マイクロファイナンスゲーム大会が開催されます2012年05月03日

5月19日(土)14時より、マイクロファイナンスをゲームをしながら楽しく学べるマイクロファイナンスゲーム大会が開催されます。
主催はミュージックセキュリティーズ社のファンドなどを通じて日本でマイクロファイナンスへの資金調達の道を開こうとしているNPO法人Living in Peaceです。

ゲームを通じて貧困層がマイクロファイナンスを通じて融資を受けることがどんなインパクトを与えるのか感じ取ることができます。
マイクロファイナンスに興味をお持ちの方はぜひ参加してみてください。

マイクロファイナンスゲームの概要はこちらを参照下さい。(シブヤ大学)

【概要】
日時:2012年5月19日(土)14:00開場 14:15開始 (最大1.5時間程度) 場所:糀屋箱機構 Creator's District 1002号室  (東京都渋谷区渋谷1-17-1 TOC第2ビル)  【Google Map】http://goo.gl/mLAJ2 定員 : 20名程度 参加費 : 1,500円

申込はこちらからどうぞ


2012年4月の結い2101(鎌倉投信)2012年05月08日

2012年4月の結い2101は-0.90%でした。
純資産額は前月比+1.76億円で15.71億円。順調に増えています。

今月の月次報告書「結いだより第26号」のいい会社紹介では育児用品メーカーのピジョンが紹介されています。

ピジョンは企業理念が「愛」。シンプルですが、とてもいい企業理念だと思います。
生後一ヶ月の赤ちゃんむけに哺乳器の飲み口を作ったり、利益だけではなく愛の ある商品を世の中に送り出すことで共感を生み、高い支持を受けています。

投資行動では新規組み入れ銘柄として「ライフネット生命保険」が組み入れられました。
上場する時に結い2101やひふみ投信が組み入れそうだなと思って見ていましたが、やっぱり結い2101は組み入れましたね。

社会形成として組み入れ先のヤマトHDによる宅急便の荷物1個につき10円を東日本大震災の支援活動に寄付が最終的に140億円に達した旨が報告されています。寄付金による活動内容などはヤマト福祉財団のHPで確認することができます。

ちなみにヤマト福祉財団による東日本大震災 生活・産業基盤復興再生募金は個人からの寄付金も受け付けていて、寄付金控除の対象になっています。(募集期間:2012年6月30日まで)

結い2101概要】
2012年4月のパフォーマンス:-0.90%
純資産総額:15.71億円
組入銘柄数:35
株式組入比率:60.9%
月次レポート:2012年4月版
顧客数:2,949名

コモンズ投信が孫向けこどもトラスト「まごころ」を開始2012年05月10日

コモンズ投信が親世代が子供名義で投信積み立てをサポートする仕組み「こどもトラスト」が2010年のスタート以降人気を集めていますが、祖父母世代が孫のために投信積み立てしたいというニーズに応える「まごころ」が本日よりスタートしています。

・親の承諾をえた上で、祖父母が孫名義での投信積み立て
・月額3,000円(初回のみ15,000円以上の購入が必要)からの積立もしくは25万円以上の一括購入
・初回購入時に3,000円、以降は3年、5年、7年後に3,000円ずつコモンズ投信からプレゼント
・祖父母から手書きのメッセージを預かり、入学・卒業や誕生日などの記念日に成長した孫にメールを
 送るサービス
・当初は先着200名限定

世代を超えて資産を移管するという意味と、教育資金などのサポートという面で祖父母から孫へというのはいい仕組みですね。子供名義口座は複数の金融機関で行っていますが、ちょっと違った価値観を付け足したりするところがコモンズ投信らしいと思います。

日経電子版でも紹介されています。

また、コモンズ投信ではGWにホームページのリニューアルを行いました。

投資先企業の紹介、実際に投資している人の感想、セミナー情報などがわかりやすくなったと思います。

約30銘柄への厳選投資といいつつ、運用報告書以外ではポートフォリオが公開されていなかったのでどんな運用をしているのかなかなかわかりずらい点があったと思いますが銘柄紹介のページが作られたことで、どんな銘柄をどんな考えで組み入れているのか投資する前にわかるようになった点は大きな変化だとおもいます。(実際自分もどんな銘柄が組み入れられているのかわからなかったのでしばらく口座開設を見送ってましたし)

1月と7月の年2回の更新ということで、最新のポートフォリオではありませんが銘柄入れ替えが頻繁にあるファンドではないので大まかな方針は伝わるのではないかと思います。(ちなみに3月に入れ替えがあったため、現在公開されているポートフォリオのうち数銘柄は違っています)

HPに書かれていないことで 足りない部分としては、基本的には等金額配分でポートフォリオが構成されているという点でしょうか?

