鎌倉投信・第4回「結い2101」受益者総会レポート(3)亀田製菓 田中通泰氏2013年09月04日

8月31日(土)、鎌倉投信 第4回「結い2101」受益者総会が京都で開催されました。
レポート第三弾は亀田製菓の田中社長の講演です。

とても実直な社長で自分のところの会社はまだいい会社ではないと話されていましたが、きっとそれは要求するレベルが高いからこそ出てくる言葉なんだろうなと思います。

米菓メーカーという事で手堅い業績で地味な印象を持っていましたが、世界に打って出て米菓を世界に広げていこうというとんでもない野望を秘められていました。きっとコツコツと実直に海外展開をされていくのだと思いますが、亀田製菓が世界のKAMEDAに育っていく過程を見守りたいと思います。

日時:2013年8月31日(土) 10:00〜16:50
場所:国立京都国際会館アネックスホール
〜そうだ、京都でやろう!〜
 伝統と革新が息吹く千年の古都で「投資」について考える

【講演】
新潟発、米菓の心を世界へ
〜真面目で粘り強い社員という新潟企業の強みを活かして、米菓を世界へ広げる〜
 亀田製菓株式会社 代表取締役社長 田中 通泰氏


受益者総会でお話をと言われて何度かお断りをしていたのですが、何をしゃべってもいいと言われましたので参加する事にしました。

鎌倉投信はいい会社への投資を標榜していて、そんなすばらしい投信会社に投資されていることは嬉しいです。しかし、我々は少しでもいい会社になりたいともがいているところなのです。

亀田製菓売上は890億円、営業利益は50億円です。売上の85%くらいはあられ、お煎餅などの米菓、残りの15%が米や植物性乳酸菌関係となっています。将来的には米菓の比率を下げたいと考えています。

亀田製菓は1957年設立で連結での従業員3100名のうち2100名が新潟での勤務者になります。
1946年に新潟県亀田町で男にはどぶろくという楽しみがあるけれども、女、子供には楽しみが無いという事で水飴つくりを始めました。しかし、なかなか水飴は売れず余ったお米を煎餅にしたところから始まっています。

社是は「製菓展道立己」
お菓子づくりを通して会社も人間も成長していこうという内容です。
しかし、こういった社是も従業員に浸透させるのは難しいことで、経営者、従業員の理解度が経営の質に影響してくるだろうと考えています。管理職は150人以上おり、口やかましく話しているものの実践に結びついておらず、現場でもすぐ忘れてしまうのが現実です。

そこで、「おかしのことでケンカしよう」という亀田スピリッツを三年前に制定し、安心、安全でおいしいお菓子をつくるために妥協してはいけない、みんなで真剣に取り組むようにしました。月に何度かみんなで集まってお菓子の食べ比べや会合を行っています。これはうまくいっていたのですが、最近ではマンネリ化も見られ、企業理念の実践は悩みどころでもあります。

亀田グループの一番を紹介します。日本の米菓全体で2500億円のマーケットのうち、30%ほどの約760億円を亀田製菓が占めています。また、日本全国のスーパーなどの米菓売り場ではほぼどこでも亀田製菓の米菓が置いています。

ライスクラッカーのシェアも世界一でアメリカにおいては半分のシェアを占めています。腎臓病患者向けの低タンパク質米ではタンパク質を35分の1にできるのは当社だけの技術で 40%のシェアがあります。他にも長期保存食の分野で尾西食品をM&Aしました。5年間保存できるご飯が特徴で、こちらも50%のシェアがあります。

地域への貢献という点でお話すると4工場すべてが新潟にあり、2200人の従業員が働いています。新潟は東京の裏側に位置していて、全国の中心に位置している地形的な利点もあります。地元での米つくりにもこだわり、生産者農家とのつながりも大切にしています。また、アルビレックス新潟には創業から後援をしていて、あまりお金は出せない代わりに口も出さないという事でやってきています。米菓メーカーの70%は新潟に会社があります。

全国のお米の生産量は約800万tでうち新潟県は60万tを生産しています。米菓用としてのお米は20万tが使用されていますが、亀田製菓ではその約5%にあたる4万tを使っています。

