ファンド観測:ひふみ投信(2012年12月)2013年01月08日

ひふみ投信の月次レポートの内容を紹介します。
今月はひふみアカデミーに参加したのでその内容から。

 ひふみアカデミー動画配信(→こちら
 月次レポート「ひふみのあゆみ」(→こちら

【12月の売買動向】
衆議院選挙以降、日本の株式市場では流動性が復活したことによりリターンリバーサルが発生しています。
ひふみ投信が苦手とする相場ではあるのですが、組入れ銘柄をがらっと変えることでTOPIXにクリンチする戦法に出ています。
株式組入比率も95%とひふみ投信にしてはかなり高い株式比率になっています。

2012年9月末の業種別分類と12月末の業種別分類を比較するとわかりやすいのですが、これまで中心に据えていたサービスや小売といった内需関連銘柄を減らして幅広い業種に分散投資する形になっています。


日本株は外国人投資家に「誰も保有していないよ」と言われるくらいプレイヤーが少なかったところに急に流動性が生まれたため、まずは大型株が上昇しました。
これを藤野さんは枯れ草の草原に火が放たれたと表現していました。

これまでの低流動性の市場ではセミプロかプロの参加者がほとんどだったためファンダメンタルズ分析した上で中小型株に妙味がありましたが、これが流動性相場になると個人投資家も参入してくることで業績よりも人気重視の株価形成へと移ることになります。

日本株が長期的な上昇相場に入る可能性に備えつつ、しっかりと好業績が見込まれる中小型株も引き続き保有している状態です。大型株が一服した後は中小型株へ市場の主役が移り、再び大型株へ循環するようになると長期上げ相場となります。

【ひふみ投信の日次リスクの推移】
 :基準価額
 :日次リスク(250日)

ひふみ投信の日次リスクは先月に引き続き減少傾向にあります。相場は元気よく動き出しましたがしっかりリスク管理されている現れですね。
12月末日時点での250日日次リスクは10.75です。

【ひふみ投信の資金流入出状況】
 :基準価額
 :資金流入出

ここ3ヶ月のひふみ投信への日次の資金流入出をグラフ化したものです。
毎月6千万円程度が積立で入金されているのがわかります。
12月はボーナス効果?で8千万円程の入金。それとは別にもう一度大口の入金があったようです。

【2012年12月末現在の組入上位銘柄】

ひふみ投信にしては珍しく大型株がズラリと並んだ上位銘柄陣です。
まずは保有していた現金で新しい銘柄の組入れを行い、その後はもともと持っていた中小型株を株価に影響に気をつけながら売却した資金で新しい銘柄の買いを徐々に行ったそうです。
現時点で95%程度の完成度で、ポートフォリオ組換中の12月はTOPIXに置いていかれたけれども、1月以降はほどほどについていく事ができると思うという事でした。


【概要】
 過去1ヶ月  4.30%
 過去1年   22.17%(R&I騰落率ランキング 日本株アクティブ部門 74位)
 過去3年   22.81%(R&I騰落率ランキング 日本株アクティブ部門 6位)
 純資産総額  33.48億円
 組入銘柄数  71(前月比-3)
 株式比率   95.95%
 現金比率   4.05%

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