年収300万円でも、死ぬまでお金に困らない!「自分年金」で2400万円つくる50の知恵2012年06月26日

 ユニオン投信の取締役でセイコーエプソン労働組合の副執行委員長、そしてファイナンシャルプランナーでもある清水 学さんの著書です。


 労働組合の方が書いただけあって単なるマネー本とは違って、自分年金の原資をどうひねり出すか?について注力して書いています。

【この本のポイント】
昭和の時代からの大きな社会変化に対応する必要がある
  1.賃金低迷 2.増税 3.医療費負担増 4.インフレ 5.公的年金の負担増・受給減
□ いずれ来る賃金カットと収入減少に備えて架空の自主的な賃金カットを行う
  架空の賃金カットで捻出した資金で投資信託を
□ 老後を人生最高のステージに!
  定年退職後の20年はまだまだ元気。人生最高のステージにしよう
□ 住宅ローンは借り過ぎない
  地方に暮らす一般的なサラリーマンなら借入金額の限界は2000万円ぐらい
□ 投資に適したお金と適さないお金
  適したお金 :老後の生活資金
  適さないお金:生活資金、住宅・教育資金
□ 人的資産は自分で磨いて金融資産は人任せでOK

 個人的には架空の自主的な賃金カットを行うことで投資資金(自分年金資金)を捻出するという点が新しい視点だと感じました。
 確かに、今や大企業でも賃金カットは当たり前のように行われているので、事前に自分で生活水準を落としておくことで本当に賃金カットが起きた時へのバッファになります。一度あげてしまった生活水準を落とすのはなかなか大変なので、生活水準を抑えつつお金を貯めるというのは一石二鳥かも。

 老後を人生最高のステージに!というのも老後に対するなんとなく曇りがちなイメージを払拭する言葉でした。確かに、退職後後って時間もあるし、まだ身体も元気だし人生を24時間で表すとちょうど夜のゴールデンタイムのようなものなんですよね。
 自分も充実した退職後の時間を過ごせるように健康でお金もあって趣味もちゃんとある生活をしておかないと・・・。

 投資手法については国内債券は不要というスタンスだったり、ユニオンファンドの投資哲学に則った説明がなされているので、投資をしたことがない人にとっては少しハードルが高いかもしれません。(リスク的に)
 積立投資を推奨されているので、時間分散で値動きは穏やかになりますが。

 あとがきで清水さんが出版社の方から質問された「清水さんの最終地点はなんですか?」という問いの答えが書かれています。

 誰もがどこの金融機関に行っても安心して「投資信託」や「保険」「住宅ローン」商品を買うことができる世界を作りたい。そのときにはユニオン投信株式会社やユニオンファンドはなくなっていてもいい。

 メーカーの理想は品質保証部門をなくすこと。これは金融機関や投信会社も同じ事。
 みんなが顧客第一の商品開発をするようになればベンチャー企業がわざわざ参入する必要がない。
 そんな日がくるまではユニオンファンドを育てていきたいと書いてあって、いつかそんな日が来るように投資家側も賢くならないいけないなと思いました。(最終的には賢くなくてもよくなるのですが・・・

 そんな、ユニオン投信の挑戦を応援しています。

あたりまえだけど誰も教えてくれない お金のルール2012年06月21日

かえるの気ままな生活日記。のかえるさんがお金の基本的なルールについて本を書かれました。


お金について特に学校などで学ぶことなくいきなり社会に放り出される人が多くいると思いますが、知らなかったが故に勿体無いお金の使い方をしている場合があったりします。

例えば生命保険は社会人になったら入るものだなんていうよくわからない常識?だったり・・・。

普通のサラリーマンだったかえるさんだからこそ、生活者の目線で生活していてどうなんだろうな?って疑問に思うポイントについて簡単な言葉で説明しています。

正解があってそれを押し付けるのではなく、僕はこう思うという書き方をしているのも自分は好感を持ちました。本に書いてあることはそのまま鵜呑みにするのではなく、読者も本当にそうなのか考えてみて欲しいと考えているからです。

お金をふやすのに投資をしようと思ったとしても、まずはお金の使い方のルールを知って勿体無いお金の使い方から脱却することが最初の一歩として大事なことだと思います。(投資手法はインデックスかアクティブか?なんて話よりも、どうやって投資する原資を作り出すか?の方がたぶん長い目で見ると大事です)

そういう意味で、新社会人やこれまでお金の使い方についてあまり考えていなかった人が最初に読んでみると色々発見があるんじゃないかな?と思います。

 1章 お金との関係を見なおそう
 2章 知っておきたい、基本のお金節約術と管理法
 3章 お金をふやすために
 4章 将来のお金のことを考えよう
 5章 年金はあてにできる?
 6章  保険のこと、キチンと考えてみよう
 7章 自分のお金を守るために知っておきたい社会のしくみ

ニッポンを幸せにする会社(鎌田實)2012年04月30日



医師で作家でもある鎌田實さんが幸せを感じられる国づくりの処方箋を書きたかったと帯にありましたが、読んでいてわくわくする”いい会社”がこれでもかってくらい登場してきます。

日経マネーに連載されていたコラムがベースなので上場企業も多く、結果として鎌倉投信さんが投資している会社も多く登場しています。

巻末には鎌倉投信の鎌田恭幸社長と鎌田實さんが鎌倉にある鎌倉投信本社で対談するという企画までありますし。
対談を読んで思うのは、お二人の考える”いい会社”はとにかく共通項が多いんです。
鎌倉投信の副読本じゃないの?ってくらい価値観が似通ってます。

幸福感を感じると幸せホルモンのセロトニンが出て、そういう状況で仕事をすると成果が出るそうですが、相手を幸せにすると出るオキトシンというホルモンも人間にはあるそうです。

このオキトシンが出るようなことをしている会社は企業として生きていく力もつけていくのではないか?と鎌田實さんは言っていますが、情けは人の為ならずという言葉があるように、結局は他人を幸せにすると自分によい影響が返ってくるのではないでしょうか?

本当にいい会社というのは世の中に幸せを増やすだけではなく、しっかり良い業績も残しているので安心して投資できると思います。

鎌田實さんが提唱する”あたたかい資本主義”という言葉にもしっくりきました。
高度成長期を経て行き先を見失ったようにも見える日本が次に向かうのは世の中に幸せを増やす”あたたかい資本主義”なんじゃないかと思いますし、それが成功すれあ資本主義の新しい成功モデルとして世界からも尊敬を集める国になれるんじゃないかな?

そんな希望をもらった一冊でした。