リニューアルされたコモンズレターを5つのPの観点から読んでみました ― 2013年10月04日
コモンズ投信が運用するコモンズ30ファンドの月次レポート「コモンズレター」がリニューアルされました。
これまでのコモンズレターは正直読むべきところが少なく、何度かコモンズ投信さんには改善を要望していました。4周年記念感謝の集いの懇親会でもお話させていただいた際にリニューアルを検討しているという話が出ていてどんな風になるのかな?と思っていたのですが期待以上の素敵な出来でした。
ここまで書いてくれるのであればやってみたいことがありました。
年金基金では運用機関を選定する時に「5つのP」という観点で調査するそうです。
Philosophy(フィロソフィー)=投資哲学
投資哲学の一貫性
基金の運用目的との整合性
People(ピープル)=人材
有能な人材の確保
組織的な運用体制
平均勤続年数
Process(プロセス)=投資プロセス
個別銘柄選択までのプロセス
損切りルールなどリスク管理
Portfolio(ポートフォリオ)=ポートフォリオの構成
投資哲学との整合性
投資目的との合致
Performance(パフォーマンス)=運用効果
複数の指標で見た運用成績(シャープレシオ、インフォメーションレシオ、トラッキングエラーなど)
参考)ニッセイ基礎研究所 年金ストラテジー2001年12月号より
竹川美奈子さんも5つのPで投信の質を見ようと言っていますが(→インベストライフ2013年4月15日号)、公募投信を5つのPで評価しようとするのはハードルが高いのが難点でした。(特に人材については公募投信ではほぼ知る術がありません。モーニングスターや投信まとなびなどで情報公開されると嬉しい項目です)
ただ、コモンズ30ファンドがここまでオープンにしてくれたのであれば5つのPで評価することが出来るのではないか?と考えました。
コモンズレター 2013年10月 を見ながら5つのPを評価してみます
【Philosophy(投資哲学)】
コモンズ30ファンドの投資哲学(特色)は目論見書にこう書かれています。
コモンズ30ファンドの長期投資の目線は一世代を象徴する「30年」です
コモンズ30ファンドは、少数精鋭の30銘柄程度に集中投資を行います
コモンズは、「対話」を大切にしています
この投資哲学は実現されているでしょうか?
コモンズ投信では10の未来コンセプトを定義し、業種分散を図っています。
→ P.7 未来コンセプト
また、9月末現在で30銘柄へ集中投資しています。
→ P.3 ポートフォリオの構成比
対話を大切にするという観点では9月に売却したファーストリテイリングは単独での直接取材を粘り強く交渉していたものの実現に至らず、対話の姿勢が大きくかけているため売却に至ったと書かれています。
→ P.2 運用部長・糸島の「投資行動とパフォーマンス」
これまで、当月でどんな投資行動をしたのか?などが全くと言っていいほど報告されていなかったので30銘柄均等投資とは言えなにか報告することはあるでしょうと思っていたのですが、満足のいくものになりました。
【People(人材)】
運用部と投資委員会についてP.7の「投資委員会と運用部」の項で紹介されています。
最高投資責任者 (投資委員会議長)
代表取締役社長
取締役会長 (非財務的な企業価値を営む経営の視点)
運用部長 (新規組入・全売却の投資委員会への提案、組入先リバランス、現金比率決定)
チーフポートフォリオマネージャー
シニアアナリスト (新規組入・全売却の投資委員会への提案)
運用部長の糸島さんの運用についてのコメントの他に、シニアアナリストの上野さんもP.4で「今月のピック!」というコラムを持っていて今月注目を集めた話題について解説しています。
今月はまだ記憶に新しい東京エレクトロンとアプライド・マテリアルズの経営統合について書かれています。
また、P.3には投資先企業の主なニュースをまとめたものもあります。
こういうのがあると振り返りしやすいですよね。
【Process(投資プロセス)】
投資先選びのプロセスがP.7で紹介されています。
仮説に始まり、データの分析、面談などによる見えない価値の判断などを得て投資委員会で組入銘柄を決めています。
P.2の糸島さんの報告を読むと数銘柄が投資委員会で継続審議中となっているようです。
【Portfolio(ポートフォリオ)】
コモンズ30ファンドでは基本的に全ての銘柄を均等な配分で購入しています。
今月から組入上位10社について概要とともに紹介されるようになりました。
株式:現金比率、未来コンセプト別構成比が紹介されています。
【Performance(運用効果)】
これまでの運用成績がP.2に記載されています。
基準価額ベースでのパフォーマンスが確認できます。
年金基金が評価するようなシャープレシオやインフォメーションレシオ、アクティブ・リスクについてはイボットソン・アソシエイツ・ジャパンが運営している 投信まとなび で確認できます。
【その他】
コモンズレターの見どころはこれだけではありません。
コモンズ投信の社会を良くする活動SEEDcapでもコーナーが出来ました。(P.5)
記念すべき第一回目は今年、SEEDCapで応援することになったNPO法人マドレポニータです。
新たなNPOや社会起業家との出会いがコモンズレターから生まれるかもしれません。
マーケティング部でも1ページ持っています。(P.6)
お客様の声や顧客数の推移の他にマーケティング部からのメッセージも書かれています。
とにかく見どころ一杯になったコモンズレター。
投資家に知ってほしいという気持ちが伝わってくる内容に一新されました。
これまで月次報告書といえば鎌倉投信の結い2101がとび抜けた存在だと思っていましたが、こちらもかなりいいものが出来たと思います。
投信ブロガーが選ぶファンド・オブ・ザ・イヤーの月次報告書部門があれば間違いなくポイントを割り当てたいファンドです。(報告書のアワードというのもやってみたいですね。企画してみようかな。)
コモンズ30ファンドはコモンズ投信からの直販の他に以下の販売会社でも購入できます。












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