世界におけるSRIの市場シェアは22%に2013年02月11日


このコラムによると世界におけるSRIのシェアは22%を占めるものの地域ごとに大きなばらつきがあるそうで内訳としては欧州49%、アフリカ35.2%、カナダ20.2%、豪州・ニュージーランド18%、米国11.2%、アジア(日本除く)2.9%で日本は0.2%に過ぎないそうです。

アフリカが意外に高いのに驚きましたが、これは南アフリカが年金基金に大してESG配慮を義務付けしたり、ヨハネスブルグ証券取引所は財務とESG情報を統合した報告書の提出を上場の要件とするなど国策としてSRIに取り組んでいるためだそうで、思わぬところで熱心な国があったんだなと思いました。

日本においてSRI投資の比率が低い要因に海外では主要な投資家である年金基金による取り組みがほとんどされていない事が指摘されていますが、そもそも日本のSRIはほとんどがポジティブスクリーニングによるもので結局大企業は割りと選ばれやすく、わざわざ追加の費用を出してまで選ぶ価値があるかどうか?というのもありそうです。

このコラムでも書かれていますが、例えば武器製造企業を除外するなど何らかの特徴をもたせたネガティブスクリーニングの運用手法をいくつか用意すれば選択しやすくはなると思います。(最大のシェアを持つ欧州においても武器関連を排除するものが全運用資金の半分を占めるそうです)

アメリカでも銃乱射事件が続く中で公的資金の運用に際して武器関連企業への投資を控えた方がいいか検討を始める動きが出ています。

SRIってTOPIXなどの市場平均を上回るパフォーマンスを出すための投資手法として研究されることが多い様に感じますが、そういう目的だと他にもバリュー、グロースやセクターへの投資など様々なものが既にあるわけです。それよりも、投資家側が市場との接し方について何らかの想いを持った時にそれを実現する投資手法だと思うんですよね。

そういう意味で日本でも部分的ネガティブスクリーニングを実現した(もしくは含めた)SRIファンドが登場すれば投資家側も投資しやすくなるのではないでしょうか?

一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門2013年02月11日

先日、コツコツ投資家がコツコツ集まる会のじゃんけん大会で竹川美奈子さんの『一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門』をいただきました。


せっかくいただいた本なので読んでみた感想を。

投資信託を始めてみようと考えるきっかけは色々あると思いますが、時間をかけて自分のお金をふやしたいというのがその理由だとしたらこの本はうってつけです。

投資信託って何?からどんな種類があるのか?何を見て選べばいいのか?までできるだけ簡単な言葉で書かれていますし、イラストもたくさんあります。なんならイラストをパラパラ見ているだけでもエッセンスは身に付けることができるくらいです。

資産の土台づくりはインデックスファンドでという事でオススメのインデックスファンドも紹介されていますし、スパイスとして組み合わせるアクティブファンドの選び方までしっかりサポートされています。大事な事は「長期」「分散」「低コスト」、そして買い方は現役世代であれば「ネット」で「積立」が簡単と紹介されていて基本は網羅されてます。

こだわり始めると色々な投資理論なども気になり始めるのですが、普通の人はそこまで投資にこだわりをもって取り組まない事が多いのではないでしょうか?とはいえ、英語などの語学学習にしてもダイエットにしても成果を出すにはある程度の基本的な知識や練習は必要です。

資産形成のために投資信託を使おうと思ったのであれば基本を学ぶ一冊として役に立ってくれるのではないでしょうか?

投資だけ頑張っても他がザルではお金はたまりませんので、そういう意味では同じく竹川美奈子さんの『あなたのお金を「見える化」しなさい!」という本も家計管理というもう少し大きな視点から考える事ができる一冊です。