリと来ました。
自分は20歳から働き始めて今38歳です。まさにど真ん中の芯に近づいているわけで、これから何をしようかもやもやしながらも考えているに新たな気付きをいただきました。

人が面倒がってやらないことをやればいい

これは、いい会社に共通する要素だと思います。
面倒がってやらないことというのはお客様にとっては逆にやって欲しいことなんですよね。

rennyさんがCTW - 「公開会社」への新しい道というエントリーを書かれています。
上場していないけれども「いい会社」に応援したいという気持ちのこもったお金を届けるという事は自分にとって上場企業に投資するよりもやりたいことでした。

上場するまで規模の大きくなった会社よりも身近にあるいい会社に応援したいという気持ちを投資という形で届けたかったのです。でも、それって実現するにはお互いにかなり面倒なことです。

それをミュージックセキュリティーズさんはマイクロファンド、鎌倉投信さんは公募投信という器を使って実現してくれました。クラウドファンディングも寄付という形にはなりますが気持ちのこもったお金を届ける仕組みです。

気持ちのこもったお金を届けるという事は単なるお金だけの関係とは違ったコミュニティが生まれると思います。そういうのが、自分のやりたいことなのかなとも思ったのでした。

本当にやりたい事だと面倒を厭わないB型なので、本当にこれをやりたい!と打ち込める何かを探しています。でも、えいや!で飛び込む事も必要なんだろうなと思ったり・・・。


人とホスピタリティ研究所
 所長 高野 登氏

先日も石坂さんのお話をお聞きしましたが、今日も5ページメモをとりました。

どういう話の聞き方をするか?
伝わってくる礼儀礼節を感じることが会社訪問の醍醐味です。

例えば石坂さんが違う業態に行ったとします。
チームが行ったときにどんな働きをするんだろうな?
どこにいってもすごい仕事をやるかもしれないと簡単にシミュレーションできます。

伊奈食品の塚越会長が「まいったな」と言いました。
石坂さんが別の業態に行った場合のことを瞬時にシミュレーションして「まいったな」という言葉が出てきたのです。

自分のやってる仕事だけでなく、違う業界では自分はどうなんだろう?
価値を作り出せるかどうかそういう事を考えてみると陰と陽が見えてきます。
善と悪ではありません。

人間には良識がありますが、同じだけのエネルギーの欲があります。
欲が良識を押し上げるエネルギーになるとは限りません

例えばホテルで動物愛護協会がコンベンションをやりました。
分厚いステーキ食べながら上映されているDVDはクジラを殺してる現場で酷いことだと憤っています。

善と悪ではなく陰と陽で考えるのです。

おもてなし企業の講演会で埼玉で石坂さんが話されました。
その後開催された日比谷では一緒に聞いていましたが、そこで建設業界の解体の話が出ました。
そこで出た質問を昨日行った住宅メーカーの勉強会でしてみました。

解体とはなんですか?
解体にこめる想いとはなんですか?

誰も答えられませんでした。
答えは「見ていてつらい」という事です。

住んでいた家を壊すという事は思い出を壊すこと。

都田建設さんでは思い出を永遠に閉じ込めるためのプロセスを取っています。

建て替えのために家を解体する前に家中のあらゆるところを3000枚写真に撮ります。
そこには柱にできた傷なども含まれています。それが終わってから解体に入るのです。

解体の時、家主さんには寂しさ、つらさもあります。
新しい家が出来て引き渡しの時に写真のDVDもお渡しします。
家主さんはそのDVDを見ながら号泣したりして思い出が浸透していくのです。

どういう人に解体して欲しいか?
自分の中に思い出ができる、一緒にストーリーを作っていくことで次のプロセスに進めるのです。

世の中の多くの人はそこで終わっていますが、その先のプロセスがあるのです。

石坂社長の苦労の容量はものすごいだろうと思いますが、そこに垢を感じません。
苦労がにじみ出ないのがすごいことです。
自分に置き換えてシミュレーションしても石坂産業をこのようには出来ないだろうと思います。

行政も今では石坂産業さんに応えはじめています。
こういうのも能力、魅力だと思います。
社員にとっても大事な資産ではないでしょうか?

どういう人についていきたいか?
部下は上司には格好いい人であって欲しいと考えています。
一つの財産になるのでは?

リッツ・カールトンの創業者であるホルスト・シュルツィは貧しい家庭に生まれ、学費を稼ぐためにコーヒーショップでバイトを始めました。そこで一生懸命頑張っていると現場の人に認められ、ウエイターくらいにはなれるかもしれないからホテルスクールへいってはどうか?と薦められました。

そうしてホテルのウェイターの仕事をしていく中で世の中の見方が変わりました。人を見るようになったのです。正確に言うと人間の陰と陽を見極めるということです。

ウェイターである自分たちはお客様のサーバントだと思っている中で、お客様と目線が変わらない一人だけ対等な人がいたのです。

それがメートルディ。ワインの相談などを受けている人です。

一体自分と何が違うのか?

