文化放送「いとうせいこう GREEN FESTA」で間伐材割り箸が紹介されました ― 2012年09月14日
清水社長:
東京にも住んでいたが実家の銭湯を継ぐために帰ってきた。その時薪を使うことに。
5年前に原油の値段が上がった時にホテルが安い値段の燃料について聞きに来た。
その後真面目に検討されてホテルに大型のボイラーが入って90%程はペレットに転換された。
竹本社長:
箸工場とペレット工場を併設しているのが画期的。
それぞれではなかなか難しい。物を作って端材で燃料を作ると採算が取れるようになる。
飛騨高山では木質ボイラーでペレットを大量に使う仕組みがあった。
そこに間伐材の利用としてワリバシ作りを一緒にやらせてもらえばいい生産体制ができるのではないか?
という事でワリバシのラインをお願いしたら、やってもらえた。
清水:
もともとワリバシはもっとこじんまりと考えていたが、大掛かりなことを提案されて悩んだがやることにした。もともと親戚も箸を作っていた。
自分が子供の頃は親が端材をもらってきて風呂の燃料に使っていた。30年の時を得て同じようなことをやっている。
竹本:
2交代で年間6千万膳の生産能力がある。日本全体での割り箸使用量は年間250億膳。
国内では(国産材)最大の製箸工場。間伐材をどう使うか意識をきちんともった工場である。
間伐材で工業製品を作るのはなかなか大変。安定供給されないため。
日本にも6千万膳作れる工場はあるが、間伐材ではなく輸入材などを利用している。
間伐材割り箸が多く使われるようになるとこの地域の間伐がかなり進むようになる。
立派に育った木を建築資材に使うのが林業の王道だが、それに向かない木を何に使うか?
清水:
節があっても節をよけて割箸に。
節が2つあったらペレットに。これまでの会社では箸に使える部分を箸に、残りはゴミになっていた。
ここの場合は箸に使えない部分はペレットに。オガコも利用する。ゴミはでない。100%利用する。
竹本:
節の多い間伐材が多い現状においては画期的な取り組み。
清水:
割り箸とペレットどちらか一方では(採算的に)難しい。
ワリバシにできるのは20%程度で単独では採算にのらない。
普通の間伐材(小径木)で箸を作ったのは日本で初めてだと思う。
伐り出されてきた間伐材。これまでは山に捨てられていたものも多いが、まず持ってくる。
製材所で板にする。厚さは16mm
これを積み上げて2週間くらいかけて天然乾燥。
そのあとバイオ乾燥。木で囲ってあるもので木の水を出す力を生かした乾燥機。
人間も入れるくらいの温度。自然に近い形でじっくり乾燥させる。4日くらい。
温度の割には早く乾燥させる。
続いて適度な長さに裁断。
24枚ついたギャングソーで切ると25膳の原型ができる
製箸機に入れると1秒に1本きれいな箸が出てくる。
1年に6000万膳の生産能力。
割り箸作りの行程で出たオガコは畜産業へ。
節の部分はペレットに回される。これが60~70%。
各工程で箸にする部分とそうでない部分を分けることで無駄がない。
板の段階で節が多い場合は最初からペレットにしてしまう。
オガコは飛騨牛の寝床に利用される。
牛にフカフカのオガコが喜ばれる。すぐ寝っ転がって寝る。
杉は一般的に柔らかいので使いにくいと言われているが、飛騨は寒いので丈夫という性質がある。
竹本:
トビムシも色んな地域で木を見るが、飛騨は目が詰んでいてワリバシにも向いている。
ワリバシを作る時によく、木がなくならないか?と心配されるが、今までは間伐をして運んでくるコストが合わないため、そのまま捨てられていた木が多かった。
日本で消費する割り箸が全て国産間伐材になっても、切り捨てられた木の1/4でしかない。
ワリバシのために改めて木を伐る必要はない。
森の手入れとして木を伐ったものをこれまではコストが見合わず捨てていた分の有効利用 ワリバシができる。
切り捨てられた木が使われる。
もったいないからという情緒論ではなく、ちゃんと山にお金が返ってくる
未来の山の投資に繋がる。短期的にも長期的にも森の循環に資する
清水:
灯油や重油も高くなっているので、ペレットストーブを見直す動きも。
全木ペレットがボイラー向け。ストーブ向けがホワイトペレット。
温風と輻射熱がある。家でも手軽に使える。ほとんど煙は出ない。
ペレットをどういう風に循環していくか?
