鎌倉投信・第4回「結い2101」受益者総会レポート(4)フェリシモ 矢崎和彦氏2013年09月05日

8月31日(土)、鎌倉投信 第4回「結い2101」受益者総会が京都で開催されました。
レポート第四弾はフェリシモの矢崎社長の講演です。

ファッショナブルなイメージのあるフェリシモらしく、矢崎社長のプレゼン資料はデザインにも凝っていてお話しされた内容も心に響くパッション溢れる講演でした。「ともにしあわせになるしあわせ」という言葉はフェリシモのまさに中核であり、どんなしあわせを届けるの?という問いに人にしあわせを贈る時こそ最もしあわせを感じるという答えでもあります。

「ともにしあわせになるしあわせ」を念頭においてフェリシモが手がけた様々な活動をお聞きしていると、なるほどそういう事かと理解することができました。講演を聴き終わった後、もっとこの会社の事を知りたい!と思って矢崎社長の著書『ともにしあわせになるしあわせ』を企業展示ブースに買いに行ったのは言うまでもありません。

日時:2013年8月31日(土) 10:00〜16:50
場所:国立京都国際会館アネックスホール
〜そうだ、京都でやろう!〜
 伝統と革新が息吹く千年の古都で「投資」について考える

【講演】
ともにしあわせになるしあわせ
〜フェリシモで生まれた暮らしと世の中を変える仕事〜
 株式会社フェリシモ 代表取締役社長 矢崎 和彦氏


私達はあるアンケートをとりました。
あなたはしあわせですか?」と質問をしたところ、86%の人がYesと回答しました。

「地球に感情があったらしあわせだと思いますか?」という問いには90%の人がNoと回答しました。 

「地球環境の悪化が自分のしあわせに影響を与えると思いますか?」という問いには92%の人がYesと回答し、「地球環境の悪化が子供のしあわせに影響はありますか?」という問いには99%の人がYesと回答しました。

「日常生活の中で地球環境に悪影響を与えるようなことをしていませんか?」という問いに85%の人がYesと回答しました。

この結果からわかるように、多くの人は「環境に関心はある。でも、ごめんなさい」なんです。
個と全体が分離してしまっています。一人の行動でもこういう結果になりますが、現実的な社会では更に利害関係が絡んできます。

会社は存続することが大事なのではなく、あるべき未来をつくりだすためのものです。
同じ想いをもつ人々と行動していくこと、できることを少しずつすることが「しあわせ社会学」の確立と実践につながります。

しあわせってどんなものだろうと、しあわせの種類を決めました。例えば、戦争は勝つ人と負ける人がいます。このような俺が幸せになる幸せではありません。これがコアバリュー「ともにしあわせになるしあわせ」です。私たちが作り手でお客さまに買っていただくのではない関係を目指しています。

1965年に創業し、2006年に東証二部へ上場しました。
事業性だけでは会社が変な事になってしまいますので、楽しくの独創性、社会にマイナスをもたらさない社会性をプラスし、それぞれが交わるところを目指しています。将来的には全部が交わるようになりたいと考えています。

私たちの事業は通信販売ですが、「つなぐ」ことを意識していて誰かが作ったものを売るのではなくオリジナル商品がほとんどを占めています。

未来のあるべき理想に共感する人と一緒に取り組んでいこうとしています。顧客層は20~40代女性を中心とする世帯で30代後半が中心になります。通信販売のカタログですが、書店で販売しているものもあります。

売上の比率では衣料品が4分の3、生活雑貨が4分の1でフェアトレードやエコにも取り組んでいます。

日々、毎日の仕事の中にいろんな要素が詰まっています。それを少し変化させると劇的に変化することを経験してきました。いくつかの例を紹介します。

カタログなどの印刷物をたくさん作り、費用をかけてお客さまに届けますがそれに対するリターンはわずかなものです。書店には雑誌があって買っていただけるのにカタログはなんで無料なんだろう?と考えました。

