ひふみサロン 田村耕太郎氏(2012.07.25)2012年07月28日

7月25日(水)にレオス・キャピタルワークスで開催されたひふみサロンに行って来ました。
ゲストは田村耕太郎氏。
最近君ワクこと「君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?」という本を書かれています。
会場でも君ワクが販売されていたので買って、講演後にサインをいただいてきました。

とても熱い話で日本を海外から相対的に見るという視点については自分も大切にしたいと思っていましたが、その重要性が更にストンと落ちた感じです。

やみくもに海外に出るべき!というのではなく、しっかり準備をしてから行きましょうというのもいい点だと思いました。

会場に来ていた人が結構外向き思考の人でまさにこれから海外に出ようとしている直前の人も多く、具体的なアドバイスなどを質疑応答で求めていたのも印象的でした。

35歳の人に向かっても日本人は若く見られるからまだまだ遅くないし、海外では何ができるか?が重要なのでかえっていいかもしれないというのも新しい視点でした。

今の若い人は保守的と言われますが、大多数がそうだとしても、自分でしっかり考えて外向き思考な人はかえってこれまでの世代よりも多いくらいだと思います。この本を読んで熱い想いに共感する人が多いのもそういうのの現れなのかな?と思いました。

最後に、田村さんが感謝の気持ちを忘れずにと話されていたのも印象的でした。
田村さん自信、色々な方と出会って影響をうけて今の自分があるというのを噛み締めた上での言葉だと思うと深いです。大きな人というのは感謝の気持ちを前面に出しているのが共通点だと自分は感じているのですが、田村さんもそういう方だなと。

いただいたサインにも「感謝」という言葉を書かれていました。


初めにひふみ投信もファンドマネージャー藤野さんが挨拶。
ひふみ投信を知らない人?と聞いてみるとほとんどの人が挙手。
なぜ運用会社がこのようなセミナーをしているか?
 →運用会社は未来に投資をしているが、田村さんにお話していただく事は日本の未来に投資することにつながるから。

田村耕太郎氏

外向けの本は売れないというジンクスがあるので、最初は出版社も頭を抱えていたがおかげ様でたくさん本が売れている。今日ここに集まった方は外向きの人が多いと思うので、更に背中を押す話を。

アブダビに行った時、緑のスーツに黒のドットのネクタイに緑の靴でスイカをイメージした服装で行ったら仲良くなって1個2,000 円のスイカが3万円で売れた。
そのアブダビではF1グランプリ専用の島があって高級ホテルがつくられ、1隻100億円するようなクルーザーが100隻以上集まってF1を見ている。

モスクワではモデルのような女性が石鹸のような大きさのエメラルドの飾りをつけて高級クラブに集まったりする。1フロア貸切で1200万円するが、主催者はキャッシュで支払う。成金はお金があることをみせびらかしたくて仕方がない。

日本にもかつてバブルの時代があった。熱狂していて何かおかしい世界。
ただ人をつき動かす力は一度見ておいた方がいい。

日本人のパスポート保有率は23%。日本人の4人に3人はパスポートを持っていない。
イギリスは60%、カナダは70%。アメリカは日本と同じく20%程度だが、アメリカは国土が広いので国の中でも移動しない人が多い。アメリカに留学した際に日本人は若く見えるのでIDを提示するように言われてパスポートを出したら何かわからない人がいるくらい。それくらいアメリカは移動しない国。
ただし、アメリカは様々な移民で国内にいても世界がそこにある。

日本と世界の違いはなにか?→「自立・責任・決断」があるかないか?
日本では他のみんなにないので、そのような環境においては自分もない方が良い。
ただし、現在70億人vs1.2億人なのが2050年には100億人vs0.6億人に。
日本の人口は徐々に減少して2100年には4千万人になると見込まれている。これは明治初期と同じ。
ただし、明治初期は人口構成の ほとんどが30歳以下だったのに対して2100年は国民の半分が高齢者。

2050年には就労人口に対する高齢者の比率は1.3。1.3人で1人の高齢者を支える必要がある。
将来消費税だけで国家を運営するには63%にする必要があるという試算がある。
実際にはそこに行き着く前に破綻 すると思うが。
このまま日本にいたのでは徐々に負担だけが増していく。

シリコンバレーのGoogle本社では三食無料で美味しい食堂がある。
そうすると従業員は朝から夜まで会社にいるようになる。隣にはプールがあって運動もできるようになっている。敷地内には自動運転のGoogleカーが走っているが、いずれ運転という非生産的な行動は人間から機械に取って代わるだろう。

3Dプリンターというものがある。これにより様々なものがコピーされるようになる。

Facebookとボーイング社の時価総額はほぼ同じ8兆円だがFacebookはわずか3,400人。ボーイング社は17万人。FacebookのCIOはいかに人を雇わないかが自分の使命と話していた。

日本にしかいられないリスクとして世界中の同世代と競わないといけないリスクや首都圏直下型地震など。
これからは負担が増えていくので死ぬまで働かないといけなくなるだろう。

