鎌倉投信・第4回「結い2101」受益者総会レポート(2)運用報告2013年09月03日

8月31日(土)、鎌倉投信 第4回「結い2101」受益者総会が京都で開催されました。

日時:2013年8月31日(土) 10:00〜16:50
場所:国立京都国際会館アネックスホール
〜そうだ、京都でやろう!〜
 伝統と革新が息吹く千年の古都で「投資」について考える

レポートの第二弾は運用部長の新井さんによる運用報告です。受益者の方はこれから全国各地で運用報告会が開催されますのでそちらで詳細を確認いただければと思います。

これまでは基本的に変化がないことを確認してくださいという内容でしたが、今回はさすがにアベノミクス相場を受けて変化がありました。ただ、その変化の理由を丁寧に説明していてなぜ結い2101はあまり値上がりしないのか?といった事も皆さん理解したのではないでしょうか?

新井さんが受益者を愛をこめて「変態」と呼んでいましたが、あの雰囲気は他の投資セミナーなんかではありえないものだと思います。今回、関西で開催したことでこれまで鎌倉まではなかなか行けなかった西日本の方もあの独特の雰囲気を楽しめたのではないでしょうか?

関東組が京都まで乗り込んだように、きっと来年の受益者総会には西日本から多くの方がお見えになられることでしょう。

運用報告の中でこれまで未公開となっていた1社が公開されました。
総会参加者には第四期運用報告書が配布されていましたので、他の受益者の方も運用報告書で確認ができると思います。

【運用報告】
結い2101は今年、R&Iファンド大賞を受賞しました。しかし、本当にギリギリのところでトップになっていました。数ヶ月違うだけで結果は異なる水物のようなものですので、毎年この様な結果は期待しないで下さい。

この結果は震災があって株価が大きく下がって投資したい時に皆さんからの解約がなく、入金に支えられて投資する事が出来たからだと思います。

いつ投資するのか?「今でしょ!」じゃありません。


日本一のお客様に支えられているので、投資したくなるかどうかで判断しています。
色んな社長と話をして、より強く思いを持って運用をしています。

結い2101の純資産総額は決算時点で47億円。  足元では51億円になっています。
受益者数は5800人と一年前と比較して約倍になっています。今日の受益者総会の申し込みが600人ですので、約1割の方がいらしている事になります。鎌倉じゃなくて京都まで。
皆さんを愛をこめて変態と呼んでいますが、このような方達が普通になれば日本は変わると思います。

組み入れ銘柄は現時点で43社あります。
サクセスHDは民間の保育事業を展開していますが、内装やおもちゃにトビムシの関連会社である西粟倉・森の学校から間伐材の製品を買っています。待機児童問題で保育園が増えれば増えるほど森が豊かになっていきます。

ここからはグラフが続きますが、変化があるのは何らかが変わったからです。細かい点は気にしなくて良いですが、変わった点を中心にお話します。

結い2101は現金が多いです(2013年7月現在38%)。株価は上がったのに株式の比率が下がったのは何故なのか?答えは簡単で株価が上がるほど売ってきたからです。市場の変動が激しくなり、上がっている所で売却をし、最近の株価が下がっている局面では逆に買うようにしています。

全売却は一社だけ、ウェザーニューズは過去に過労死に関する問題を起こしました。起きてしまった事について問題視しているのではなく、鎌倉投信で大切にしている対話を先方が断ってお金だけの関係にということになったので、それは出来ませんと全売却を行いました。

下落リスク管理を徹底して行っています。組み入れ先の企業持分考慮後純資産をベースに算出した価格に震災の時にタッチしています。何か起きた際にはこの水準まで下がることがありえると考えています。

市場リスク分散を徹底して東証一部を半分以下にしようとしていましたが、東証と大証が合併したことで東証の比率が増えてしまいました。そこで、大型株、中型株、小型株の比率でも分散具合がわかるようにしています。その他にも組入れ先の会社さんの中には亀田製菓さんのように大きくなって東証一部へ指定替えする会社もありますので、小さい会社もどんどん組み入れる必要があります。

昨年と比較して時価総額が大きな会社が増えていますがこれは投資先の会社の株価が上昇したことによって時価総額が増えたという要因もあります。

日本は社会的課題を解決しないと長期的に株価上昇はないというのが鎌倉投信の想定であり、毎年信託報酬控除後で4%成長のラインを目指しています。今のように実態を伴わない期待による株価上昇は期待が剥げると下がってしまいます。企業業績を見てみると年率5%のラインを越えて上がっていますが、これが実態です。

今期、初めて分配金を500円出しましたが、以前からお話しているように分配金再投資型の結い2101においては分配金はほとんど意味がありません。株式に投資して配当金を受け取った場合、個人が個別に購入していた場合は配当金に課税されるのにファンドにくるむことによって課税はされません。税金逃れを避けるために今期は分配金を出しましたが、利益の繰り延べは4年間までというのが金融界の常識です。

いい会社紹介として池内タオルさんを紹介します。

カンブリア宮殿でも紹介された今治でタオルを作っている会社です。環境へこだわりぬいていて、社長も初代プリウスに乗り続けています。最近新しいハイブリッドカーを購入されたので買い換えたのですか?とお聞きしたら初代プリウスは走っていると止まってしまうリスクがあるのでお客様を乗せるわけにはいかないとお客様用に購入されたそうで、初代プリウスは個人的に乗っています。また、ペットボトル飲料も年間5本しか飲まないようにされています。

池内タオルは10年前に取引先の問屋の倒産による連鎖倒産となりましたが、鎌倉投信が社債を引き受けることで過去の負債を消すことができました。カンブリア宮殿で紹介されるような会社であっても一回倒産していると銀行は融資をしてくれないのです。

鎌倉投信の新しい取り組みとしてソーシャルインパクトの計測を始めました。
ワールドインアジア理事の加藤徹生氏にラオスでツムラが行っている事業を視察していただき、外部の方の目で見た評価を聞いています。ラオツムラについて加藤氏から「NGOでは簡単に出来ない規模で地雷除去や現地での雇用を生んでいる」とのコメントをいただいています。

また、ソーシャルインパクト・リサーチの熊沢氏とソーシャルインパクトレポートの試作に取り組んでいます。今日は鎌倉投信の企業展示ブースにエフピコとアニコムのソーシャルインパクトレポートのサンプルを置いています。

いろんな方にご協力していただいている段階ですので、今回はサンプルとして紹介させていただきます。

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