フェリシモでは書店でもカタログの販売を行っていますが、これはあるお客さまからの声がきっかけでした。「私はanan、non-noよりもフェリシモのカタログのほうが楽しい」と言っていただきました。「雑誌は東京の偏った情報だけれども自分の生活にはなんの影響も与えてくれない。あなたがたのカタログは現実に生活が豊かになるし、ハガキに数字を書いて送ると情報が現実のものになるんです。」

今では書店の分野別売り上げ年間ランキング50冊に10冊は入るようになりました。

フェリシモでは商品を段ボールに入れて送っています。以前は普通の段ボールを使っていましたが、あるお客さまからフェリシモはプレゼントが届く感じがすると言われたのをきっかけにこれでは違うと思うようになりました。プレゼントという事で株式会社サンタクロースにしようとしましたが、これはみんなに反対されてしまい、かわりに箱を赤くしてみました。

好評だったので50周年にちなんで50種類の段ボールデザインを募集してみました。50種類も集まるかな?との心配を余所に約5,000通もの応募がありました。こうやってお客様に一緒に参画いただくのもフェリシモの特徴です。

人はものを買うために生きている訳ではありません。お客様は商品を買うだけの人ではないのです。

「良書復刊プロジェクト」
良書を紹介するコーナーで紹介したい良書『贅沢貧乏』が既に絶版になっており、扱えなかったことがありました。なんとか販売してもらえないかかけあったところ、1000部以上であれば再版するというこで紹介と同時に募集したところ23,000部の注文がありました。
その後、再版だけでなく翻訳などへも展開していきました。

「500色の色えんぴつ」
自分が子供のころ、24色の色えんぴつはタカラモノでした。そこで500色の色えんぴつを作りました。海外からも注文があり、商品の倍の送料をかけても注文してくれる方もいます。今では世界54カ国へ届けています。

「男女ペア下着」
もともと、綿に性別はありません。でも生産と売場は別になってしまっています。 一緒になっていないからできないものがあるという事でペアだからこそできるものを作りました。

「グラミン・フェリシモ」
フェアトレード商品はどんなに手が込んでいても欲しいものがありませんでした。そこで、デザインに少し力を入れて商品を作ってもらうととてもいいものが出来上がりました。バングラディシュのグラミンと協力して21世紀のバーバリーをという事で「グラミン・フェリシモ・チェック」と呼ばれる製品も作っています。

「毎月100円義援金」
環境のことはずっと昔にも騒がれていました。連日メディアを通じて公害について流れていましたが、自分たちはどうしたらいいのか?関わることができるのかわかりませんでした。

「フェリシモの森」
フェリシモの森では一人100円の寄付に400万人が参加し、インドの森では手入れを行いつづけて7年後に象の家族が森に帰ってきました。

「神戸学校」
道路やビルは修復できないけれども神戸の人の気持ちであれば修復ができるのではと神戸学校という取組をおこなっています。奇跡のりんごの木村さんを通じていろんな出会いが生まれました。


3.11の翌日、どんなことをしようか役員を召集したら会議室のホワイトボードは既に社員が書いたアイデアがぎっしりと埋め尽くされていました。

インドで綿花も栽培しています。貧しい農家は農薬を買うために借金して、借金を返すために働いています。

社員がやりたい仕事をするのは理想ですが、9人全員がピッチャーでは野球はできません。
そこで、社員がやりたい仕事をできるように週に半日水曜日の午前中は「部活」をしています。
仕事に関係するという条件で、自分がやりたい活動をこの時間はみんなで行います。
猫好きによる「猫部」やDIYに興味を持つ女子による「女子DIY部」など様々な活動がされ、取材をされたりもしています。

理念とお客様の求める価値が一致する会社になりたいと思います。
未来の志を重ね合わせて不可能を可能にした現実が色々あります。こういった構造をいかして中心軸にすえていきたいと思います。

過去の事例についてお話しましたが、大切なのは未来です。
未来をつくるのは「想い」なのです。

Passion Drivenという言葉で表現しています。