パネルディスカッション『金融の先にあるもの』
妹尾:
maneoは2008年10月に開始
ようやく4000万円の黒字になった
慎:
アメリカやイギリスと比較して伸びないのはなぜ?
妹尾 :
日本はやっと事業者が揃ってきた段階
岩瀬:
アメリカも決して規模が大きい訳ではない
まだまだ事業として儲けられていない
妹尾:
残高ではアメリカでもまだ伸びる余地がある
アメリカでは借り換え需要が多い
慎:
既存の金融機関の代わりに使う人と違う人
妹尾:
銀行が手を出さない分野がkickstarter
岩瀬:
昔はもっと夢のあるものだったように感じる
妹尾:
maneoのブラックヒストリーを語ることになるが・・・
個人向けはディストレスに近い、デフォルトや延滞もある
貸し倒れコストで抜けるマージンが限りなく0に近い
審査5%くらい 事業の成長性が遅かった 時間との戦いでボリュームをどう作るか?
一旦パーソナルをやめて事業性へ移行
世界的に見て明るい未来から暗くなったのは世界的不況の影響
慎:
5%だと手作業の審査だとコスト割れ 自動化は?
妹尾:
スコアリングモデルで審査はほぼ自動化していた。
金利と金額はすぐでる
あとは書類審査
大量にさばけるが通る案件が少なかった
知名度がなくて1日数十件程度
体力的に耐えられなかった
慎:
一部の資金は寄付と投資のハイブリッドなどもあるが
功能:
ARUNは今6000万円ちょっと
全て個人のお金を出資 一つだけ法人
これで儲かると思うなと口を酸っぱくして言う
カンボジアは援助の対象でしかなかった
最近は土地を売るファンドなどがあるので勘違いされては困る
寄付してもいいと思って投資してほしい
仕組みについて応援の気持ちで
ただ、それだけでは回らない。事業とバランスを取りながらファンドのリターンだけでは回らない
規模をどう大きくするか?あとはスピード
慎:
投資に使えるお金と運営に使うお金があるが
功能:
ARUNは金融庁の免許はとっていない
そのため、二つのお金を一緒に管理している
社会的投資の仕組みを作り、会社の応援も兼ねている
実践を通してやっている仕組み作り
慎:
これから伸ばすための一番のボトルネックは何か?
出資者が足りない?投資先を探すこと?
功能:
世界的には投資先がないと言われている
ARUNは両方
妹尾:
ライフネットは広告についてどうしてる?
僕らはネット
での口コミと雑誌の取材くらい
岩瀬:
メディアミックスはすべてのメディアをやってる
妹尾:
テレビで取り上げられると一気にくるが
そのうちどれくらい本物の投資家になるか?
岩瀬:
今はテレビでもどれくらい効果があるか計算が出来るようになった
妹尾:
ネットで金融ベンチャーがみんなぶち当たる壁
ネットだけ対象に広告すればいいと思っていた
岩瀬さんも同じように考えていたのか?
ライフネット生命はブレークスルーを起こす最先端の姿ではないかと注目している
岩瀬:
ライフネット生命にソーシャルという要素が入っているか?
ソーシャルファイナンスみたいな繋がりではない
今はただの通販になってしまっている。アクションはSNSに流れていない
保険に入ってるや、保険金受け取ったなどはなかなか人に話しづらい
慎:
ある程度ソーシャルな要素がある
応援したいという動機があるのでは?
岩瀬:
アーリーアダプターはそうだったが、テレビCMをした頃から変わっている
マーケティング的に応援団がいると強いが、ある程度からはノットソーシャルが強い
心臓部ではソーシャルが必要だが、ソーシャルメディアの限界はどこか?
安いのは前提条件で信頼できる会社か?の判断材料としてソーシャルの後押しがあるかも
慎:
他のものならできるのか?
USだと家計簿の共有などがある
岩瀬:
ネット金融はどこまでいくのか?
ソーシャル系では
妹尾:
金融機関の機能の一部をネット化するのは進むだろう
預金もローコストオペレーション化などは可能かも
総合金融機関の一部機能をローコストでというのは長いスパンではトレンド
ただし、時間がかかるのは現実的な問題で、更に既存金融機関への安心感がある。
岩瀬:
知ってもらえば解決できるということでもなさそう
kickstarterの方が多いのはなぜ?寄付でお金は返ってこないのに。
慎:
コミュニティーの力を使うには寄付とかの方が相性がいい?
盛り上がりやすい
妹尾:
保険も投資もあんまり人にいいやすい商品ではない
岩瀬:
ピュアな金融はITとは親和性が高いがソーシャル性はあまりない?
妹尾:
共感をうむのは事業
ライフネットは保険料が安いから入る、maneoはリターンが高いからやるって人が多い
ソーシャルで伝播して爆発させるのは模索中
慎:
お金のやりとりはハッピーではない
他人に対して「貸そうぜ」はなかなか言えない。返ってこなかったらというのも考える。
妹尾:
田舎を活性化してほしいという案件がある
経済合理性はともかく面白かった。共感を得られやすいのかもしれない。
功能:
普通の人にとってお金の流れは見えないもの
消費するものは身近だが、他は遠い
それが社会とつながったり、未来につながったり
共感をインプットできるというのがインターネットによってソーシャルなお金の流れを後押ししている
慎:
世界の中に数%存在している
ニッチなところにお金が届くようになった
岩瀬:
100億円で新しい金融機関を作ってと言われたら何をする?