新潟県人の特徴として気候条件が厳しいので黙々と仕事をする反面、冒険より安定志向にあり、過去の成功体験に固執するところがあるのではないかと思います。また、新潟県人は食べるのに困らないのでそこは人の良さにつながっていると思います。日本海側の県は世帯収入が多い傾向があるのですが、新潟県もその例に漏れず世帯収入は950万円(全国4位)です。これは 三世代同居のため複数の収入があることが理由です。

今後の経営環境についてお話します。国内市場の人口減少と高齢化が問題になります。高齢化は有利ではという意見もありますが、高齢化が進むと若いときほど食べていただけないためマイナス要因となります。そこで、世界的な健康志向 オーガニックやグルテンフリーに進出することで貿易自由化による米の流通拡大にのっかりたいと考えています。お米は低アレルギーでヘルシー、美味しいというのが世界的にも注目されていてビジネスチャンスがあると考えています。

亀田では世界の最適地で生産、販売を行っており、グローバルフードカンパニーを目指しています。世界の米菓市場でリーディングカンパニーとなり、世界中で和を代表する信頼のブランドに育てていこうと、この目標を絶対に実現するという強い意志を持っています。アメリカやオーストラリアでは既に亀田と中国の2,3社がシェアを獲得しています。いずれナビスコなどグローバルの大手企業も参入してくるだろうが負けないように企業体質も大きく変える必要があります。

まじめで黙々と働きながらもチャレンジをすること。農耕民族から狩猟民族へ変わります。

アメリカのグローバル食品企業は地方都市にあることが多いのですが、その中でも尊敬している会社を二社紹介します。

m&m'sやスニッカーズを生産している米国の食品メーカー「マース」は非上場なので多くは知られていませんが本社は田舎の中学校を改装したもので、フロアのどまんなかに社長がいるそうです。また、駐車場が先着順になっており社長といえども遅れて来ると遠くに駐車する事になります。こういった社風に興味をもちました。

米国のチョコレートメーカー「ハーシー」は1894年創業のチョコレート専業メーカーです。
20世紀前半にチョコレートに特化して成功しましたが、その利益をペンシルバニア州の街づくりに使いました。
1918年には学校を管理するファンドに自社の株式を寄付しましたが、2000年にそのファンドは資産が偏っているということでハーシーの株を売却しようとしました。結局反対の意見も出て売却されていないのですが、以後ハーシー社は積極的な行動をとるようになりました。


亀田は配当性向が低いとアナリストから言われていますが、利益の源泉は老朽化した生産設備をだましだまし使っていたり、新潟にしては高いレベルでも全国的に見るとまだ低い給与などから来ています。

つつましやかさで経営をしていますが、これからは成長戦略にかけていこうとしています。アナリストに理解はしてもらえていませんが。

成長がなければ当社の未来はありません。亀田流グローカル思考で成長を目指します。

創業精神と新潟企業の強みを生かしながら世界市場を見据えて戦略を練り現地の食文化をふまえて行動していきます。

鎌倉投信・第4回「結い2101」受益者総会レポート(4)フェリシモ 矢崎和彦氏2013年09月05日

8月31日(土)、鎌倉投信 第4回「結い2101」受益者総会が京都で開催されました。
レポート第四弾はフェリシモの矢崎社長の講演です。

ファッショナブルなイメージのあるフェリシモらしく、矢崎社長のプレゼン資料はデザインにも凝っていてお話しされた内容も心に響くパッション溢れる講演でした。「ともにしあわせになるしあわせ」という言葉はフェリシモのまさに中核であり、どんなしあわせを届けるの?という問いに人にしあわせを贈る時こそ最もしあわせを感じるという答えでもあります。

「ともにしあわせになるしあわせ」を念頭においてフェリシモが手がけた様々な活動をお聞きしていると、なるほどそういう事かと理解することができました。講演を聴き終わった後、もっとこの会社の事を知りたい!と思って矢崎社長の著書『ともにしあわせになるしあわせ』を企業展示ブースに買いに行ったのは言うまでもありません。