地域で地産地消で自然エネルギーを使うことについて飛騨高山は現実解。
箸1本作る度に間伐が進む喜びを感じる
そういう意識を持って使って欲しい。森がよくなるきっかけに。
竹本:
箸袋にメッセージを発信する。
日本人が一番身近に使う木工製品がワリバシ。
お手元で伝えられる3分間が箸袋
マイ箸を使っていた人にもエコ膳を意識して使って欲しい
竹本:
もったいないものを使う精神もあるが、使えば使うほど日本の森が豊かになっていくのがワリバシ。
使い続けて欲しい。
都会の食のシーンも豊かに、国土も豊かになっていく都会の人も積極的に参加できる場。
清水:
安心安全。薬は一切使っていないし漂白剤も使っていない。杉の香りがするのがその証拠。
竹本:
間伐材割り箸の購入はワリバシカンパニーで検索を(→ワリバシカンパニーストア)
クローバー・アセットで浪花おふくろファンド担当者が一斉に退職 ― 2012年09月15日
→ファンドを継続するためには経費削減は必要です。そのため、東京にすべての活動を集約することになったからです。
お楽しみいただけましたら幸いです。
鎌倉投信セミプロ向けセミナーレポート (速報版)「運用会社としての鎌倉投信」 ― 2012年09月16日
セミプロ向けセミナーを開催する理由
一般の方向けに専門用語を使って説明しても理解してもらえない。
自分たちの商品性をいかにわかりやすく説明するか?という事に注力してきた。
2年半やってきて専門用語を使っても理解してもらえる人がいるのではないか?という感覚になり、テストケースとしての開催となる。
これから、トライ&エラーを繰り返しながら初心者以外でもっと詳細に知りたい人を対象とした情報開示について検討していきたい。
鎌倉投信の社屋はなぜ古民家か?
日本の社会問題を解決する会社に投資するという哲学をうたう以上、自らも当事者になる必要があると考えた。その回答がこの古民家。
古民家再生からスタートして、裏山の間伐などの管理のほか、畑をやったり規模は小さいが自分たちも当事者としてやることが大切。
東日本大震災の時、皆さん心配して電話をいただいたが社員ではなく古民家は大丈夫ですか?という声だった(笑)古民家は免震構造になっていて土台の上に乗っかっているだけ。ひどい揺れの時は土台から落ちるだけですむ。倒壊するということはない。
また、万が一の場合でもバックアップサイトを横浜に用意している。(こちらはちゃんとしたビル。古民家ではありません。)
日本株に対する仮説
『社会的問題を解決しない限り、日本株の長期的な上昇はない』
問いかけ:日本株にベータは存在するのか?
1989年から長く株価は停滞しておりモダンポートフォリオ理論で日本市場は説明できないというのが学者の意見。
(余談)
新井さんは病気で前職を辞めた際、日本株におけるモダンポートフォリオ理論で説明できないことに対する自分なりの解を証明付ける研究をしようとしたそうです。しかし、自分は運用者であり当事者であるという事に気づき、運用者として現場に復帰することになりました。
日本株はリスクの割にリターンが期待できない低成長市場ではないのか?
日本の製造業の特徴として時価総額の大きな会社群は世界シェアが少なく、時価総額の小さな企業群に世界シェアが高い企業が存在する。グローバルニッチなマーケットにおいてトップシェアをとる小さな会社が多い。
ここに日本株が長期的に上昇できず割安に放置されている原因があるのではないか?