30銘柄に集中投資というと値動きが 激しそうというイメージもあるかと思いますが、等金額配分と投資先の分散により、値動き幅の少ないポートフォリオになっています。

2012年4月のパフォーマンス:-2.91%
純資産総額:16.41億円
組入銘柄数:31
株式組入比率:94.5%
月次レポート:2012年4月版
顧客数:2,704名

REMEIセミナー@国際フォーラムに行って来ました(1)パノコトレーディング&bioRe Tanzania2012年05月11日

5月10日コットンの日に開催されたREMEI社の取り組みを紹介するセミナーに行って来ました。


REMEI社はインドやタンザニアでオーガニックコットンを生産しているスイスの会社で、池内タオルさんはほとんどをREMEI社のオーガニックコットンを使用しています。

また、コットンヌーボーで使っているオーガニックコットンもREMEIの子会社であるbioRe Tanzaniaの糸で、ここでの取り組みが素晴らしいというお話をこれまで聞いていました。


今回、このbioRe Tanzaniaのニランジャ・パトニ社長のお話を聞けるということで楽しみにしていました。


会場に着いてみると席には資料と一緒にお土産のREMEI社製タオルハンカチとポロシャツが。

すっごく得しました。


パノコトレーディング代表取締役 野倉 皇男氏


95年にアメリカとペルーのオーガニックコットンの取扱を開始して、2001年にスイスのREMEI社と知り合いました。

インドやタンザニアでの社会貢献活動を見て、REMEI社のサスティナブルな有機農法に対する取り組みは別格だと感じました。


できるだけ多くREMEI社の取り組みを知っていただく様にプロジェクトの内容を伝える様にしています。

3年前にはスイスのREMEI社から来ていただき、プロジェクト全体のお話を、一昨年はインドから二名お招きして一人は社会貢献活動について、そしてもう一人はインドでGMO(遺伝子組み換え作物)フリーの種子を集めるのがどんなに大変かというようなインドのGMOに関する実情をお聞きしました。


最近のまとめだとオーガニックコットンの収穫量は一昨年の24万tから15万tに激減しています。

タンザニアではほとんど変わっていないがインドでは半減しています。

要因はいくつかありますが、GMOフリーの種子を集める事が難しくなっているのと、GMOコットンでも良いという流れがうまれつつあります。


アフリカでオーガニックコットンを生産する国は増えているものの、一方でウガンダでは生産量が激減しています。

アフリカで一番の生産地であるタンザニアからbioRe Tanzaniaのニランジャさんを今年はお招きしました。

また、タンザニアコットンを使っている池内タオルの池内社長にもユーザとしての話をしていただきます。


これを機会に皆さんにREMEIの製品をたくさん使っていただくと現場で生産に携わる農家にとって励みになります。



bioRe Tanzania Ltd., ニランジャ・パトニ氏


タンザニアでは最近綿花の質が低下していたので、品質向上のために名前をつけました。”白い金”