メートルディはお客様を紳士淑女として見ていて、お客様もメートルディは紳士淑女として見ていたのです。我々も紳士淑女であるべきだと彼はホテルスクールの卒業論文に書きました。

15歳のシュルツィがホテルマンとして生まれた瞬間です。

その後シュルツィはホテルマンとしていくつかのホテルで働くことになりますが、どこにいっても実感としてそのように感じることはありませんでした。ある日、新しいホテルを作るが一緒にやらないか?と声をかけられリッツカールトンの創業社長としてシュルツィが封印していた想いを形にする機会がやってきます。

仕事というのは海外でも日本で原理原則は変わりません。

時間軸との調整です。
なにが変わらないのか。不易流行。
シンプルになっていくのです。

石坂産業さんの本当のすごさはプラントでも働く人でもなく、ここにやってくる業者さんを見ないとわかりません。普通、トラックの運転手さんは挨拶をしても返さないものですが、ここにくる業者さんはみんな礼儀正しいのです。

仕事の本質とはなんでしょうか?

誇り  喜び
プライドアンドジョイだと思います。

仕事のプロとしてみんかなにか人の役にたっているのです。

でも、多くの場合自分の可能性に蓋をしてしまっています。
「思」という文字を思い浮かべてください。

4割の社員が新社長の方針についていけないと辞めてしまいました。
それでも残った6割の社員と一緒に運んでくる業者さんに対して自分たちの理念を一緒にやってくれませんか?と働きかけたのです。

リッツカールトンでも取引先の会社さんとオリエンテーションをやっていますが全然違います。
自分だったらここまですることができずに諦めたいんじゃないか?と思います。

「思」という文字から蓋をとると「志」に変わります。

リーダーの思いが蓋を取るのです。

先ほど、石坂社長が「捨て場」に運んでいくという表現を変えようと思ったと話されました。
自分たちがやってることを本気で考えたことでプライド、喜びとして作ってくれるパートナーがうまれたのです。

分かっている!

「分かっている」と「志」が組み合わさるとその効果はかけ算になります。

努力、可能性は無限大で思わぬ形で成長していくものです。

目に見えない部分の何を感じ取るか?
社員がどれだけ自分たちが大切にされているか?
業者さんに対して真摯に向き合っているかが誇りなのです。

どんなにきれい事を言っても社会的強者と弱者はいます。
これを無くすことは不可能です。

でもこれを強弱で捉えることはどうなのでしょうか?強弱では優劣を捉えないのです。

例えばホーキンス博士は素晴らしい方です。乙武さんもいつもお会いするとなぜそんなに明るい?のと聞いてしまいます。

優れた人と強弱は違うのです。

課題は「本人がそれをどう捉えるか?」「重たい蓋をどうとってあげるか?」そこにあります。本人も含め、その人たちの志にどこまで近づけるか、複雑になるものをいかにシンプルにするかが百年塾です。

陰と陽の話でもう一つ、命を大切にしているということがあります。
命をキーワードに共通項があるのでは?と思いました。

神戸の震災のあと、おばあちゃんが美容師さんに髪を整えてもらって化粧したときに笑顔が生まれたといいます。これは東北の震災の時も同じでした。

同じように持っている感性はあるんだろうな?と感じました。
そこに気がついたか?気がついたらどうするか?

何を感じるのか?
何をするのか?

いい会社について考えてみる視点です。

今日は石坂産業さんの何が素晴らしいのか?
ゆっくり熟成させて考えてみてください。

縦軸に24時間、横軸に人生の80年をおいたとします。
そうすると22歳から60歳まで、9時から17時までというのは仕事にささげる時間にあたります。

これは「人生のど真ん中の時間」なんです。
ど真ん中の時間をどう過ごすのか?

自分の人生のセンターピンを撃ちぬく働き方をしてるでしょうか?

自分は長野の市長選挙に出馬するために大好きだったホテルを辞めましたが未練はあっても後悔はありませんでした。後悔がなかったことでやめる決心をすることができました。

ここにいる多くの方は指導する立場にあると思います。

私は12年計画を立てています。
そして私の師匠である力石寛夫先生も84歳まで正しく日本の食を伝える活動をしようと12年計画をたてています。

インプット症候群の方がいらっしゃいます。どこに行ってもまたお会いしましたねといいますが、いい話を聞いたとインプットばかりして実践に移そうとしない人です。
大事なのはアウトプットすることです。

百年塾に参加されている中に保険の営業をやってる方がいらっしゃいました。いつも誰よりもメモをとっていたのですがその方の素晴らしいのは話を聞いた次の日には実行に移していたところにあります。

人が面倒がってやらないことをやればいい

コツコツと学んだことを仕事にフィードバックした結果、8ヵ月で売上は32%アップしたそうです。それも嬉しいのですが、一番嬉しかったのは社員が元気になったということだそうです。
業績が悪く社員の雰囲気も悪かったところに、今度はこんなことをやってみようと社長が提案してくるようになったので最初は悪い宗教でもに入ったのか?と思われたそうですが8ヶ月続けたことで社員も社風も変わったのです。

お客さんはやって欲しいことについて明確なメッセージを持っています。
そして、それを聞いてくれる人が出てくることを渇望しているのです。