日時:2013年8月31日(土) 10:00〜16:50
場所:国立京都国際会館アネックスホール
〜そうだ、京都でやろう!〜
 伝統と革新が息吹く千年の古都で「投資」について考える

【講演】
ともにしあわせになるしあわせ
〜フェリシモで生まれた暮らしと世の中を変える仕事〜
 株式会社フェリシモ 代表取締役社長 矢崎 和彦氏


私達はあるアンケートをとりました。
あなたはしあわせですか?」と質問をしたところ、86%の人がYesと回答しました。

「地球に感情があったらしあわせだと思いますか?」という問いには90%の人がNoと回答しました。 

「地球環境の悪化が自分のしあわせに影響を与えると思いますか?」という問いには92%の人がYesと回答し、「地球環境の悪化が子供のしあわせに影響はありますか?」という問いには99%の人がYesと回答しました。

「日常生活の中で地球環境に悪影響を与えるようなことをしていませんか?」という問いに85%の人がYesと回答しました。

この結果からわかるように、多くの人は「環境に関心はある。でも、ごめんなさい」なんです。
個と全体が分離してしまっています。一人の行動でもこういう結果になりますが、現実的な社会では更に利害関係が絡んできます。

会社は存続することが大事なのではなく、あるべき未来をつくりだすためのものです。
同じ想いをもつ人々と行動していくこと、できることを少しずつすることが「しあわせ社会学」の確立と実践につながります。

しあわせってどんなものだろうと、しあわせの種類を決めました。例えば、戦争は勝つ人と負ける人がいます。このような俺が幸せになる幸せではありません。これがコアバリュー「ともにしあわせになるしあわせ」です。私たちが作り手でお客さまに買っていただくのではない関係を目指しています。

1965年に創業し、2006年に東証二部へ上場しました。
事業性だけでは会社が変な事になってしまいますので、楽しくの独創性、社会にマイナスをもたらさない社会性をプラスし、それぞれが交わるところを目指しています。将来的には全部が交わるようになりたいと考えています。

私たちの事業は通信販売ですが、「つなぐ」ことを意識していて誰かが作ったものを売るのではなくオリジナル商品がほとんどを占めています。

未来のあるべき理想に共感する人と一緒に取り組んでいこうとしています。顧客層は20~40代女性を中心とする世帯で30代後半が中心になります。通信販売のカタログですが、書店で販売しているものもあります。

売上の比率では衣料品が4分の3、生活雑貨が4分の1でフェアトレードやエコにも取り組んでいます。

日々、毎日の仕事の中にいろんな要素が詰まっています。それを少し変化させると劇的に変化することを経験してきました。いくつかの例を紹介します。

カタログなどの印刷物をたくさん作り、費用をかけてお客さまに届けますがそれに対するリターンはわずかなものです。書店には雑誌があって買っていただけるのにカタログはなんで無料なんだろう?と考えました。

フェリシモでは書店でもカタログの販売を行っていますが、これはあるお客さまからの声がきっかけでした。「私はanan、non-noよりもフェリシモのカタログのほうが楽しい」と言っていただきました。「雑誌は東京の偏った情報だけれども自分の生活にはなんの影響も与えてくれない。あなたがたのカタログは現実に生活が豊かになるし、ハガキに数字を書いて送ると情報が現実のものになるんです。」

今では書店の分野別売り上げ年間ランキング50冊に10冊は入るようになりました。

フェリシモでは商品を段ボールに入れて送っています。以前は普通の段ボールを使っていましたが、あるお客さまからフェリシモはプレゼントが届く感じがすると言われたのをきっかけにこれでは違うと思うようになりました。プレゼントという事で株式会社サンタクロースにしようとしましたが、これはみんなに反対されてしまい、かわりに箱を赤くしてみました。

好評だったので50周年にちなんで50種類の段ボールデザインを募集してみました。50種類も集まるかな?との心配を余所に約5,000通もの応募がありました。こうやってお客様に一緒に参画いただくのもフェリシモの特徴です。