慎:
人がいないリテールバンキング
セブン銀行に近い
ただATMしかない銀行
儲かると思うが、やりたいとは思わない
やりたいのは下剋上ファンド
児童養護施設の子に投資してバイト代も買い取って、社会にでたら収入の一部をリターンとして配当
PE的奨学金
リーダーシップのある子供たちを支援
妹尾:
うちの競合はSNSのやりとりを審査するような仕組み
逃げ場のない世界は怖い
コミュニティファイナンス
バーチャルなソーシャルではリアルでも逃げ場が無くなる
松本大さんもfacebookがネット証券をやったらお終いと言っていた
質疑応答
質問:
インパクトを与えるサイズまで持って行くのとソーシャルな関心は両立するのか?
金額が少し大きくなるとリターンも求められるようになる
小さいとリターンが優先度は小さくなるが
功能:
ARUN
一口50万円
目指しているのは持続的に回すこと
取り組みを実験中
世界的にも資金の集め方が違う
寄付で集めて投資と再投資するパターン、年間2%くらいの配当、それ以上のリターンなど
日本でソーシャルなお金の集め方を太くしたい
仮説では寄付ではなく、ある程度返ってくるのが良いのではないか?
岩瀬:
一口50万円では厳しいのでは?
妹尾:
入口は小さくても比較的大口の資金が集まりやすい
一口50万円だとそれなりのリターンがないと集まりにくいのでは?
岩瀬:
小口投資家はどんな感じ?
妹尾:
一件数万円を何件かやって、徐々に増やしていくイメージ
慎:
どう課題を解決したいか?
LIPのChance Makerでは認知を広げる必要があると考えている
そのため、小口寄付を集めると寄付する段階で考えてもらえる
地元の名士が一億円寄付という旧来のやり方だと世間には問題は知られないまま
本来税金で対応するべきだろうと考えている
岩瀬:
認知と寄付は別でも良いのでは?
慎:
最近は大きなお金への取り組みについても考えている
功能:
人は飽きっぽい
そんなに簡単ではない
大きなインパクトを与える太いもの
政府系の仕事からというのは必要だが、移り気な私たちが何かできるとしたら個人が動き出すこと
コミットする個人をどう掘り出してくるか?試している段階
妹尾:
最初は小口でも返ってくると膨らましてくる
最初は小さく大きくできるやり方もあるのでは?
近況報告をまめに行ったりメールマガジンを送ったり
功能:
ライフネットとはプロダクトとステージの違いではないか?
慎:
最初はコアになる人が必要
質問:
日本で資金を集めてペルーで貸し出す案があるがどう考えるか?
慎:
日本で資金調達する必要がない
やるなら人口密度の高い国がよい?
質問:
SBIなどは1%のリテール債などで資金調達を行い、投資を行なっていると見られている
maneoがソーシャルファイナンスを行う原資をリテール向け債券で調達していない理由は?
1%の金利では目線が合わない
参入するマーケットを知らないといけない
例えば香港のメイドさん向けに日本で資金調達している事業者がいるが、新参者が入れるほど甘くない
消費者金融はむしろ海外から撤退している
自分たちでもやりたいと考えていない
質問
政府系金融にどんな期待をしているか?
???:
政府系のお金はソーシャルインベストに流れている
これまでとは違った形でお金を出せる?
寄付は出しやすいが、投資や融資は出しにくい
もう少し長い目(10年?)で考えた世界銀行などのように
規模がもてるだけのメリットは政府系金融にあるのでは?
慎:
お金にプラスアルファとして技術提供など
日本からお金だけでなく技術者が来るなんてどう?と言われている
面白い例として、中国で村を株式会社にしたところがあり、成功事例となっている
この案は東北でも一回検討はされた
岩瀬:
JICAはひたむきだが美味しいところを中国などに持って行かれている
戦略を考えてもう少し上手にしては?
慎:
これからのアイデアについて一言
岩瀬:
黎明期で政府や調達側がまだ考えられる?
功能:
目指しているのは日本が世界の人たちと一緒に生きていて交換できる
みんながハッピーに
日本から発信する形でソーシャルファイナンスを
これからも固めていく
妹尾:
金融は黒子であるべき
実業の中でファイナンスがつく
実業を作るとことから始めてみたい
慎:
投資とコミュニティをつなげる
好きな会社や店をコミュニティでつなげる
会社を応援するコミュニティからお金を集める
岩瀬:
サマリーにお金をのせるようなイメージ
慎:
好きなスピーチにこんなのがある
「ひとりのバカな男が裸で踊ると周りにいるみんなも踊る」というもの。
フォロワーが生まれると最初の一人はリーダーになり、徐々にみんなが少しずつ影響をもつようになる
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