タンザニアでは北西のレイクゾーンで80%の綿花が生産されています。


40万~50万の農家が生産に携わっており、ほどんどは8~10名程度の小規模農家です。

タンザニアでは灌漑設備が整っていないため、雨水を利用した天水栽培法が行われています。


かつて農家は自分たちが食べるトウモロコシやソルダムを栽培していましたが、綿花は大切な資金源となっています。


1994年、メアトゥ地区のひとつの村でオーガニック綿を扱う民間の繊維工場が誕生しました。

糸を扱うRemei AG(スイス本社)がそこの工場でできたオーガニックコットンを購入することで工場をサポートしました。

当初は45農家によるプロジェクトでしたが、2000年にRemei AGがプロジェクトを大きくするために買い取り、bioRe Tanzaniaが誕生しました。


タンザニアでは行政による農家へのサポートが望めないため、bioRe Tanzaniaでは実験農場とトレーニング施設を作りました。

また、遠方からも参加できるように宿泊施設も。


参加型トレーニングに各村の代表者が参加することで継続的な関係を築く様にしています。

2009年頃、bioRe Tanzaniaではきれいなコットンとそうでないコットンを混ぜてしまうことんで品質に問題がありましたが、紡績工場と裁製工場に見学に行ってみる事で彼らは学んでくれました。帰ってからこのことを他の農家に話してくれたおかげで今では100%ではないものの、品質問題は改善されています。


bioReは包括的なブランドで原綿栽培、綿繰り、紡績、裁製などの行程において「オーガニック」「公正性」「エコロジー」「品質」「透明性」を満たしています。Remeiでは総合的なマネジメントを行っており、タンザニアでは原綿栽培、綿繰り、紡績、加工までできるように準備をしています。


bioReでは生産過程で多くの監査や認証を受けています。

生産環境においても児童労働や過酷な労働をしいるような事をしていません。


タンザニアやインドでは農家個人を支援するだけでなく、コミュニティ全体への支援も行っています。

一つは有機農業の普及のための仕組みです。

 ・無料のトレーニングと必要な時に必要なものを提供(種子を配布する時期など)

 ・農機具の貸し出し

 ・無利子ローン(女性を優先)

 ・トレーニングしたことが施行されているかフィールドスタッフによる月一回の確認


オペレーションの公正さ

 ・五年契約

 ・過去5年の綿花の価格の平均値をベースにシーズン開始前に農家の代表者と価格を決める(15%のプレミアム)

 ・労働基準の順守


透明性とコミュニケーション

 ・信頼を深め、コミットメントを強化


品質

 ・リスクマネージメントを含めて最高品質のものを提供


農業以外の面でもコミュニティへの支援を行っています。

例えば女性の裁縫グループをつくり、自分のユニフォームや麺を取り込む袋の生産を行う事で収入が増えます。


煙のでないコンロでは二酸化炭素排出量の削減の他、使用する薪が減る事で森林資源の保全にもつながります。


また、タンザニアでは遠くまで水を汲みに行くのが当たり前で乾いている川を掘って水を探す姿も見られますが、井戸の提供により一つの井戸で35家族に恩恵があります。女性や子供が11~15km離れた井戸まで水汲みに行かなくてよくります。


タンザニアの田舎では学校の問題もあり、600~700人規模の学校でも寄宿舎がないため教員が来ない場合が多い。

そこで、教員向けの寄宿舎を作って学校教育の支援も行っています。


セミナー後半の池内タオル編はこちらに続きます

REMEIセミナー@国際フォーラムに行って来ました(2)池内タオル2012年05月11日

コットンの日に行われたREMEIセミナーの後半です。(前半の記事はこちら

後半では『使用者側から見た"bioReコットン" 』と題して池内タオル(株)の池内 計司社長と池内タオルのコットンヌーボープロジェクトのデザイナー佐藤 利樹氏が話されました。


コットンヌーボー プロダクトデザイナー 佐藤 利樹氏



オーガニックコットンの問題点として自然に近い製品であるために品質に差が出るというものがありました。

均一な品質を求める工業製品には向かないという弱点を逆に個性を楽しむという事に方向転換できないか?そう考えました。


コットンは腐る訳でもないため、年度毎に区切る意識が紡績工場などにありませんでした。

そこで、年度毎に区切って糸を作って欲しいと言ってもまだ始まってもいない小さなプロジェクトでは大きな産地では要望に応えてくれなかったが、日本進出を目指すタンザニアという小さな産地が協力をしてくれました。