人はものを買うために生きている訳ではありません。お客様は商品を買うだけの人ではないのです。

「良書復刊プロジェクト」
良書を紹介するコーナーで紹介したい良書『贅沢貧乏』が既に絶版になっており、扱えなかったことがありました。なんとか販売してもらえないかかけあったところ、1000部以上であれば再版するというこで紹介と同時に募集したところ23,000部の注文がありました。
その後、再版だけでなく翻訳などへも展開していきました。

「500色の色えんぴつ」
自分が子供のころ、24色の色えんぴつはタカラモノでした。そこで500色の色えんぴつを作りました。海外からも注文があり、商品の倍の送料をかけても注文してくれる方もいます。今では世界54カ国へ届けています。

「男女ペア下着」
もともと、綿に性別はありません。でも生産と売場は別になってしまっています。 一緒になっていないからできないものがあるという事でペアだからこそできるものを作りました。

「グラミン・フェリシモ」
フェアトレード商品はどんなに手が込んでいても欲しいものがありませんでした。そこで、デザインに少し力を入れて商品を作ってもらうととてもいいものが出来上がりました。バングラディシュのグラミンと協力して21世紀のバーバリーをという事で「グラミン・フェリシモ・チェック」と呼ばれる製品も作っています。

「毎月100円義援金」
環境のことはずっと昔にも騒がれていました。連日メディアを通じて公害について流れていましたが、自分たちはどうしたらいいのか?関わることができるのかわかりませんでした。

「フェリシモの森」
フェリシモの森では一人100円の寄付に400万人が参加し、インドの森では手入れを行いつづけて7年後に象の家族が森に帰ってきました。

「神戸学校」
道路やビルは修復できないけれども神戸の人の気持ちであれば修復ができるのではと神戸学校という取組をおこなっています。奇跡のりんごの木村さんを通じていろんな出会いが生まれました。


3.11の翌日、どんなことをしようか役員を召集したら会議室のホワイトボードは既に社員が書いたアイデアがぎっしりと埋め尽くされていました。

インドで綿花も栽培しています。貧しい農家は農薬を買うために借金して、借金を返すために働いています。

社員がやりたい仕事をするのは理想ですが、9人全員がピッチャーでは野球はできません。
そこで、社員がやりたい仕事をできるように週に半日水曜日の午前中は「部活」をしています。
仕事に関係するという条件で、自分がやりたい活動をこの時間はみんなで行います。
猫好きによる「猫部」やDIYに興味を持つ女子による「女子DIY部」など様々な活動がされ、取材をされたりもしています。

理念とお客様の求める価値が一致する会社になりたいと思います。
未来の志を重ね合わせて不可能を可能にした現実が色々あります。こういった構造をいかして中心軸にすえていきたいと思います。

過去の事例についてお話しましたが、大切なのは未来です。
未来をつくるのは「想い」なのです。

Passion Drivenという言葉で表現しています。

鎌倉投信・第4回「結い2101」受益者総会レポート(5)パネルディスカッション午前の部2013年09月06日

8月31日(土)、鎌倉投信 第4回「結い2101」受益者総会が京都で開催されました。
レポート第五弾は午前の部のパネルディスカッションです。

予め用意された講演ではなく、出たとこ勝負のパネルディスカッションは毎回受益者総会の華と言えるコンテンツです。今回も鎌田社長がモデレーターとなってリラックスした雰囲気でパネルディスカッションは進行しました。

新井さんが企業に訪問して面談する時に最初に自分から30分くらい鎌倉投信の理念を念仏のように話すと相手の反応でいい会社かどうかフィルター出来るというのは面白いですね。

亀田製菓とフェリシモ、地味な会社とオシャレな会社というイメージがありますが社長のお話を聞くとどちらも小さな事からコツコツと取り組まれているんですよね。社員が力を発揮出来るような環境を整えて伸び伸びと働いてもらっている印象を受けました。


日時:2013年8月31日(土) 10:00〜16:50
場所:国立京都国際会館アネックスホール
〜そうだ、京都でやろう!〜
 伝統と革新が息吹く千年の古都で「投資」について考える