イノベーションが必要。
ではイノベーションとはなにか?
スティーブ・ジョブズ曰く Connecting dots. (点をつなぐこと)

iPhoneもそれぞれの技術は既存の 目新しいものではないが、集めることで革新的な製品になった。
今あるものを違う形につなげることがイノベーション。

世界の教育
Liberal Arts:
日本の高校生は偏差値で自分の進学する大学を決めている。
リベラルアーツではまず幅広い科目を全て高校生に学ばせる。そして、その中で自分の進む道を選んでいく。様々なことを学ぶ中で違ったものをつなげていく訓練を行う。
例えば心理学と経済学を組み合わせた行動経済学など。

Bording:
世界では全寮制の学校が多い。日本では学生運動のアジトになったためになくなってしまったが。
通学に往復2時間かけるとするとその分学習時間をロストしてしまう。
ルームメイトが世界中から集まっていると考えたビジネスモデルについて様々な国で通用するか検討することができる。多様性についても肌で感じることができるし、空気の読まない人に空気を断ち切って要求したりする経験もする。
Facebookもそうだが、新しいものは全寮制から生まれる。

Reverse Innovation:
新興国からイノベーションが生まれている 。
例えばインドのモバイルバンキング。電話線を引いていない田舎でも携帯電話が使えるために携帯を利用したサービスが発達した。他にはインドには様々な風土病があるため医療サービスも発達。医者の経験値が全く違う。
インドネシアはたくさんの島があるためスマート・グリッドが発達。
去年のガイドブックが古臭く感じるくらいに世界は大きく変化している。

アフリカにはるアンゴラの首都の家賃は東京都港区より高くて日本の外交官が住むところがなくて困っているなんて話も。日本語になっている情報はわずか2%。
例えば日本で大きな問題になっているTPPもアメリカでは知っている人は少ない。大した問題ではないため。

フェラーリの筆頭株主はアブダビ。
そのアブダビがF1開催用に2兆円かけて島を作った。
ヤスホテルという1泊30万円もする高級ホテルもある。F1を見に行った時、やたらと部屋が広くて電気を消したくてもどっかが灯いて部屋の電気が消せない。ベルボーイを呼んで消してもらおうとしたが、やっぱり消せないのでタオルを目に巻いて眠った。翌朝、食堂に行ったらみんな目を真っ赤にしていてやっぱり部屋の電気 を消せなかったようだ。
そんなバブルの熱狂を一度は経験すべき。世界はバブル。

シンガポールはわずか45年前まで寂れた漁村だった。
マレーシアに捨てられた国でリー・クアン・ユーが涙の演説で独立してから全く変わった。
高層ビルの屋上にプールがあったりバブル。
ぜひ見てきて欲しい。

上海やイスタンブール、モスクワなどもおなじようにバブル。
バブルではとにかく、現金をみせびらかして払いたくてたまらない人がいる。
恥ずかしいくらいに成金。でも、そんな世界を若者は経験して欲しい。

日本は成熟国家だから株価が下がってもいいのか?
ヨーロッパは成熟しているが株価は上がっている。海外に行くなら円高のうちに。
迷っているうちに円安になってしまう。チャンスはいつあるかわからないので、まず見に行く事。
10年前の地球の歩き方とどう違っているのか?

世界の同世代は肉食。
日本だけ草食とはいかない。

水道の水が飲める国は世界に10カ国くらいしかない。インドは国際水泳大会で選手が下痢になるくらい。

多様性に慣れること。
いじめも同一性から生まれている。
学習・自立・責任・決断をつける。
一回も日本を出ていないのに愛国心はうまれない。
世界から相対的に日本を見る。
日本は課題も多いが総合力で世界で第二位。

日本人は自国を悪くいうが相対的に見ると違う。
 日本人:政治がダメ。総理大臣がころころ変わる
 中国人:投票できるだけまし。指導者層の批判なんか絶対できない
 米国人:間違ったリーダーを選んだら4年間変えられない。激動に時代に4年は長い。
 韓国人:うちは5年
 シンガポール人:リー・クワン・ユーは建国から31年間。結果は良かったけど

 日本人:格差が広がっている
 インド人:日本にスラムってある?親が子供の臓器を売ったり本当の貧困層がどんなのか知ってる?

 日本人:新卒就職内定率が70%を切った
 韓国人:まだ70%も就職できるの?韓国は逆で40%しか就職できない
 中国人:中国は10%くらいなので世界中に働きに出る必要がある
 ブラジル・インド人:就職内定率ってなに?若年失業率なら30〜40%だけど

日本の歴史小説にはヒーローが登場するが世界の人が読んでいる歴史にはヒーローは登場しない。
その中から普遍性を求める。

感謝の気持ちを忘れないこと。
海外で成功してぜひ日本に帰ってきて欲しい。

最後に結論はBMB. (Buy My Book)
本を買って読んでみて欲しい。

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