昨年、タンザニアの農地を訪ねて来ました。

出来上がったタオルを持って行ってこんなにいいものになったよというのを見せに行ったものの、タオルを使っていないような生活で自分は奢っていたなと勉強になりました。

話を聞くと労働環境もよく、周りの家庭の何倍もの収入を得ているという事でした。


オーガニックコットンは手摘みのため重労働だという事が実際にやってみてわかった。

それを牛車に乗せて買い取り場所まで持って行くと見本があって、品質ごとの値段がわかるようになっていました。


紡績工場ではオーガニックコットン専用のラインが作られていて、オーガニックコットンがない時期はそのラインは停止しているというのも見せてもらいました。スモークレスストーブも見て来たが家は清潔で快適な環境でした。


工業製品で同じものを揃えるのではなく、毎年の違いを楽しむという文化を日本でつくりたい。



池内タオル 代表取締役 池内 計司氏


99年にiktというブランドを立ち上げたが、最初にノウハウを教えてもらったのがノボテックという会社で、オーガニックコットンを扱うならヨーロッパ規格にしないと技術は教えないと言われた。


現在池内タオルが使っている糸はパノコさんから購入しているが、ほとんどがREMEI社のもの。多くはインド産でコットンヌーボーのみタンザニア産。

他にはペルー産が若干。


織り屋の自負として綿畑には行かないというポリシーだったがbioRe Tanzaniaに行って来た。

オーガニックコットンはフェアトレードだと言われているが、現実には違うことも多いのを知っていたが、タンザニアで農家の人に話を聞いたらちゃんとフェアトレードになっていて安心した。


何が望みか聞いてみたら毎年買って欲しいというのが答えだった。

札束攻撃で買ったり買わなかったりの商社はフェアトレードではないというのを肝に銘じた。


REIMEI社は素晴らしいことをやっているが、中小企業。

中小企業が淡々と五年契約やフェアトレードなどをやっているのが素晴らしい所。

大企業がちょっとお金をかけていい事をしているソーシャルビジネスと呼ばれるものとは違うと感じた。


紡績工場もオーガニックとそうでないものは壁で仕切られていて世界一ピュアなコットンを生産していた。

一年中オーガニックコットンがあるわけではないので、ない時はラインを動かさないという一見非合理的なことをしてしまうのが素晴らしい。


あまりに感動してしまったので秋にはインドのbioReにも行って来ました。

こちらでは小学校を作ったり無料検診車による巡回などの社会貢献活動にも驚いた。


bioRe Tanzaniaでは40本くらいの井戸を既に寄付しています。

パノコさんも毎年寄付されているが、池内タオルも見てしまったので一本寄付をしました。

4,000~5,000ドルで一本の井戸が掘られ、30家族くらいが遠くまで水汲みに行く事から開放されます。


コットンヌーボーは年度を付けているので売れ残ってしまうと困る。

デザイナーはヴィンテージだなんて言っているが・・・


昨年4月に2011を発売した時は3.11の後で店頭に置いて販売するような雰囲気ではなかったが、皆さんのおかげで12月には全て売り切れました。

今年はヨーロッパが不景気なのもあって昨年よりも多くの糸を仕入れることができました。


デザイナーは先ほど年度毎の風合いを愉しむなど言っていたが、今年は出来が悪いと言ったら売れないのでは?

タオル生産における綿花の影響は30%程度なので、織り方を工夫してよりよいものにしていきたい。

2012は二年目ということでタンザニアコットンの性質に慣れて昨年より良いものになっていると思う。


今年はカラー展開も行っていて、パステルですねと言われる。

色はタンザニアの風景をイメージしたもの。


アフリカ=原色というイメージがあるが、タンザニアはもっとスモーキーな色だった。

空の色も抜けるような青空ではない。




コットンヌーボータオルを1枚織るのに20坪の綿畑が必要。

それを考えるとジーンズが980円というのは本当に地球に良いことなのだろうか?


インドの綿畑は灌漑設備があるためタンザニアよりも規模が大きい。

年収もタンザニアの30万円の倍の65万円と聞いた。

ただ、インドは買うものもたくさんあるのでタンザニアの方がより豊かだと思う。

農家の人がみんな幸せそうな顔をしていたのが印象的でした。


タンザニアはもともと農薬がばらまかれていなかったので土地が痛んでいないのがインドとの違い。

ただ、お店もろくにないような場所でもオーガニックコットンの比率はわずかに1%。

種子屋さんが農薬も販売していてこんなところでも!と驚いた。