【パネルディスカッション・受益者との対話】
 パネラー    田中通泰氏
         矢崎和彦氏
         新井和宏氏
 モデレーター  鎌田恭幸氏

鎌田:
失われた20年で失われてしまったものは多くあります。社会的課題を企業活動を通じて解決することで人は豊かに環境も豊かになると考えています。鎌倉投信ではこれからの時代に本当に必要な会社に投資していますが、投資に至ったポイントを新井さんから。


新井:
まず亀田製菓さんから。グローバル企業という観点で日本に残る理由を考えてみました。すると、グローバル企業と呼ばれる会社でも日本にないといけない理由が見あたらない会社が多いことに気づきます。グローバル企業は独自の色がないといけません。また、日本のそこの場所にある理由がないと雇用を日本で生みません。

亀田製菓はお米は日本で作っているし、米は主食でそれをお菓子にするのは日本らしいことだと思います。
グローバルニッチと呼ばれる会社は地方に存在する傾向があります。新潟という地方にあって雇用を生みだしている背景には東京のようにお金で人が動かないという長く勤める人が生まれやすい土壌があるとも考えています。

亀田製菓は今後どの方向に行くんだろう?と考えていろんな人に聞いてみたところ、海外に向かうというはユニークだと考えました。

また、三世代が一緒に働ける職場というのも評価しています。

続いてフェリシモさんについて。社員さんに会う機会が多かったんです。特に環境問題の会などに行くとよくフェリシモの社員さんに出会いました。それで、こういう会社なんだなと。

フェリシモでモデルをやってる方とも知り合いになりましたが、デザインがすごく良くなっていると話していました。外の人の意見を汲んでくれるという声も聞いています。

鎌田:
いろんな投資家がいますが、その中で鎌倉投信はどう見えているのか。お客様の印象をお願いします。

矢崎:
個人投資家の前で話す機会が年に2〜3回ありますが、聞いていただける雰囲気がなく大変苦手です。
今日は全く逆でびっくりしました。最初に流れた鎌倉投信さんの受益者総会に向けての映像にもびっくりです。

ここには気持ちや精神に呼応された方が集まっているので場の雰囲気も違って感じます。

鎌田:
お二人には「株価や業績の話は必要ありません。なんのための事業かという想いを話してほしい。」とお願いしました。数字は運用責任者の新井が全て引き受けています。想いの無いところには夢はありません。そして成長もありません。

田中:
ユニークな存在であると感じました。一般の投資家とも違いますし、600人近い方が集まることにもびっくりしました。

ここにいる皆さんは何に投資しているのかわかって投資されています。それで運用成績もいい。新井さんは偶然だと言いましたがそういう事になる法則があるのかもしれません。

鎌田:
田中社長は実直な方。最初はいやだと言われました。いい会社じゃないし、鎌倉投信の受益者の前でなにを話せばいいのかと。亀田製菓には様々なお菓子がありますが、ハッピーターンという名前にはどういった由来があるのでしょうか?

田中:
オイルショックで日本経済が錯綜した時代、幸せがもどってきたらいいよねとつけた名前です。
日本航空さんの経営が傾いたときに機体にペインティングして応援したりもしました。

鎌田:
長寿商品はどうやって生まれるんですか?とお聞きしても「あまり考えてないんだよね」というような答えが返ってきます。311のあとも就職がキャンセルになった人をたくさん採用したりもしていました。

<会場からの質問>
矢崎社長のお話は頭に景色の浮かぶ言葉で話されると感じました。
ともにしあわせになるしあわせが社員に浸透していると思いましたが、そういったことは大切ですが実現するのは難しいと思います。御社ができた理由はなんでしょうか?自慢をひとつお願いします。
また、新井さんからも自慢ポイントをお願いします。

矢崎:
自慢できるのは人です。仕事をしていても凄いと思いますが。
社名をフェリシモに変えたのが24年前。最初はちんぷんかんぷんだったけれども、少しずつやってきました。そうするとだんだん社内に事例が共有されて浸透していくようになります。

お客様やメディアの評価も受けていくうちにそういうことをしたい人が入社してくるようになりました。
会社には風土と制度がありますが、制度はすぐできるけれども、風土は信じて愚直に貫くことが早道です。