低成長市場(国)への投資手法
□ ニッチなイノベーション
□ 物・サービス飽和時代のビジネス→共感型ビジネス
□ 社会的問題解決型ビジネス
□ 集中投資
市場に対する仮設
『市場は基本的に効率的である。ただし、例外的に小さなアノマリーは存在する。しかし、アノマリーも安定的ではない。』
アノマリーは常に存在するが、常に変化している。企業が時代の流れについていけないと衰退していくのと同様に投資手法についても時代に合わせて変化させる必要がある。
市場のアノマリー例
・前日の海外市場と同じ動きをする
・市場は情報に過剰反応する
・主な市場参加者は市場ごとに異なる(東証一部:機関投資家 新興市場:個人投資家)
インデックス・アクティブ運用について
『対インデックスでアクティブマネージャーの負ける可能性は高い』
(が、ゼロではない)
鎌倉投信ではインデックスについていかない方法論を考えた。
・TOPIX以外に投資する
・タイミングを分散する
・キャッシュを一つの資産として保有する
個人投資家の特徴と鎌倉投信のアプローチ
□ 過去の失敗体験に引きずられる → 低いボラティリティ
□ 下方リスクへの低い許容度 → 安定的なリターン
□ 知識レベルに大きなばらつき → シンプルな商品(ロングオンリー)
□ 市場が下がった時に売却する習性 → 投資先を応援する仕組みづくり
補足)
市場が下がった時に売却する習性に対する対策としていい会社の社長の話などを紹介することで、株価が下がった時でもいい会社だから持ち続けて応援しよう、もしくは今こそ応援しようというモチベーションにしてしまおうという仕組みがユニークだと思いました。
甘い(きれいな)言葉とも一部で言われる言葉で話しているのは投資初心者にもわかりやすい言葉で説明しようとした結果であり、その裏にはしっかりとした哲学が隠されていました。
エモーショナルな説明とも言われますが、これはアップルが新製品発表でスペックを自慢げに発表するのではなく、これを買うとライフスタイルがこんな風に変わるんだ!という形でプレゼンしていたアプローチに近いのかなと自分は感じています。
アート :企業調査、情報開示
サイエンス:投資(組入)判断、運用
意識的にこのようにしているように見えます。
運用者の特性
・ファンドマネージャーのサラリーマン化
→ インデックスの呪縛からの解放、新規上場銘柄や直近業績の悪い銘柄をあえて保有
・ファンドマネージャーとアロケーションマネージャーの分断
→ キャッシュマネージ
・ファンドマネージャーとポートフォリオマネージャーの統合
→ 銘柄選択(FM)とリスク管理(PM)のバランス
・第三者機関への依存(BARRA、SRI)
→ FMが直接訪問することによる主体的な調査体制
補足)
銘柄選択をするファンドマネージャーは常に買いたい株があり、アロケーションマネージャーはリスクを抑えるために向いている方向が違う。最近ではファンドマネージャーがリスク管理をするポートフォリオマネージャーを兼任にする傾向があるが、そうするとリスク管理が疎かになる。
さわかみ投信がアセットアロケーションをしっかりやるといいながらもなかなかうまくいかないのはこのあたりに問題があるのではないか?と自分は感じました。
鎌倉投信の目指す運用
『企業業績に長期的に追随したパフォーマンスを残す』
どうしたらよいか?
・インデックスの説明力を下げる(投資先市場、業績、本社所在地などの分散)
・リスクを抑える努力をし続ける
補足)
ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハザウェイの価値を投資先企業の純資産価値で表現していますが、鎌倉投信の場合も投資先企業の純資産に自己資本比率をかけたものに配当再投資分を調整したもので企業業績の指数を独自算出しています。
そちらは設定来でほぼ右肩上がりに+12%程度の成長をしており、長期的には株価が企業価値に収斂していくという仮説にたつと、結い2101の基準価額もそちらに近づくと考えられます。
インデックスを横目に見ながら運用するのではなく、本当の意味でのベンチマークは投資先企業の企業価値を指数化したものという事がわかりました。新井さんもそこと比較して基準価額が低いのは自分の運用の至らなさのせいで申し訳ないが、できるだけ近づけるように努力していると話していました。
キャッシュについて
キャッシュは一資産として扱うもの
どのように比率を決めるか?
→取っている流動性リスクへの対応(解約対応など)
→リスクを上限(10%)以下に抑える
→ショートフォールリスクへの対応
キャッシュ40%だと株が30%下がった場合に感応度が50%程度
結い2101の運用について
・投資先の企業を等配分で保有
・等配分からはみ出た分を機械的に売買ではなく、売却時に利益が出るような価格で購入するような
モデルがある。クオンツ運用。(このモデルが肝)
・運用モデルは新井さん以外でもメンテナンスができるようにしている。
・300億円までは現在のモデルで対応可能
・取るリスクと取らないリスクをはっきりさせること
取るリスク 株式の本源的価値、投資先の企業規模の小ささ、流動性
取らないリスク 市場予測、株価予測、銘柄や業種ウェイト、投資タイミング、積極的TAA
直販のメリットを生かす
・入出金を把握できるため、それを前提にリバランスできる
・流動性リスクを取る
運用と経営
『運用と経営は分離すべき』
自身も役員ではあるが、経営にはあまり関与しない。
経営を意識してしまうと運用が曲がってしまうことがある。
そういう意味で運用者として鎌田社長からは独立している意識を持っている。
運用会社は上場しない方がいい。
補足)
経営と運用が独立しているというのは大事だと思います。経営サイドはこういった金融ベンチャーで大変だと思いますが、あくまでも運用サイドは自らの投資哲学を愚直に続けるのが仕事です。こういった言葉をはっきり聞けたのは良かったです。鎌田さんは大変だと思いますが・・・。
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