ファンド観測:結い2101(鎌倉投信) 2012.06 ― 2012年07月05日
鎌倉投信が運用する結い2101の月次レポート「結いだより」が公開されています。
今月のいい会社紹介は沖縄の総合小売業サンエーです。
アルバイト社員を含めた7000名から「ひらめきカード」で現場の声やアイデアを社長に集め、よいものは即実行するといった現場の人の活用や離島のハンデを逆に自社の強みに変える取り組みなどが紹介されています。地元沖縄にしっかり足をつけた経営をしているようですね。
そして今月開示された新規組入会社は2社でした。
1社は愛媛県にある野菜苗の生産日本一のベルグアース。
野菜の接木苗の生産に取り組んでいる会社で、地元に安定雇用の場を作り出したり、農業でも自立できるという事を実現するために取り組んでいるようです。
らでぃっしゅぼーやへの野菜苗の出荷もされている会社のようですので、そういった繋がりで見つけた会社なのかもしれませんね。
そして2社目は地域再生と林業再生に取り組むトビムシ。
第一回鎌倉投信受益者総会で竹本社長がパネルディスカッションで話されたので知っている方もいるかもしれません。
こちらは非上場会社ですが、グリーンシートにも公開されていない会社です。今回は株を買うのではなく、社債への投資となりました。(利率年4.0% 期間10年)
もともと、アミタHDへ投資するきっかけとなったのがアミタHD子会社だったトビムシの事業でした。昨年10月にアミタHDから独立する形になり、一旦結い2101の投資先から外れていましたが今回の社債投資で復活する形になります。
非上場会社の社債という事で流動性に難がありますが、FMの新井さんは鎌倉投信として本気で支える10年間になると言っています。組入比率が2%程ですので、万が一倒産しても基準価額へ与える影響は軽微になるよう分散投資されています。
また、社債の時価評価は市場で値付けがされないため、証券業協会が提供している利回りを使用して毎日計算されます。
鎌倉投信ではかねてからいい会社であれば上場、非上場に拘らず投資したいと言っていました。
昨年、非上場企業のアメニティに投資しましたがグリーンシート公開企業でした。
今回は社債とはいえ、グリーンシートにも公開していないトビムシへ投資したことにより、鎌倉投信が本来やりたかった投資の実現へまた一歩近づいたことになります。
個人で買えることのできる非上場企業へも投資するファンドはあまりないので、そういった意味でもこのスキームが誕生したことを評価したいと思います。
もちろん、非上場企業への投資は大きなリスクを伴いますが、結い2101の趣旨を理解して購入するような人であれば、鎌倉投信が目利きした非上場のいい会社に投資することに問題を感じないのではないかと思っています。(しっかりとリスク管理などがされているのが前提です)
今週金曜には飛騨高山の和井田製作所見学ツアーが予定されていますが、そのツアーの中でもトビムシの関連会社ワリバシカンパニーの見学が組み込まれています。
また、9月8日(土)〜9月9日(日)にはトビムシが手がけている岡山県西粟倉村の共有の森事業見学ツアーも予定されています。投資家の方にはぜひご自分の目で見て確認して欲しいなと思います。自分も昨年から4回遊びに行っていますがいいところですよ!
【概要】
過去1ヶ月 3.36%
過去1年 3.30%
過去2年 8.44%
純資産総額 17.54億円
組入銘柄数 37(前月比+1)
株式比率 61.9%
債券比率 2.2%
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