新井:
水曜午前中に行くと面白いんです。オープンスペースで部活をやっているので周りの話しを聞いてみています。そうすると笑い声がそこら中で聞こえるんです。社員だけじゃないんですよ。取引先やお客様も集まって商品開発をしているんです。

この風土は隠せません。あれが金融的に言うと担保です。

<会場からの質問>
グローバルな企業になるという中でハーシーの話が出ましたが、その中でオリジナリティを守るという話がありました。その辺りをもう少し聞いてみたい。

田中:
ヨーロッパで発達したお菓子がアメリカに伝わって手作りだったのが機械化されました。それぞれ発展の過程で1900年くらいからの話です。創業者のチャレンジ精神、執念が個人的に勉強したい点です。

ハーシーは1945年に亡くなりましたが、2000年に株式を預かっていたファンドはポートフォリオのバランスが大切だと売却を検討するという考えられないような事態が起きました。これをどういう風に考えていけばいいのか?

地域との共生はあまり無理をしないでやっています。競争力はコストを下げることですが、弊社では10年間ベースアップを継続しています。

新井:
アメリカのオーガニッククッキーのM&Aも創業者がアレルギー持ちでも食べられるクッキーをという事で作りました。自然から恵みをもらっているだから自然を大切にしないといけないという話を聞いて幹部の方が感銘をうけていました。

鎌田:
田中社長は元々大手金融機関に勤めていた方。危機感を奥深くに秘められた方で「優れたリーダーが必要なものは危機感」というのは元世界銀行副総裁の西水美恵子さんの著書にもある言葉です。

<会場からの質問>
4月に投資被害にあってしまいました。どうやったらいい会社を見極められるんでしょうか?

新井:
いい会社というのは完璧な会社ではありません。完璧な人間がいないように、完璧な会社もありません。
会社の看板は見ることができますが、会社というそのものは見ることができません。

いろんな問題が起きるけれども、その中で経営者がいい会社になろうとしているか判断しないといけません。感謝の気持ちがたくさんあるというのはいろんな方の協力によって成り立っているという謙虚さの裏返しです。

我々が会社訪問した時、最初の30分で我々の理念を話すようにしています。そうするとこんな金融機関が!と喜ぶタイプと「おまえ、俺の話を聞きに来たんじゃないのか?」というタイプに分かれます。
いい会社というのは前者のケースで、いい会社を見分ける方法として念仏のように理念を語るようにしています(笑)フェリシモのように雰囲気が大事なんです。会社の気をみてほしい。

他には細かいところも見ています。例えばお客様用ではなく社員のトイレ。
会社見学している最中に急にお腹が痛くなってもう我慢できないと社員用のトイレに入ります。そこで見るのは水回り。会社に時間を提供しているだけで愛を感じていない会社では手を洗った後に水回りを吹いたりはしていません。

<会場からの質問>
実はみんな知っている。個と全体がつながっていない。というのがまさにその通りだと思いました。
一歩を踏み出せているきっかけ、秘訣を教えていただけますか?

矢崎:
ああは言いましたが、うちのトイレは大丈夫だったんでしょうか?(笑)

対象が大きすぎてわからなかったという事もあります。その場合でも今自分がやってることを少しずつ置き換えてみるというのが大事です。

段ボールに色をつける、書店でカタログを売る、日常をベースに近づきたい理想に近づけていくのです。
アクションすることで知恵が生まれ、進化していきます。そのうち周りを巻き込んでいくようになります。得意なところでつなげていきます。


鎌田:
午後の部は何百歩も踏み出した人のお話なので楽しみに

<会場からの質問>
元気な人が入ってきてくれるという話がありました。働く側からするとやりたいことができる会社なのかな?と感じました。社員の笑顔がきれいだと感じたのですが、社員の笑顔を担保するのに気をつけていることはなんでしょうか?

