森林再生カフェに参加しました2012年07月14日

 月曜日に森林再生カフェと題した林業についての濃いダイアログ(対話)がありました。

 トビムシの竹本さんとコクヨファニチャーの加賀谷さんが講演。

講演が終わるごとに感想をグループ毎に語り合い、次の講演の際には別のテーブルに移動するワールド・カフェ形式で開催されました。

 

 竹本さんは地域の小口分散所有された森林での事業、加賀谷さんは民間企業や自治体が持つ大きな規模の森林での事業という事で規模感が違う2つの取組みについて学ぶことができました。


 林業女子と呼ばれる方も多く参加されていて、林業に関心のある女子がこんなにいるんだ!ってのも驚きでした。

山ガールとかいますから、林業女子もメジャーになる日が来るのかも。


 対話のまとめは林業を活性化あせるためのキャッチフレーズをグループ毎に作りました。普段林業に関わりのない人が多い事で自由な発想が飛び出てとても勢いのあるキャッチフレーズが作れたと思います。


 林業に携わる人はカッコイイ!というイメージを持ってもらうにはどうしたらいいか?とか。

 (東京チェーンソーズとAKB48のコラボCMをACで流す?)


 個人的に思ったのは植林=良という反対に木を伐ること=悪というイメージが多くの人に植え付けられているのを変えないといけないんだろうなという事です。CO2排出などの問題もあり、どうしても木を伐るという事がネガティブにとられがちです。割り箸も割り箸用に木を伐るというよりも柱材の端材で作っていたものでした。


 国は木材自給率を 上げる政策を進めていますが、国産材に需要がないところに供給を無理やり増やしたところで価格が暴落するだけで、逆に林業にダメージを与えてしまいます。


 国産材を使うことは良いこと!というアピールをしていかないといけないですね。


 林業は光のデザインという言葉も素敵な言葉だな〜と思いました。よく手入れされた森は本当に美しいので。


 ワールドカフェというのは初めての参加でしたが、普段関わりを持たないであろう色々な方と知り合いになれて楽しかったです。また参加したいと思います。



日時   :2012年7月9日(月) 18:30-21:00
場所   :コクヨ エコライブオフィス品川
プログラム: 『森林再生』 をテーマにしたワールド・カフェ

 

株式会社トビムシ 竹本吉輝氏

 

トビムシの事業は地球の眠れる資源の見える化 → 森

縦軸は歴史 横軸は地域から都市へ

 

日本の林業の問題(入口)

 

小口分散所有

 ・小さいが故に山主の関心が薄い

 ・長期的な計画に則った管理が行われない

 ・小さいため効率が悪い

 ・機械化するにも資金がない

  →結果として木材の計画的販売、安定供給が困難になり企業にとって契約しにくい

 

 全体不最適な状況をどうするか? → 共有の森事業

 ・小口→集約化
 ・計画的でない施業→計画的な管理
 ・機械化されていない→高性能林業機械の導入

写真は共有の森ファンドで購入した林業機械にファンドメンバーがメッセージを書いているところ

  駅前の再開発と同じでみんな問題意識はもっているが実現には時間がかかる

 

 

日本の森の特徴

 ・小口集約型(地域) ※西粟倉はこれ

 ・大口+小口 大きな山主を中心に小口山主

 ・流通集約型 特定企業の森など

 ・都市近郊型

 

西粟倉では400の山主さんがいるが、村役場で10年間の管理と販売処分権の委託契約をまとめることに

施業は森林組合に委託し、付加価値創造や販売はトビムシが担当する。

高性能林業機械の導入により施業は5倍効率化された



日本の林業の問題(出口)

 

戦後、杉や檜といった成長の早い木を約20年間にわたって集中的に植林した

現在10〜12齢級(樹齢50〜60年)の木が中心

管理された森であれば価値の高い木であったが、途中で管理を放棄してしまったため木が痩せてしまっている

 

林業は光のデザイン


いかにして光を当てるか?全体をデザインしながら間伐をすすめる。

間伐をしないと光を求めて木が上に成長して太らなくなってしまう。

 

 ・人工林は人の手を加えたことによる美

 ・人工林は人の手による管理が必要

 ・持続可能な森を増やしたい

 

間伐をすすめ、柱材として適うようにするには10年間しっかりとした管理が必要

それまでは小径木を利用しながら収益を得る必要がある

間伐しても下に下ろすのにコストがかかり切り捨て間伐が横行している

大根より樹齢50年の木の方が安い

 

カスケード(複数回)利用

 ・木の半分は水で、乾燥するのにもコストが必要

 ・伐った木がキャッシュを生まないと切られない

 ・ペレットなどに直接するにはコストが見合わない

 ・そこで、割り箸や床板タイルを作成

  →割り箸は21cm×24cmの木材でよく、床板タイルも10cm×50cmの木材でよい(小径木の有効活用)

  →割り箸床板タイルの端材をペレットなどにするとコスト的にも見合うし乾燥も済んでいる

 

写真は間伐材割り箸の試作ライン 今はこんな量産ラインが動いてます→こちら



西粟倉・森の学校には村民73名が207万円を出資している。(村の人口の12%)

100万円が村役場、200万円がトビムシ

株主総会では村民株主から様々な意見が出ている

 

床板タイルは8月にオフィス向けを販売開始予定

靴でも大丈夫な強度を実現

 

割り箸は日本で1年に200億膳利用されている。仮に間伐材割り箸で全てまかなって100万立米。

切り捨て間伐は年間400万立米なのでまだ余っている状況

間伐材の利用はもったいなくない

 

いとうせいこうさんと協力して箸袋のマガジンを発刊予定

ちょっとした時間に箸袋を見てしまうところから生まれたアイデア

 

コクヨファニチャー株式会社 加賀谷廣代氏

 

森林再生のゴールとは?

間伐材のコーディネートをしている。

 

 ・民間企業は意外にCSR活動などで森を持っている

 ・行政も自分の地域に森を持っている

 

  民間企業や行政が自分たちの森の木でオフィス家具などを作って欲しいという要望に応える

 

製品化しようとするとコストが上がってしまうが、それでも使いたいというニーズがある。

ビジネスとして利益をあげることで継続できるように。

 

例えばアサヒビールは”水を守ることは本業を守ること”をうたっていて実業をCSRは親しい存在

自社の森から会議室テーブルなどを作った

 

国産材の良さをオフィスなどで感じてもらい、マイホームやリフォーム時に国産材を使ってもらえるようにという思いがある。

 

実業と社会メリットの融合 ただし・・・

 ・製品コストアップが森林に還元されていない?

 ・補助金漬けの森林組合と間伐事業はこのままでよいのか?

という課題もある