第三回鎌倉投信受益者総会レポート(8)デジタルハーツ 宮澤社長 ― 2012年10月03日
受益者総会レポート第八弾は午後の部のいい社長講演 デジタルハーツの宮澤 栄一社長です。
最初に新井さんから「これからの時代の匠はこれだと感じた。宮澤社長はあまり講演しないが、今日はなんとか来ていただいた。鎌田が宮澤社長の話を聞いた時は泣き出していた。」という紹介がありました。
□ 日時:2012年9月29日 9:30~12:15(第一部) 13:15~16:00(第二部)
□ 場所:建長寺
宮澤 栄一社長
株主総会でも話しているが、投資していただいている皆様を応援だと思って、仲間だと思っている
テレビや雑誌は嫌いであまり話すことはない。鎌倉に来たのは遠足ぶり。今日はありのままを話す。
社名のデジタルハーツはデシタル社会でもハートを持ってという意味。外人にはすごい名前と褒められた。
不具合を発見する作業をデハッグというが、ゲーム機や携帯のバグをユーザー目線で探しだす。
いわゆるプログラムコードを読んでバグを見つけるデバッグではない。
正確には自分たちの仕事に名前がついていないので便宜上デバッグと呼んでいる。
栃木県の田舎で育った。
父親は銀行員を止めて中華食堂を企業した。色んなことをやって何度も倒産したのを見てきたので自分は社長をやりたくなかったそれで東京に出てきた。
8歳の時が実家が一回目の倒産。3億5千万円の負債を抱えた。これまで可愛がってくれていた人が来たので、いつものように寄って行くと「どけこのクソガキ」といわれ、何かが起きたと子供心に感じた。
父親は山奥に逃げ、自分たち家族も隠れ部屋にいた。
当時は夜中でも取り立てにやってきたので、それを玄関で止めるのが自分の仕事だった。
家で勉強してはいけないという環境だったが模試では東大にAクラスとなっていた。
だが、父親に東大で一番偉い先生は一番稼いでいるのか?商売人の息子は商売をしろと言われ、実家で働くことに。しかし、5年後に8億7千万の借金を抱えて二度目の倒産をした。
この時は従業員に一ヶ月分の給与を払うことはできたが。
家が取り壊される前の日が1月1日の正月で塩おにぎりが出てきて、中身がないおにぎりを食べたのが初めてだったのがなぜか面白かったというのを覚えている。
東京に出るとき絶対経営者やらないと決めていた。
そこで、役者や音楽の道へ進んだ。作詞家として活動している時に父親が倒れて手術費用50万円と言われたがそのお金を用意できず、それまでお金なんて関係ないという歌を作っていたが、人の命は50万円だと思った。お金に色はある。
それまでもパチンコ屋を経営していた時は負けた人のお金で生活していた。
自分は一体何をしてきたのか?
父親に何かを見せたい。生き方を見せたいと思い、三年の間、人のためだけに生きてみようと考えた。
人のためという対象はゲーム会社で働いてたオタク。
いい子だったので、その人達のために。東京で住むために15万円稼ぐ環境を。
ゲームしかできないが、その姿を見て技術者だと思った。
どうしてバグが見つけられるのか聞いてみたら「なんか匂う」、「感じる」といわれた。
社長から逃げるのも人のためでないと思って6畳一間で起業した。
理想のままにやっていきたい
匂う、感じるとされていたものを67万件のデータベース化した
テスト業界はまだ浸透していない
試算ではこの市場は約1兆円あると言われているが、弊社の売上は65億円。
まだまだ多くの会社がデバッグを社内でやっている。
マイクロソフトのXBOXがリリースされる時に乗り込んでいって、あなた達の優秀な人達と勝負させて欲しいと言ってデバッグの勝負をしたら10倍以上勝つことが出来た。
その頃は名刺もA4の紙を手で切って作ってた時代。実力が認められて仕事をすることになったので200人を一ヶ月半で集めることになった。場所もないのでマイクロソフトの倉庫を掃除して空きスペースを作った。人集めはフロムAで世界一のゲーマー求むと広告を売ったら公民館に600人のゲーマーが列をなした。
その後会社を買いたいと言われたが断った。
全て自社で実施している。
7000名でデハッグする
オタクは行儀がわるい、怠け者というイメージがあるが情けで事業をやっているわけではない。
学校で礼儀などを教えてもらってないだけ。最初に集まった人たちはみんなバンダナをしていたので取ってと言っても、なんで取る必要があるの?と聞かれる。
挨拶はなぜ必要なの?、お金ってなに?仕事ってなに?というのに丁寧に答えていった。
そこは作詞家の要素が生きたのではないか。
ニートも社会の役に立ちたいと思っている子がほとんど。
政府がニートフリーター対策として山奥に連れて行って叫ばせたが6人就職しただけだった。
CSRは嘘っぱち
みんな幸せなのは当たり前
その中で利益をだす必要がある
教育しないと
自分たちがしっかりすれば結果はついてくる
できる範囲で。
ちゃんと世の中で認めてもらいたい
技術が素晴らしい、名前が素晴らしい、バグ0にしたい
海外ではちょっとは仕方ないと見過ごされてしまうのも発見できるのは日本独自の血から生まれてくるものものづくり日本は細やかさではないか?
例えば雑誌は上から三番目を買ったり、ベビーカーの箱はきれいなまま店に陳列されていたり。
インド、ドイツ、ベトナム、中国ともまた違う。彼らはプライドはあるが、細かいことが気にならない。
日本人はデバッガだから総理大臣の細かいことが気になってすぐに変えてしまうのでは?
アナログからデジタルは不確定になる
不具合を見つける地道なベースは変わらない
世界でナンバーワン
バグを見つけて一個一円を積み重ねる
メイドインジャパンからチェックドバイジャパン
いい表現だと思ったが外人に聞いたら上から目線だと言われた。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://shintoko.asablo.jp/blog/2012/10/03/6591231/tb
最近のコメント