矢崎:
入社式で長く働いてくれる人をという話をします。君たちが輝けるように役割と舞台は用意すると。
ただ、全員がピッチャーでは野球はできないので部活やジョブクリエーション、プレジデント30といった制度があります。

プレジデント30というのは30歳になったら社長にという制度で50周年記念に50社起業することも考えています。いずれにしてもパッションを維持できる状況をつくる制度をつくっているつもりです。

鎌田:
地元で三代で働く環境もありますが亀田製菓はどうでしょうか?

田中:
これといって思い浮かばないのですが・・・共稼ぎも認めています。
代々来ていただいているのはありがたいのですが、部長以上の子弟は採用しないという条件はつけています。

鎌田:
亀田の理念に会社を私物化しないというのがあります。

<会場からの質問>
地方の企業は地元でずっと働くという人が多いと思いますが、地方の中小企業に海外展開にあたってこういうことをやっては?というアドバイスがあれば教えてください。

田中:
海外展開は四苦八苦しています。海外赴任については例外を認めない方針で基本的にやっています。
問題は海外に順応できる人なのか見極める必要があるというところです。社員の半分以上は海外に行ったら現地社会に入り込めない人だと思っているので現地の生活を楽しめる人を送り込むように気をつけています。

鎌田:
日本初のグローバル企業はこれから生まれていくと考えていて、そういうところに目を向けています。

文化をつくるのに15年はかかります。社長は人知れず努力しています。社長は圧倒的な努力をしないといけません。それを10年15年やりつづけるのです。社長は徳がないといけません。徳を身につけるにはどうしたらいいのでしょうか?人のために時間を使うのです。つながりを大切にしないといけません。

今月の寄付:ルーム・トゥ・リード2013年09月06日

今月の寄付は子供の教育支援を行っているルーム・トゥ・リードに行いました。

ルーム・トゥ・リードでは9月8日の国際識字デーを記念して9月5日〜9月10日までに寄付された金額が3倍にのインパクトになるトリプルマッチングキャンペーンを実施中です。

私は5,000円を寄付しましたが、キャンペーン期間中でしたので私の5,000円に対してとあるルーム・トゥ・リードの支援者から10,000円がマッチング(加算)されてルーム・トゥ・リードへの寄付金は15,000円分のインパクトを生み出すことになります。

日本では認定NPOではないため税制上のメリットはありませんが、トリプルマッチングキャンペーンであれば1,000円分の寄付が3,000円分の寄付に等しいインパクトを生み出すことにつながりますので、寄付する側からしても税制優遇以上のメリットはあると思います。

どなたがマッチングしてくれているのかはわかりませんが、こういう取り組みはありがたいですね!

毎月の定期的な寄付は以下の通りです。
 難民を助ける会          2千円
 日本ユニセフ協会         1千円
 WWFジャパン           1千円
 LIP Chance Maker          1千円
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 合計               8千円

水曜どうでしょう祭 UNITE2013参加レポート(9/7)2013年09月10日

8年ぶりに開催された水曜どうでしょう祭、一旦はあきらめたんですが最後の粘りでどうにか9月7日(土)に参加してきました。っていうかあれからもう8年たったんだね〜。

金曜日は竹川美奈子さんのNISA勉強会に参加した後、成田のホテルへ移動して朝の飛行機で新千歳空港へ。一旦ホテルに荷物を預けて現地に到着したのは11時過ぎ。既に入場ゲートの混雑は落ち着いていました。心配されていた雨も千歳方面は降っていたものの札幌市内は曇り。

入場パスです。

ゆるゆるとスタンプラリーをしながらアイスアリーナへ。

どうでしょう神社。

カブ西日本で登場した後藤姫だるま工房さん。

だるま一家も勢ぞろいです。

新篠津村の高砂酒造さんも出店。わかさぎ釣りで大泉さんが飲んでいた大法螺も売っていました。

どうでしょう軍団襲来図。赤いシールが置いてあって、どこから来たのかビシッと貼り付けます。
しっかり所沢に貼ってきました。東京近辺盛り上がりすぎです(笑)

漫画家さんが描く水曜どうでしょうも展示。アリーナの2Fには原画展示のミュージアムもあったのですが時間の関係で見られず。1F廊下のポスターで見てきました。

そして問題作(笑)
ふじやんがこういうのを描いて欲しかったんだ!と絶賛してました。

私も最近の小ぎれいな大泉さんより荒々しい大泉さんが好きです。

お昼は小倉トースト食べ比べ。こちらは青屋敷(ローソン)版小倉トースト。
藤やんの実家、カフェレストラディッシュの監修です。

うん、甘い!

こちらは本物のカフェレスト ラディッシュの小倉トースト。

甘さだけでなく、ちょっとしょっぱさも。
ラディッシュは年末で閉店するという衝撃情報も樋口了一さんの『手紙』を聞いて思わずほろっと来てしまった藤やんから発表されました。
「かあちゃん、美味しかったよ!」

バタークリーム復活を目論む藤やんが札幌グランドホテルに発注。甘いものが苦手な石坂店長が無理して一個食べて一日を棒に振った「藤村のバタークリームケーキ
昔なつかしいチープな見た目が素敵です。昔なつかしいのべーーーーっとしたバタークリームが堪能できる逸品でした。

真駒内オープンスタジアムへ。
トークショーの直前にはこの人だかり。全国からどうでしょうバカが1万5千人も集まってます。
ダ・ヴィンチの表紙の撮影もトークショーの最中に行われましたが、アリーナ前方組から寝ー釣ーり!コールが(笑)

この日一番笑ったのは藤やんが話していた「マウントポジションからの糸ようじ、糸ようじ、糸ようじ」
台本がないので面白いことを手探りでやってる大泉さんが藤村Dのツボに入ったと見るやマウントポジションからすかさず連打するという話の中で登場した名セリフ。

LIVEでは黒色すみれの「菊練りしたい」「語呂合わせのコニーデ」が強烈すぎました。

どうでしょう祭で買ったグッズなどを特製の段ボールで発送できるヤマト運輸ブースは買い物したグッズを箱詰めする藩士でいっぱいでした。そういえばコモンズ投信も8月からヤマトHDへの投資をはじめましたね。(無理やりつなげてみた)

夜のトークショーは気合を入れてアリーナに来てみました。
この日は第二回どうでミー賞の名セリフ部門の発表でした。司会はなんと10位以内にノミネートされなかったからとミスターが。
10位から順に名セリフを言った人が前に出てきてセリフを絶叫するだけなんですがやたらと盛り上がります。
6位では藤やんが「文久三年!」と言うと会場のどうバカが「金八先生〜!」と自然とコール&レスポンス。この組み合わせおかしいだろ!と大泉さんにも突っ込まれました。
基本的に最初の1〜2文字で会場はなんのセリフか察するので、一緒に名セリフを叫んで盛り上がります。

「どーも 奥さん 知ってるでしょう。大泉洋でございます。おい、パイ喰わねえか?」が結局2連覇。
大泉さんは次回の祭までにはこれを超える名セリフをと意気込んでいました。


最後は樋口了一さんのライブ。AnniversarySongをどうでしょうネタで替え歌を作って来たという本人による替え歌でスタート。マニアだ・・・。『手紙』は生で聞くとうるっときますね。
8年ぶりに生で聞いた『1/6の夢旅人2002(2013)』も今日も終わりなんだな〜と思いながら歌ってました。

締めは今回も花火。本当に目の前で打ち上げられるので最後は視界中が光の粒で一杯になって涙が出ちゃいました。

無理してでも行ってよかったです。一番大変だったのは直前だったので宿を確保することだったんだけど。

新千歳空港にもビシッと新作の広告が。
ちなみに来ている衣装やタオルはグッズとしてヨーロッパ完結編と同じく売り出すつもりらしい(笑)

藤やんと嬉野Dのサイン入り。

名言がびっしり書かれたマニアックな広告が。

また8年後になるのかもしれないけど次こそは3日間ゆるゆると参加したい!と思いました。
同じ価値観を持つ人が15,000人も集まって同じツボで笑えるってのは相当幸せなことですよね。
笑顔が一杯集まったとても幸せな時間を自分も共有できました。

一生どうでしょうします!と改めて誓ったどうでしょう祭UNITE2013でした。